カテゴリ:カクテル
ギムレット(Gimlet)と言えば、昔からBARで人気の高いカクテルの一つ。そのレシピは、ジン45ml、生ライム・ジュース15ml、シロップ少々というのが一応の定番。
すなわち、ジン3にライム1という辛口の比率が現代では好まれている。さらに辛口が好きな人には、4:1とか5:1とかいうレシピもある。僕もどちらかと言えば、辛口が好きなので、ジンの割合は多めがいい。 しかしある日、ふらっと立ち寄ったBARで、「ギムレットが最初できた時のレシピ、今とは違ったんは知ってますかー?」とバーテンダーから言われた。当初考え出されたギムレットは、現在のような辛口のものではなく、甘口だったというのだ。 1930年に出版された有名な「SAVOY COCKTAIL BOOK(サヴォイ・カクテル・ブック)」(写真左上)には、もちろんギムレットが紹介されている。 だが、そのレシピをよく読むと、プリマス・ジン2分の1、ローズ社のライムジュース・コーディアル2分の1とある(写真右=左がプリマス・ジン、右がローズ社のライムジュース・コーディアル)。 コーディアルとは、甘みを付けたジュースのこと。フレッシュ・ライムが手に入りにくかった時代につくられたという(なめてみると、ジュースと言うよりもシロップに近いような感じ)。 「へーっ、知らんかったよ」と言うと、そのバーテンダー氏、「うちに今ちょうど、プリマス・ジンもローズ社のライム・コーディアルもあるんで、作ってみましょか?」と。こちらも二つ返事で「ぜひお願い」と頼んだ。 出来上がったギムレット(写真左)は、バーテンダー氏は「ややライムは抑えめにつくった」と言うものの、正直言って甘~い! 日頃、辛口のギムレットに慣れた僕には、まったく別のカクテルに思える。食中、食後の酒というより、食前酒の趣。 でも、あの「長いお別れ」で、探偵フィッリプ・マーロウが飲んだギムレットは実はこのレシピだったとか。こんな甘いカクテルを味わいながら、「ギムレットには早すぎる」なんて、ハードボイルドなセリフがよく言えたものだなぁと感心してしまう。 「元祖・ギムレット」。甘口のカクテルが好きな女性なら、気に入るかもしれません。ローズ社のライム・コーディアルはあまり輸入されていないが、もし、材料が揃っているBARがあったら、皆さんも話のネタにぜひ一度味わってみてください。 人気ブログランキングへGO!→【人気ブログランキング】 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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