テーマ:★居酒屋★(1206)
カテゴリ:グルメ
BARというものがあまり街場になかった時代は、日本人にとって、居酒屋がBAR代わりだったと思う。居酒屋とBARの違いは、一言で言えば、食いもんがメインか、酒がメインかの違いだろう。
BARはあくまで酒がメインで、酒そのものを飲み、楽しむ場所。それに対して、居酒屋はどちらかと言えば、食いもんがメインで、酒は食をすすめるための引き立て役か、あるいは単に酔うためのものだろう。 僕は、空き腹の胃にアルコールを入れるのは嫌いな人間である。しばしば、BARでアテも食べずにひたすら、ただ飲み続ける人と出会うが、あれは僕の一番嫌いな酒呑みのスタイルである。 フードもリーズナブルなお値段で食べられるBARならいいが、普通BARで食べると結構高くつく。だから普段は、どこかで腹ごしらえをしてから、BAR巡りに出かけることが多い。そんな腹ごしらえの場として、最近は、居酒屋がお気に入りだ。 とくにレトロな雰囲気が漂う、昔ながらの居酒屋が好きである。そんな僕のお気に入りの居酒屋を、何回かに分けて紹介していきたい。まずは大阪から--。「食い倒れの街」「居酒屋天国」とも言われる大阪でも、僕の知る限り、天王寺の「明治屋」(写真左上)ほど居心地、雰囲気ともに素晴らしい店は他には知らない。 JR(または地下鉄)天王寺駅から阿倍野筋に沿って5、6分歩くと、年代物の大きな看板が目に入る。元々酒屋さんだった店が居酒屋に変わったのが昭和13年(1938)。以来、約70年もの歳月、なにわの酒呑みに愛されてきた。 店内は開業当時の雰囲気をそのまま残し、まるで昭和20~30年代にタイムスリップしたかのよう。大きな銅の燗器で出される熱燗(夏はちょっと大変だが)が名物だが、これがまた旨い。これまた名物の湯豆腐との相性は抜群だ。湯豆腐以外の居酒屋メニューも豊富だ。 昼間から(午後1時~)開いているのも嬉しい。そして、2時、3時から常連客が集う(写真右)。一人客が多いが、客は概して行儀がいい。酒グセが悪い客や、飲んで騒ぐ客には僕はほとんどお目にかかったことがない。みんな静かに淡々と、新聞でも読みながら、飲んで食べて、過ごしている。 値段は普通の居酒屋よりは少し高めだが、それでも2000円もあれば、僕はいつも満足できる。最近は、若い女性の間でも、静かな居酒屋ブームだといい、女性のグループ客も結構見える(写真左=メニューの内容はこんな感じです)。 残念なのは、風格あるこの店の周辺が、再開発(大阪市の道路拡幅計画とか)のため次々と更地になっていくことだ。この明治屋もいずれ、移転せざるを得なくなるのだろう。 大阪市には、歴的な文化財とも言えるこの素晴らしい建物をそのまま移転・保存させて、明治屋の営業継続を支援してほしいと心から願う。スキャンダルばかりで、評判の悪い市政のイメージアップにもつながると思うのだが…。関市長の英断を願いたい。 【明治屋】大阪市阿倍野区阿倍野筋2-5-4 電話06-6641-5280 午後1時~10時 日曜休 こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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