神戸の北野坂近くに、「MAY-HWA(メイホワ)」という名のお店があります(しかし残念ながら、昨年10月から休業中です)。在日華僑の焦梅華(チャオ・メイホワ)さん=写真(MAY-HWAのホームページから)=が1972年に開いたレストランBARでした。
MAY-HWAには陳舜臣さん、田辺聖子さんら関西在住の文化人をはじめ、劇団民芸の俳優の皆さん、ジャズ・ピアニストの山下洋輔さんらがたびたび訪れ、神戸文化を支える一つの拠点のような存在でした。店では時々ジャズ・ライブも開かれました。
店のフードはチャイニーズがメイン。お兄さんが中華料理店を営んでいることもあって、梅華さんのつくる中華は客に人気で、とくに「水餃子」と「あんかけ海鮮焼きそば」は絶品の味でした。
その梅華さんが7月11日、食道がんで亡くなったという知らせを受けました。まだ63歳の若さでした。昨年秋に病気が分かり、店を休んでずっと闘病していましたが、とうとう帰らぬ人になってしまいました。
僕は、神戸で仕事をしていた80年代前半に初めて訪れて以来、(オーセンティックBARに行くほど)頻繁ではありませんでしたが、今日まで時々お邪魔していました(店に顔を出すたびに、「今度はいつ来てくれるのよぉ~」と梅華さんに嫌みを言われながら…も)。
梅華さんは1970年の大阪万博でコンパニオンをしていたことから分かるように、接客上手で、英語も中国語も堪能。プロ並みのジャズ・ボーカルまでこなすなど、素晴らしい才能の持ち主でした。僕も時々店のピアノを弾かせてもらい、梅華さんの「ミスティ」の歌伴をしたこともありました。
梅華さんのあの笑顔がもう見られないと思うと、ただ淋しいと言うしかありません。神戸文化の一つの華が消えて、一つの時代が終わりました。今はただ、素晴らしきエンターテイナーだった梅華さんのご冥福を祈るばかりです。 |
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うらんかんろ
大阪・北新地のオーセンティック・バー「Bar UK」の公式HPです。お酒&カクテル、Bar、そして洋楽(JazzやRock)とピアノ演奏が大好きなマスターのBlogも兼ねて、様々な情報を発信しています。
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Free Space
▼Bar UKでも愛用のBIRDYのグラスタオル。二度拭き不要でピカピカになる優れものです。値段は少々高めですが、値段に見合う価値有りです(Lサイズもありますが、ご家庭ではこのMサイズが使いやすいでしょう)。▼切り絵作家・成田一徹氏にとって「バー空間」と並び終生のテーマだったのは「故郷・神戸」。これはその集大成と言える本です(続編「新・神戸の残り香」もぜひ!)。▼コロナ禍の家飲みには、Bar UKのハウス・ウイスキーでもあるDewar's White Labelはいかが?ハイボールに最も相性が良いウイスキーですよ。▼ワンランク上の家飲みはいかが? Bar UKのおすすめは、”アイラの女王”ボウモア(Bowmore)です。バランスの良さに定評がある、スモーキーなモルト。ぜひストレートかロックでゆっくりと味わってみてください。クールダウンのチェイサー(水)もお忘れなく…。
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