Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

2012/05/15(火)13:58

Bar・キャシー(Kathy): 社長もヒラも、一緒に呑めばみな平等!/10月10日(日)

BAR(163)

 大阪・キタの梅田には、大阪市の外郭団体が運営・管理する駅前第一ビルから第四ビルという四棟の大規模複合ビルがある。このなかの第一ビルの地下2階に、今回紹介する「バー・キャシー(Bar・Kathy)」はある。  「キャシー」は1958年(昭和33年)5月、サントリーが当時展開していたトリスバー・チェーンの1軒として、現在の大阪市北区曽根崎4丁目誕生した。そして、11年後の1969年、現在の駅前第一ビルに移転した。  開業当時29歳だったマスターの塩野保男さんは現在81歳だが、元気でカウンター内に立たれている(営業時間は歳を考えて今は、夜10時までと短縮されているが)。一昨年2008年の春には、常連客と一緒にめでたく50周年を祝った。  昔からキャシーのすぐそばを歩いていたうらんかんろだが、恥ずかしながら、この素敵な酒場の存在をはっきり認識したのはこの10~15年程のことだ。だから、僕は「(自分が)常連客の1人」とは恥ずかしく言う資格はないが、それでも、キャシーという店を愛しているとは自信を持って言える。  キャシーの良さは何よりも、マスターや客の気さくさ。敷居の低さだ。常連度は高いが、だからと言って、一見の客に冷たくするようなことはない。「カウンターで一緒に飲めば、みんな友だちや」がキャシーの“ルール”だ。  ここではカウンターに座れば、社長もヒラ社員もみんな平等だ。カウンターで飲む時には肩書は要らない。ヒラ時代から通い始めて、その後出世して社長や重役になった人も多いが、キャシーは今も肩書で飲む店ではない。  キャシーでは、みんなアホになって、「1人の酒呑み」になる。かつてはサントリーの佐治会長(故人)も普通に客として来て、飲んでいたとか(「愛」と書いた佐治さんの色紙が店内に飾られている)。  塩野マスターは気さくで、穏やかな人柄だが、酒場でのマナー・酒の飲み方にはうるさい。幸い僕は怒られたことはないが、「カウンターで寝たらあかん」「女の子連れて来ていちゃいちゃするとこちゃうで」「自分のこづかいの範囲で飲みなはれ」等々、客には厳しい。  今はなき「コウベハイボール」の河村マスターもそうだったが、こういう厳しい、頑固なマスターはほぼ皆無になった。最近、BARの客のマナーレベルが下がったのは、店主が客を叱らなくなったからだと思うのは僕だけだろうか。  創業53年目を迎えるキャシーだが、今なお20代から80代まで幅広い世代の客で賑わう。午後4時オープンだが、6時頃にはいつもほぼ満員になる。親子3代で通い続け、今では孫と一緒にカウンターで飲む御仁もいる。このお孫さんにとっては、キャシーが最初の「人生の学校」になるかもしれない。  ハイボール(トリス)は開業当時、1杯70円だったそうだが、半世紀経った今でもまだ角が(確か)1杯450円で飲める(しかもノー・チャージ!)。キャシーは大阪の文化であり、文化財でもあると思う。先般お邪魔した時も、「こんな酒場は、絶対に潰したらあかんで、なぁ…」とカウンターの客が連れに力説していた。僕も思わず、「ほんまにその通りや」とつぶやいていた。 【Bar キャシー(Kathy)】大阪市北区梅田1丁目3-1 駅前第一ビルB2F 電話06-6341-5710 午後4時~10時(入店は9時半までに) 土日祝休 こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】

続きを読む

このブログでよく読まれている記事

もっと見る

総合記事ランキング

もっと見る