テーマ:カクテル大好き!(494)
カテゴリ:カクテル誕生の逸話
【おことわり】レシピやスタイルは標準的なもので、絶対的なものではありません。文献やバーテンダーによっては違う割合、材料、スタイルでつくっていることもあります/レシピの丸カッコ内の数字(単位)はmlです。
◆カクテル ―― その誕生にまつわる逸話(2012年版:ABC順)(49) 【ノン・アルコール編】 145.シンデレラ(Cinderella) 【レシピ】オレンジ・ジュース(50)、レモン・ジュース(50)、パイナップル・ジュース(50)、氷 【スタイル】ビルド 【グラス】ワイングラス カクテル名は当然、欧州で昔から伝わる童話の「シンデレラ姫」に由来すると思われるが、誕生の経緯等はまったく不明。シンデレラの話の原題でもある「サンドリオン(Cendrillon)」という別名も持つ。 カフェロイヤル・カクテルブック(1937年刊)で紹介されており、欧州では少なくとも1930年代には登場していたと思われる。このため、ディズニーのアニメ映画の「シンデレラ」公開(1940年)を記念して考案されたものではない(欧州では、19世紀前半に登場した「グリム童話」やフランスの文学者による「サンドリオン」によって、シンデレラのストーリーは知られていた)。 【確認できる日本初出資料】現時点では不明(現行NBAガイドブックには収録) ************************************ 146. フロリダ(Florida) 【レシピ】オレンジ・ジュース(60)、レモン・ジュース(30)、アンゴスチュラ・ビターズ2dash、シュガー・シロップ1tsp 【スタイル】シェイク 【グラス】ラージ・カクテルグラス 米国の禁酒法時代(1920~1933)に誕生したと言われる歴史の古いカクテル(出典:欧米の複数のWEB専門サイト)。「シャーリー・テンプル」と並んで、ノン・アルコールの代表格。日本にもいち早く1930年代に伝わっている。 同名のカクテルで、オレンジ・ジュース(30)、グレープフルーツ・ジュース(20)、クランベリー・ジュース(20)、レモン・ジュース(10)、グレナディン・シロップ1tsp、アンゴスチュラ・ビターズ1dash、氷というレシピもある。 禁酒法廃止以後は、ジンを加えるレシピも生まれた。そうなれば当然、ノン・アルコールには分類されない(現行NBAガイドブックにも収録)。 【確認できる日本初出資料】スタンダード・カクテルブック(村井洋著、1936年刊)。 ************************************ 147. パーソンズ・スペシャル(Parson’s Special) 【レシピ】オレンジ・ジュース(80)、グレナディン・シロップ4dash、卵黄(1個分)、ソーダ(適量)、氷 【スタイル】シェイク(強めに) 【グラス】トール・グラス 「Parson」とはプロテスタントの牧師のことを指すが、カクテル誕生の経緯や名前の由来は不明。サヴォイ・カクテルブック(1930年刊)にもその名が見られることから、1920年代にはすでに飲まれていたカクテルと思われる。パーソンズの綴りを「Person’s」とか「Personz」とかしている文献もあるが、これは誤記だろう。 【確認できる日本初出資料】現時点では不明(現行NBAガイドブックにも収録)。 ************************************ 148. プッシー・フット(Pussy Foot) 【レシピ】オレンジ・ジュース(20)、レモン・ジュース(20)、卵黄(1個分)、グレナディン・シロップ1tsp、氷、飾り=オレンジ・スライス&チェリー 【スタイル】シェイク(強めに) 【グラス】トール・グラス 1920年頃、ロンドンの「エンバシー・クラブ(The Embassy Club)」のバーテンダー、ロバート・ヴァーマイア(Robert Vermeire)が考案したと伝わる(出典:欧米の複数のWeb専門サイト、PBOのHPほか)。 「プッシー・フット」とは「子猫の足」「こっそり歩く」という意味で、米国の禁酒運動家だったウイリアム・ジョンソンのあだ名でもあった。ただし、ヴァーマイアによる命名の由来は伝わっていない(現行NBAガイドブックにも収録)。 【確認できる日本初出資料】カクテール(堀井浩一著、1971年刊)。 ************************************ 149. シャーリー・テンプル(Shirley Temple) 【レシピ】ジンジャー・エール(またはレモネード)(150)、グレナディン・シロップ(15)、氷、飾り=レモン・スライス、チェリー、ミントチェリー 【スタイル】ビルド 【グラス】ワイングラスまたはトール・グラス 最も代表的なノンアルコール・カクテル。1930年代に、米カリフォルニア州ビバリーヒルズのレストラン「チェイスンズ(Chasen’s)」に勤めるバーテンダー(名前は不詳)が、当時人気子役俳優だったシャーリー・テンプルのために考案し、その名をカクテル名にしたという(出典:Wikipedia英語版)。 1933年の禁酒法が廃止後は、お酒が堂々と飲めるようになり、親が酒を飲んでいる時に子どもたちも一緒に飲めるカクテルとして普及していったと伝わる(出典:複数のWEB専門サイト)。 シャーリー・テンプルは1928年4月23日生まれで、2012年6月現在、84歳で健在。米カリフォルニア州サンフランシスコ郊外で暮らしている。テンプルは1950年、22歳で海軍大佐と再婚すると同時に、映画界から引退。その後は、駐ガーナ大使、駐チェコスロバキア大使を勤めるなど外交官としても活躍したことで知られている(出典:Wikipedia英語版&日本語版)。 ウオッカを加えると当然、アルコール飲料となり、名前も「ダーティー・シャーリー」と変わる。 【確認できる日本初出資料】さらに古い文献もあるかもしれないが、現時点ではカクテル入門(福西英三著、1982年刊)。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2021/05/14 09:33:31 AM
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