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2021/06/21(月)08:23

Bar UKマスターのつぶやき(「アフターコロナ」はどういう社会に?)/7月2日

Bar UKマスターのつぶやき(72)

 コロナの緊急事態宣言が解除されたにも関わらず、東京では新規感染者が再び増加しています。なかなか収束の気配が見えません。海外に目を移すと、米国ではコロナがいったん収束した後に、今度は人種差別の放置で自ら社会をズタズタにして混乱を招いていますね。「マスク強制は合衆国憲法違反」という緩んだ言い分を聞いては、「もうあんたら、好きにしなはれ」としか言えません。  さて、きょうご来店されたお客様の話。保険系の会社にお勤めですが、1日おきに出社と在宅勤務を繰り返しているとのこと。そして、「会社としては、今後もずっと今のスタイルを続ける方針です。オフィス面積も半分に減らせるから、会社にとってもリモートワークは大きなメリットになるみたいです」と。コロナで私たちの生活様式だけでなく、働き方も大きく変わろうとしています。どこの会社でも大なり小なり、変わらざるを得ないのでしょう。  リモートワークは一時的なものではなく、一定程度定着し、オフィス街の姿も変わっていくのは間違いありません。平日のオフィス街の人口は、極端に言えば半分くらいになってしまうということです。帰宅時間も早くなって、グループでの外食・外飲みはますます少なくなるでしょう。オフィス街に隣接する北新地という盛り場も、すなわち飲食業というビジネスも、影響を受けて変わらざるを得ません。従来と同じ感覚、スタイルで営業していては取り残されるでしょう。  バーを始めてわずか7年目で、このような大変革に直面するとは思いませんでした。北新地のそばを職場とするサラリーマンの絶対数が減っていくという現実をしっかり受け止めなければなりません。生き残り競争は激しくなっていくでしょう。変化に対応できるスキルや力をつけるしかありません。いやはや大変な、厳しい時代になってきました。  コロナで影響を受けている業種、業界の多さと幅広さにも改めて驚きます(良くも悪くも、影響のない業界はほとんどないでしょうね)。中国相手の部品輸出と現地法人での製造・対日輸出がメインだったお客様は、「業務はほとんどストップしている状態。現地法人も、優秀なスタッフが次々退職するので、存続させるかどうか、悩んでいるところ」と話されていました。  個人的には、別のお客様から聞いた、京都のホテル業界の悲惨な現状に言葉を失いました。市内のホテル稼働率は1〜2割とか。開業前のホテルがすでに売りに出ているという話もありました。インバウンド客がこんなに突然ストップしてしまうなんて、誰も想像できなかったことです。しかしコロナによってもたらされた現実は、受け入れるしかありません。  あこがれの職種と言われた航空会社も厳しい現状ですね。夢を抱いて入社した人たちの心情を思うと、ほんと気の毒でなりません。スポーツ・ジムのスタッフとして働いていたお客様は、解雇されて次の職場を探していますが、「まだ見つかってない」そうです。戦争、大災害、大不況…と経済を混乱させる要因はいろいろありますが、私自身、一つの感染症がここまで地球規模で広がり、各国の経済や社会をズタズタに破壊するとは思いもよりませんでした。  「インバウンド客は1~2年で戻ってくる。今を乗り越えたら、また復活できる」なんていう無責任な評論家もいます。しかし、今の世界の状況を考えたら、そんな楽観論はとても信じられません。個人的には「3~4年はかかる」と思っていますが、バーUKの場合は、元々中国や韓国からのインバウンド客はほとんどゼロだったので、戻っても戻らなくても影響はありません。ただし、欧米方面、オセアニア方面のお客様は5~10%ほどいらしたので、こちらは早く戻ってほしいと願っています。  コロナで身に染みた教訓と言えば、「人生も、ビジネスも、何が起こるか分からない。何か一つのことに頼り過ぎてはいけない。人生もビジネスも、常に"もしも"に備えて、しなやかに対応できる術(すべ)を考えておくべし」ということかなぁと、今は思っています。

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