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2022/01/31(月)08:35

【ITTETSU Gallery:もう一つの成田一徹】(471)樋口一葉

ITTETSU GALLERY(754)

 成田一徹・バー切り絵作品集    『NARITA ITTETSU to the BAR』             完全改訂増補版 発刊記念! ITTETSU Gallery:もう一つの成田一徹(471)   樋口一葉 2003年 ※漫画原作者・城アラキ氏の連載エッセイ「男を磨く男のコラム:男包丁」(2002~03年、週刊「漫画ゴラク」=日本文芸社刊=誌上)の第118回「樋口一葉の怨念」のために制作された挿絵。  樋口一葉(ひぐち いちよう、1872~1896)は、言うまでもなく、日本初の女性職業作家である。東京生まれ。一葉は筆名で本名は奈津。生活に苦しみながら、『たけくらべ』『にごりえ』『十三夜』といった秀作をわずか1年半ほどの間に発表。文壇から絶賛されたが、24歳6ヶ月の若さで肺結核のため夭逝した。「一葉」との筆名は、当時困窮していた事を、一枚の葦の葉の舟に乗って中国へ渡った後、手足を失った(お足が無い)達磨の逸話に引っ掛けたものという。  この肖像画には、「金をくれ」という不思議なメッセージが添えられている。2003年11月、5千円札と千円札の肖像画のデザインが、それぞれ樋口一葉と野口英世に変更された。筆者の城氏はまず冒頭で「この人選には驚いた」と書く。  「一葉は、生涯貧乏で、夭逝。お金には死ぬまで苦労した。一方、野口はお金にルーズで、出世主義。どちらもお札の顔になるのがふさわしいかどうか、疑問が残る」と。  城氏はさらに綴る。「国家が莫大な借金を持っている日本。政府はいずれ『預金封鎖』宣言を目論み、家に眠っている国民のカネを表に出させるつもりではないのか、そして市場に流通した国民のヘソクリやアングラマネーが景気浮揚につながると、政府は踏んでいるはずだ」と。  もちろん、そんな「宣言」は出なかった。そして20年経っても、国家の借金は今も変わらないどころか、コロナ禍でさらに増え続けている。この2003年の原稿では、「もっと貧しくなれ日本!と、一葉の怨念が言っている」と筆者は締めくくったが、さてこの先、日本の財政は一体どうなるのかなぁ…(そう言えば、お札のデザインも近々また変わるなぁ)  ちなみに、一徹氏は「メッセージ」抜きの一葉の肖像画も残している(下の画像ご参照)。 ◆故・成田一徹氏の切り絵など作品の著作権は、「Office Ittetsu」が所有しております。許可のない転載・複製や二次利用は著作権法違反であり、固くお断りいたします(著作権侵害に対する刑罰は、10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金という結構重いものです)。 ※「ITTETSU GALLERY:もうひとつの成田一徹」過去分は、こちらへ ★こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】

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