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Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

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2023/04/17
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カテゴリ:カクテル
 ◆プロなら知っておきたい「知られざるカクテル」<上>
 ※原則、年代順に紹介しています。レシピは標準的なものです。★印は近年においても欧米のバー・シーンでは頻繁に登場する、とくに重要なカクテル


★シェリー・コブラー(Sherry Cobbler)(19世紀初頭、考案者は不詳)
 ドライ・シェリー90ml、オレンジ・キュラソー10ml、マラスキーノ1tsp、レモンジュース1tspを氷(クラッシュド・アイス)を入れたタンブラーかコブレットに注ぎ、レモン・ツイスト&マラスキーノ・チェリー、生ミントの葉=飾り、必ずストローを添える(ビルド)

 ※19世紀初頭、米国内で誕生、1850年頃には人気カクテルになっていたという。米国のバーでは近年、再び注目されるように。「コブラー」とはワインやスピリッツにリキュール、シロップを加えてクラッシュド・アイスを入れたタンブラーに注ぎ、ストローを添えて味わう古典的カクテルのスタイル。

★ジョージアン・ジュレップ(Georgian Julep)(19世紀初頭、考案者は不詳)
 ブランデー45ml、ピーチ・ブランデー10ml、シュガー・シロップ1tsp、生ミントの葉(適量)、ソーダ(適量)、クラッシュド・アイス(ビルド)

 ※ミント・ジュレップは19世紀の初めに誕生した最初期の古典的カクテルの一つ。その爽やかな飲み口もあって、今日でも人気は衰えない。「ジュレップ」とは、古代ペルシャ語の「Gulab(グルアーブ=「バラの水」の意味)」というドリンクにルーツを持ち、ペルシャからフランスへ伝わり、さらにフランス系移民によって米国に持ち込まれ、改良されていったという。
 現代のミント・ジュレップはバーボンがベースであることが多いが、この「ジョージアン・ジュレップ(Georgian Julep=Georgia Mint Julepとも言う)」は、ミント・ジュレップの原型でもあり、ベースはブランデーで、ピーチ・ブランデーも使う(かのジェリー・トーマスのカクテルブック「How To Mix Drinks」=1862年刊=にも登場する)。通常のミント・ジュレップは男性的なきりっとした味わいだが、こちらはピーチ・ブランデーが入るため、甘味を感じ、優しい味わいになる。


★アブサン・ドリップ(Absinthe Drip)(1830年代、考案者は不詳)
 アブサン45mlを低めの広口ワイングラスに入れる。専用スプーンの上に角砂糖1個を置き、上から冷やしたミネラル・ウォーターをスポイトで少しずつ落とす。

 ※1830年代、アルジェリア戦争に従軍していたフランス軍にアブサンが医療目的で供給されるようになり、後に水で薄めて味わうようになったのが起源という。


★ピムズ・カップ(Pimm's Cup)(1840年代、考案者=James Pimm<Bar Owner>と伝わる)
 ピムズ(Pimm's No.1)45ml、氷を入れたタンブラーにオレンジ、レモン、ストロベリー、キュウリのスライスを入れ、生ミントの小枝を飾り、ジンジャーエール(またはセブンアップ)で満たす。最後にパウダー・シュガーを振る(ビルド)

 ※「ピムズ」は1823年に誕生した薬草系リキュール。19世紀半ばから英国内で飲まれていたドリンクだったが、1971年、ウインブルドン・テニス(全英オープン)の会場で「Pimm's Bar」がオープンしたことで話題となり、幅広い人気を得るようになった。


★マルチネス・カクテル(Martinez Cocktail)(1840年代、考案者は不詳)
 オールドトム・ジン20ml、スイート・ベルモット50ml、マラスキーノ1tsp、オレンジ・ビターズ1~2dash

 ※マティーニの原型とも言われる代表的な古典的カクテルで、マンハッタンやマティーニへの「橋渡し的な役割」を担ったカクテルとも言われる。ゴールドラッシュ時代の1840年代末、サンフランシスコのオクシデンタル・ホテルでバーテンダーとして働いていたジェリー・トーマス(世界初の体系的カクテルブック「How To Mix Drinks」<1862年刊>の著者)のもとに、金鉱探しの男が客としてやって来た。
 男は「(サンフランシスコの東40マイルにある)マルチネスへの旅立ちのために、元気になる一杯を」とトーマスに頼んだ。カクテル名はそんな逸話に由来すると複数の文献が伝えているが、真偽のほどは定かではない(ちなみにトーマスのオリジナル・レシピは、ジン(30ml)、スイート・ベルモット(60ml)、マラスキーノ2dash、シロップ2dash、アロマチック・ビターズ1dash)。


★シャンパン・カクテル(Champagne Cocktail)(1840~50年代、考案者は不詳)
 シャンパン(適量)、角砂糖、ビターズ、ブランデー10ml=最後にフロート(ビルド)

 ※古い時代のカクテルブックでは必ずと言っていいほど登場する、代表的な古典的カクテルの一つ。 欧米では19世紀中頃~末には、すでに一般的なカクテルとして普及し、パーティー等での食前酒として提供されることが多かったという。
 標準的なレシピでは、フルート型シャンパン・グラスの底に、アンゴスチュラ・ビターズを染み込ませた角砂糖を置き、その上から冷えたシャンパンを注ぎ、お好みでレモン・ピールするというものが多い。シャンパンのなかで角砂糖の甘苦いビターズが徐々に浸み出し、時間の経過とともに味の変化が楽しめる。
 映画「カサブランカ」の有名なシーンで、ハンフリー・ボガード扮するリックが、イングリッド・バーグマン扮するイルザの目を見つめながら、「君の瞳に乾杯!(Here's looking to you!)」と言って飲んでいたのがこのカクテルだ。


★ブランデー・クラスタ(Brandy Crusta)(1850年代、考案者=ジョゼフ・サンティーニ<Joseph Santini>と伝わる)
 コニャック30ml、コアントロー10ml、マラスキーノ10ml、レモンジュース20ml、アンゴスチュラ・ビターズ2dash、キャスター・シュガー(シェイク)、オレンジ&レモン・ツイスト=飾り

 ※ジョセフ・サンティーニは、ニューオーリンズのバーテンダーだったという。「クラスタ」とは、オレンジの果皮を砂糖でスノースタイルにしたグラスにはめ込み、マラスキーノ、レモンジュース、シロップ、ビターズなどを加えた古典的カクテルのスタイル。


★ニッカー・ボッカー(Knicker-bocker)(1850年代、考案者は不詳)
 ゴールド・ラム45ml、コアントロー15ml、ラズベリー・リキュール15ml、レモン・ジュース10ml、シュガー・シロップ1tsp

 ※19世紀半ばに誕生した古典的カクテル。世界初の体系的カクテルブックとも称されるジェリー・トーマスの「How To Mix Drinks」(1862年刊)にも登場する。カクテル名は、ニューヨークに数多くやって来たオランダ系移民が愛用していた「短ズボン」のこと。転じて「ニューヨーク市民」のことを指すスラング(俗語)になった。


★サゼラック(Sazerac) (1850年代、考案者は不詳)
 サゼラック・ライウイスキー50ml、ペイショーズ・ビターズ4~5dash、シュガー・シロップ0.5tsp、アブサン・リンス、レモン・ピール(ビルド)

 ※1850年代、米国ニューオーリンズの「サゼラック・コーヒー・ハウス」で誕生したと伝わる。元々は「Sazerac」という銘柄のコニャックをベースにしたカクテルだったが、1870年にフランス全土のブドウ畑が病害虫で壊滅状態になったため、代用品として使われたライ・ウイスキーが、そのまま現在まで定着している。


★ジャパニーズ・カクテル/ミカド(Japanese Cocktail/Mikado)(1860年、考案者=ジェリー・トーマス<Jerry Thomas>)
 ブランデー40ml、ライム・ジュース10ml、オルゲート・シロップ10ml、アンゴスチュラ・ビターズ2~3dash(シェイク)

 ※「カクテルの父」と言われるジェリー・トーマス(Jerry Thomas)が考案したと伝わる。1860年、徳川幕府が派遣した訪米使節団がニューヨークを訪れた際、当時ニューヨークでバーテンダーとして働いていたトーマスが使節団一行を目撃し、インスピレーションを得て創作したとも。欧州へ伝わった後、当時ロンドンで大ヒットしたオペレッタ「ミカド」にちなんで、「ミカド」とも呼ばれるようになった。


ダーク&ストーミー(Dark & Stormy)(1860年代、考案者は不詳)
 ダーク・ラム40ml、ライムジュース15ml、ジンジャー・ビア(適量)、氷、カット・ライム(ビルド)、タンブラーまたはロック・グラスで

 ※1860年代に英国領バミューダ諸島で生まれたと伝わる。「バミューダの首都ハミルトンのラム製造業者だったゴスリング兄弟(Gosling Brothers)が自社のダーク・ラムに、英海軍が本国で生産していたジンジャー・ビアをブレンドして考案したという。バミューダ諸島では「ナショナル・ドリンク」となっており、英連邦内では缶入り飲料もあるほどの人気カクテル。
 カクテル名は、Barのカウンターで、航海中に遭遇した暗い雲と荒れ狂った天気(Sail under the dark and stormy weather)について語った老水兵の言葉に由来するという。なお、バミューダではライムジュース抜きで味わうこともあるが、欧米では、ライムジュース入りが一般的。


ピスコ・パンチ(Pisco Punch)(1860~70年頃、考案者は不詳)
 ピスコ50ml、パイナップルジュース30ml、オレンジジュース15ml、レモンジュース15ml、シロップ15ml、シェイクして氷を入れたタンブラーに注ぎ、スパークリングワインで満たす。飾り=クローブを刺したパイナップル片

 ※サンフランシスコにあった「バンク・エクスチェンジ・バー(Bank Exchange Bar)」=1853~19191=で誕生したと伝わる。


カンチャンチャラ(Canchanchara)(1868~78年頃、考案者は不詳)
 ハバナ・クラブ3年 60ml、ライム・ジュース15ml、ハニー・シロップ(またはハチミツ)20ml、氷、ライム・スライス(シェイク) 

 ※キューバ独立戦争の頃、ハバナで誕生? ダイキリの原形とも言われる。キューバではダルマのような末広がりの形をした陶器カップに入れて提供するのが一般的。


イースト・インディア(East India)(1870 年代後半、考案者は不詳)
 ブランデー60ml、オレンジ・キュラソー5ml、ラズベリー・シロップ5ml、アンゴスチュラ・ビターズ2dash(シェイク)

 ※1870年代後半にニューヨークで誕生したと伝わる。ハリー・ジョンソン<Harry Johnson>が1882年に出版した『Bartender’s Manual』にも収録されている。


ニューヨーク・サワー(New York Sour)(1880年代、考案者は不詳)
 バーボン60ml、レモンジュース30ml、シロップ15ml、ビターズ1dash、卵白、赤ワイン30ml=最後にフロート(赤ワイン以外をシェイク)

 ※当初シカゴで誕生した際は「Continental Sour」と呼ばれていたが、その後、「Southern Whisky Sour」と名が変わり、最終的にNew Yorkのバーで一番普及したため、「New York Sour」と呼ばれるようになったという。


★ラモス・ジン・フィズ(Ramos Gin Fizz) (1888年、考案者はヘンリー・ラモス<Henry Ramos>)
 オールドトム・ジン60ml、レモンジュース15ml、ライムジュース15ml、シロップ23ml、生クリーム23ml、フラワー・ウォーター5dash(抜いてもOK)、卵白1個分。氷を入れずにまずしっかりシェイクした後、氷を入れてさらにシェイク。氷を入れたタンブラーに注ぎ、ソーダで満たす。

 ※1888年、ニューオーリンズのマイヤーズ・テーブル・ドテル・インターナショナル(Meyer’s Table D’Hotel International)内のバーに勤めていたヘンリー・ラモス(1846~1928)が考案したと伝わる。ラモスは後に、インペリアル・キャビネット・サルーン(Imperial Cabinet Saloon)を創業し、自らのジン・フィズにさらに改良を加えた。禁酒法廃止(1934~)後、このドリンクの権利はルーズベルト・ホテルに売却されたが、現在では世界中のどこのバーでも楽しむことができる。


ブランデー・デイジー(Brandy Daisy)(19世紀後半、考案者は不詳)
 ブランデー45ml、イエロー・シャルトリューズ20ml、レモンジュース15ml、シロップ10ml、シェイクしてソーダ少々を足す。クラッシュド・アイスを入れたワイングラスに。生ミントの葉=飾り

 ※ジェリー・トーマスのカクテルブックの改訂版(1887年)やハリー・ジョンソンのカクテルブック改訂版(1888年)に紹介されている。「デイジー」とは、スピリッツに柑橘系ジュース、シロップ(またはリキュール)を加え、クラッシュド・アイスを入れたグラスで味わう古典的カクテルのスタイル


ウイドウズ・キス(Widow’s Kiss)(1890年代、考案者=ジョージ・カペラー<George Kappeler>)
 カルバドス50ml、ベネディクティン10ml、イエロー・シャルトリューズ10ml(ステアまたはシェイク)、マラスキーノ・チェリー=飾り

 ※ニューヨークの「ホランドハウス・ホテル」のバーテンダーだったジョージ・カペラーが1890年代に考案したと伝わる。彼が1895年に出版したカクテルブック『Modern American Drinks』にも収録されている。


ティ・プンシュ(Ti’ Punch)(1890年代、考案者は不詳)
 マルティニーク・ホワイトラム45~50ml、シュガーケイン・シロップ10ml(または黒砂糖小1個)、ライムジュース10~15ml、ライム・スライス、氷、ロックグラスで(ビルド)

 ※マルティニーク諸島発祥と伝わる。マルティニーク島やクアドループ島のナショナル・カクテル。ハイチ、モーリス、レユニオンなどでも幅広く普及している。「Ti'」は「Petit(小さな)」の意味。


マルグリート・カクテル(Ti’ Punch)(1890年代、考案者は不詳)
 ドライ・ジン35ml、ドライ・ベルモット35ml、コアントロー0.5tsp、アンゴスチュラ・ビターズ2dash、レモン・ツイスト(ステア)

 ※マティーニの原型の一つと伝わるドリンク。ハリー・ジョンソンの『バーテンダーズ・マニュアル』の改訂版(1900年刊)で初めて紹介された。カクテル名の「マルグリート」は花の名前「マーガレット」に由来するが、命名の経緯は伝わっていない。


ポート・フリップ(Port Flip) (19世紀後半、考案者は不詳)
 ポートワイン45ml、ブランデー20ml、シロップ5ml、全卵、シェイクしてナツメグ・パウダーを振りかける(ブランデーを入れないバージョンもある)

 ※「フリップ」とはワインやスピリッツに卵と砂糖を加え、ナツメグを振りかける古典的カクテルのスタイル。ジェリー・トーマスのカクテルブックの改訂版(1887年)に収録されて、全米で普及するようになった(ホットで味わうこともある)。


プランターズ・パンチ(Planter's Punch) (19世紀末、考案者=フレッド・マイヤーズ<Fred Myer's>)
 ダーク・ラム30ml、コアントロー15ml、レモンジュース15ml、オレンジジュース15ml、グレナディン・シロップ15ml、ソーダ(ソーダ以外をシェイク)

 ※古い時代の欧米のカクテルブックにはよく登場する、フルーティさが魅力の南国風ドリンク。植民地の大農園で飲むために考案されたのだろう。フレッド・マイヤーズは「マイヤーズ・ラム」の創業者。


ボビー・バーンズ(Bobby Burns)(19世紀末、考案者は不詳)
 スコッチ・ウイスキー45ml、スイート・ベルモット15ml、ベネディクティン5ml、アンゴスチュラ・ビターズ2dash、レモン・ツイスト(シェイク)

 ※スコットランドの「ウイスキー詩人」ロバート・バーンズ(Robert Burns 1759~96)に捧げられたカクテル。考案者は不詳だが、活字になったレシピは、1900年に出版されたカクテルブック「Fancy Drinks Recipe Guide」で初めて確認されている。カクテル名は「ロバート・バーンズ」の名前で紹介されることもある。


フローラ・ドーラ(Flora Dora)(20世紀初頭=1901年? 考案者=ジミー・オブライエン<Jimmy O'Brien>)
 ジン40ml、ライムジュース20ml、ラズベリー・リキュール15ml、シェイクした後、氷を入れたタンブラーに注ぎ、ジンジャー・エールで満たす。生ラズベリー&ライム・スライス=飾り

 ※フルーティで酸味の効いた味わいのジン・ミュール。1901年、ニューヨークで開かれた「フローラ・ドーラ」というミュージカルコメディ終演後のパーティーで、ジミー・オブライエンというバーテンダーが出演女優のために考案したと伝わる。カクテルは評判となり、その後、欧米の大都市のセレブたちの間で愛飲されるようになったという。


ペグー・クラブ(Pegu Club)(20世紀初頭、考案者は不詳)
 ジン30ml、オレンジ・キュラソー15ml、ライムジュース15ml、ビターズ(アンゴスチュラ&オレンジ)各2dash

 ※20世紀初頭、英国植民地時代のビルマ(現ミャンマー)で生まれたと伝わるカクテル。その後、英本国へ伝わり、1920年代には欧州のバーにも普及した。ハリー・マッケルホーン(Harry MacElhone)のカクテルブック「Bar flies and Cocktails」(1927年刊)や、サヴォイ・カクテルブック(1930年刊)にも収録されている。カクテル名は、当時ラングーン(現在のヤンゴン)の北東約80km、ペグーという町にあった外国人専用の社交クラブ(現在は廃業)の名にちなむ。


ウィドウズ・ドリーム(Widow’s Dream)(1900~10年代、考案者は不詳)
 ベネディクティン70ml、レモン・ジュース0.5tsp、シュガー・シロップ0.5tsp、生クリーム45ml、全卵

 ※1920年代以前に誕生したと伝わるクラシック・カクテル。有名なサヴォイ・カクテルブック(1930年刊)にも登場するが、「未亡人の夢」という奇妙な名の由来は定かではない。昔のカクテルには、卵白や卵黄(時には全卵)を使うものがしばしば登場するが、これは全卵を使う代表的なカクテル。ベネディクティンはブランデー・ベースの薬草系甘口リキュール。美味しいスイーツを食べているような味わいで、食後にゆったりした気分で飲むのに最高の1杯である。


★ピンク・レディ(Pink Lady)(1912年、考案者は不詳)                  
 ジン45ml、グレナディン・シロップ15ml、レモン・ジュース1tsp、卵白

 ※1912年、英国で上演されたミュージカル「ピンク・レディ」の打ち上げパーティーで、主演女優のヘーゼル・ドーン(Hazel Dawn)に捧げられたという(考案者の名は伝わっていない)。昔のカクテルには卵白や卵黄を使うレシピが少なくない。氷が貴重だったため、常温でも飲みやすくする工夫の一つだった。


★ブザム・カレッサー(Bosom Caresser)(1910年代、考案者は不詳)
 ブランデー40ml、コアントロー20ml、グレナディン・シロップ1tsp、卵黄、ナツメグ・パウダー

 ※1910年代、欧州(おそらくはフランス国内?)で生まれたと伝わる。カクテル名の直意は「胸を愛撫する人」だが、転じて「秘めやかな抱擁」というのが正確な意味。卵黄を使うのはこの時代のカクテルの特徴の一つだが、卵っぽい雰囲気はほとんどなく、むしろフルーツ香が感じられる、まろやかで上品な味わいである。


カジノ(Casino) (1910年代、考案者は不詳)
 オールドトム・ジン45ml、マラスキーノ23ml、レモンジュース15ml、オレンジビターズ1dash(シェイク)

 ※1910年代に、ニューヨークのホテル・ワリック(Wallick)=ブロードウェイ43丁目=内のバーで誕生したと伝わる。1916年に出版されたカクテルブック『Recipes For Mixed Drinks』にも収録されており、バーテンダーだった著者のヒューゴ・エンスリン(Hugo Ensslin)が考案したという説も伝わっている。


ラスト・ワード(Last Word)(1910年代、考案者は不詳)
 ジン30ml、グリーン・シャルトリューズ20ml、マラスキーノ20ml、ライムジュース20ml、水(シェイク)

 ※米国デトロイトの「デトロイト・アスレチッククラブ」で誕生したと伝わる。テッド・ソーシエ(Ted Sauciet)の著書『Bottms up』(1951年刊)にも登場する。長く忘れられていたが、2000年以降のクラシック・カクテル再評価の波に乗って再び脚光を浴びるように。


★アヴィエーション(Aviation)(1910年代、考案者=ヒューゴ・エンスリン<Hugo Ensslin>)
 ドライ・ジン30ml、マラスキーノ10ml、ヴァイオレット・リキュール5ml、レモンジュース15ml(シェイク)、マラスキーノ・チェリー=飾り

 ※Aviationとは「航空(学)」「飛行術」「航空機産業」の意。航空機による飛行が盛んになった1910年代を象徴するカクテル。ニューヨークのバーテンダー、ヒューゴ・エンスリン(Hugo Ensslin)が1910年代に考案したと伝わる。1916年に出版された彼のカクテルブック『Recipes For Mixed Drinks』にも収録されている。


ティペラリー(Tipperary)(1910年代、考案者=ヒューゴ・エンスリン)
 アイリッシュ・ウイスキー30ml、スイート・ベルモット25ml、グリーン・シャルトリューズ10ml、ビターズ2dash、オレンジ・ツイスト(※3分の1ずつのレシピも)(シェイク)

 ※1916年に出版されたカクテルブック『Recipes For Mixed Drinks』の著者、ヒューゴ・エンスリン(Hugo Ensslin)が考案したと伝わる。



  <中>へ続く。





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Last updated  2023/05/16 12:02:36 PM
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うらんかんろ

うらんかんろ

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kopn0822@ 1929年当時のカポネの年収 (1929年当時) 1ドル=2.5円 10ドル=25円 10…
汪(ワン)@ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

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