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カテゴリ:海外ミステリー
処女小説『チャイルド44』で注目を浴びたトム・ロブ・スミスによる”レオ・デミドフ”シリーズ第2弾!!
■内 容 世界を震撼させた『チャイルド44』の続編、怒濤の登場!(新潮文庫HPより・・) 運命の対決から3年――。レオ・デミドフは念願のモスクワ殺人課を創設したものの、一向に心を開こうとしない養女ゾーヤに手を焼いている。折しも、フルシチョフは激烈なスターリン批判を展開。投獄されていた者たちは続々と釈放され、かつての捜査官や密告者を地獄へと送り込む。そして、その魔手が今、レオにも忍び寄る……。 レオに突きつけられた要求は苛酷をきわめた。愛する家族を救うべく、彼は極寒の収容所に潜入して、自ら投獄した元司祭を奪還する。だが、彼を待っていたのは裏切りでしかなかった。絶望の淵に立たされ、敵に翻弄されながらも、レオは愛妻ライーサを伴って、ハンガリー動乱の危機が迫るブダペストへ――。国家の威信と個人の尊厳が火花を散らした末にもたらされる復讐の真実とは? ■感想など 前作『チャイルド44』は、ミステリの面白さに加えて、スターリン体制下のソ連における人民の閉塞感や、共産党独裁による監理社会の恐ろしさが見事に描かれていて、とびきり面白かった。 そして、本作は、『チャイルド44』から3年後の物語。 かつて、国家保安省捜査官レオに逮捕した女性が延々と恨みを持ち続け、レオはもとより、その妻ライーサや養女のゾーヤにまで牙を向ける復讐談。 -◆- シリーズ第2弾も面白い。 ただし、管理国家ソビエトの陰鬱な社会を緻密に描写した前作『チャイルド44』には及ばない感じがしました。 モスクワから極東の収容所、さらにはハンガリーにまでおよぶスケールの大きな物語は、小さな出来事の積み重ねが見事に収斂していった『チャイルド44』と比較すると、やや大味・・・。 主人公レオが、収容所で受ける過酷な試練や、ハンガリー動乱にまつわる顛末は個々に見ると面白いのですが、物語を通してみると、展開が強引すぎるような・・・。 また、レオと妻、レオと養女の関係が重すぎて、しんどい。 -◆- 『チャイルド44』の出来映えが良すぎたってことかな・・・。それでも、妙な疲労感を抱くことなく読み進めることが出来るのは、訳文が良いからなのかも知れません。 翻訳物は、訳者の力量で大きく印象が変わるのだと感じます。 チャイルド44(上巻) チャイルド44(下巻) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.12.19 21:04:01
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