110028 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

子育ちパパBook・Trek

PR

全36件 (36件中 1-10件目)

1 2 3 4 >

海外SF・ファンタジー

2010.06.07
XML
海外ドラマ『フラッシュフォワード』の原作長篇
フラッシュフォワード

フラッシュフォワード

価格:945円(税込、送料別)


■内 容

 欧州原子核研究機構(CERN)の大型ハドロン衝突型加速器(LHC)を用いて、物理学者ロイドとテオは、ヒッグス粒子を発見すべく大規模な実験をおこなった。
 実験開始の瞬間、全世界の人類が約2分間意識を失い、数十億の人びとの意識が21年後の未来に飛んでしまった。
 この”フラッシュフォワード現象”によって、航空機墜落など世界中で事故が起こり、多くの死者が出てしまい、ロイドは罪の意識に苛まれるのだが・・・。

■感想など
 
 ドラマ版『フラッシュフォワード』を観る前に、原作を読んでおこうと、図書館で借りて一読。
 ”SF”らしい”SF”で、ある程度は面白いし、リーダビリティにも優れていて、サクサク読めてしまいました。
-◆-

 ダン・ブラウンのベストセラーで、トム・ハンクス主演の『天使と悪魔』でも出てきた『欧州原子核研究機構(CERN)』って、なんか科学への好奇心をくすぐられるし、どことなくミステリアスな雰囲気もあって、SF小説の舞台にはバッチリです。
 で、ここでの実験が原因となって、人類の意識が21年後の未来に飛んでしまい、航空機事故など大惨事が起きるというプロットですから、てっきり”ディザスター小説”の色合いが強いのかと思いきや、大惨事については意外とあっさりと描かれていて、肩透かしをくった感じ・・・。

 むしろ人類が見てしまった21年後の世界は、変更可能な未来なのか、不可避の未来なのかを登場人物の物理学者が量子論的な思索を重ねる部分が濃く描かれていて、婚約者とは別の女性と暮らしている未来のビジョンを観たロイドが、結婚するかどうか悩んだりしてなんかウジウジした印象も・・・。

 せっかく、フラッシュフォワードという、とてつもない現象を材料にしているのに、小説の中盤部分が小ぢんまりして勿体無い・・・。
-◆-

 さて、小説終盤、2度目のフラッシュフォワード現象でロイドの意識が飛んだ先は、はるか未来で・・・。
 このあたりは、ACクラークの『幼年期の終わり』『スペースオデッセイシリーズ』などなど、時間と人類の進化を描いた古典的な展開。

 しかし、全体を通してみると、”CERN”という最先端の壮大なガジェットを用いながら、AC・クラークやI・アシモフほどの壮大さを描けていないかな・・・。

 やはり、クラーク、アシモフ、ハインラインの世代は偉大だったなぁ・・・。
 とはいえ、まずまず楽しめるSF作品でした

ヒューマン

ヒューマン

価格:966円(税込、送料別)

 
幼年期の終わり

幼年期の終わり

価格:780円(税込、送料別)







Last updated  2010.06.07 17:38:03


2010.05.24
 傑作大河ファンタジー第2弾『アイスマーク2~炎の刻印』

■内 容

 闘う王女を主人公にした正統派ファンタジー『アイスマーク 赤き王女の剣』の続編。
 氷の平原を治めるアイスマーク王国。かつて南からの帝国軍をしりぞけ、民と 領地を守った気の強い王女シリンは魔術師のオスカンと結婚し、五人の王子王女に恵まれた堂々たる女王となった。しかし戦いから二十年をへた今、復讐に 燃えるベロルム将軍が帝国軍をひきいて、ふたたび侵略を開始する。末の王子シャルルマーニュに民を託し、南の大陸に避難させることになるが、王子は運命に導かれるように、援軍を求めてさらに南へ旅立つ。一方で帝国軍の攻撃に さらされるアイスマークは必死に抵抗するが、自軍の内部にある恐ろしい魔力がうごめいていることをまだ知らなかった……。(ヴィレッジブックス)

■感想など

 ものすごく面白い!!
 第1作『アイスマーク 赤き王女の剣』で大活躍した王女シリンと魔術師のオスカンの間に生まれた兄妹の末っ子、シャルルマーニュ
 彼は、病気の後遺症で、足が不自由なため、兵士としての能力に劣っていることをコンプレックスに感じているんですが、「運命にみちびかれ、南の地へおもむき、やがてアイスマーク国を救いに帰って来る」と、父・オスカンが予言・・・。
 そして、シャルルマーニュは”ポリポントゥス帝国”の侵攻を前に、疎開民を率いて南の国へ向かうことに・・・。

 というわけで、少年”シャルルマーニュ王子”の冒険と成長の旅がメイン。
 隠れていた才能に目覚め、北の雪国から遠く離れた南の国で出会った者たちから信頼を得て行く様子などは、お約束のパターンなんだけど、これがすごく爽快なんです。
-◆-

 女王シリンが統べる”アイスマーク国”の同盟者・・・気むずかしいバンパイヤの王と女王や、勇敢なユキヒョウ族、勇猛無比のウェアウルフ族、神秘的なオークの森の王など、数々の登場人物(人物じゃないなぁ・・)が魅力に満ちています。
 指輪物語などに出てくるエルフやドワーフよりもかなり個性的かも・・・。

 こういう物質文明に頼らないアイスマークの同盟者と、欲望の固まりのようなポリポントゥス帝国を率いるスキピオ将軍とその息子の戦いが、これまた小気味のよい興奮をさそいます。
-◆-

 シャルルマーニュの姉・メディア王女は、魔術師の父の血を濃く受け継いでおり、遠見や、天候を操るなどのパワーを持っていますが、弟シャルルマーニュを理不尽なまでに妬んでおり、彼の命を狙っています。
 ネガティブな感情が、やがて彼女をダークサイドへと誘い、父と娘=光と闇の戦いへと突き進みます。
 この親娘、兄妹間に起きる問題も、物語にハラハラ感を与えます。
-◆-

 700頁を超える分厚い本作は、図書館のジュニア向けコーナーに置かれていましたから基本的に児童書扱いのようですが、小生のような50歳のオッサンでも胸躍る出来映えになっています。

 『ロード・オブ・ザ・リング』や『ドラゴンライダー』シリーズより、サクサク読み進めることの出来る傑作ファンタジーで、「大人も読まないと損」だと個人的には感じる一作であります。


ブログランキングブログランキング



アイスマーク(赤き王女の剣)











Last updated  2010.05.24 20:49:00
2009.02.22
 The city(1)
■内 容

 叔父の元でギャングを始めた主人公カパク・ライミ。
 彼は街を支配する闇世界のボス・カーディナルの目に留まり、自分の名前に特別な意味があることを知る。
 やがてカーディナルに疑惑を抱くようになったライミは自分の過去を思い出せないことに気付き、カーディナルのもとを脱出して本物の自分を捜す旅に出る。
 名前や出自の謎の鍵となるアユアマルカとは??
 『ダレン・シャン』の作者による大人向けのダークファンタジーの幕が開く・・・。

■感想など

 銀色の背表紙と「アユアマルカ」という題名の響きにに惹かれて手にした1冊。
 この装丁はなんとも言えず魅力的。
-◆-
 謎めいたファンタジーの第1巻は、ドラゴンも魔法も出てこず、架空の街のギャングが繰り広げる陰鬱な物語。
 主人公カパク・ライミと街の支配者カーディナルの息詰まるやりとりからはじわりと迫ってくる圧迫感を覚えます。
 主人公カパク・ライミには偽の記憶が埋め込まれており、過去に秘密がありそうであることが本作の柱ではあるものの話の先はまだ見えてこない。
 敵か味方か分からぬ殺し屋や謎の女、インカに由来する名前を持つ人たちと主人公にまつわる謎などが仕掛けられたまま次巻へと続いていく・・・。

 とにかく不思議な雰囲気のファンタジーで万人向けの娯楽作とは言えないかもしれないなぁ・・・。


 勝間 和代 断る力

ブログランキングブログランキング












Last updated  2009.02.22 15:59:28
2009.01.01
  
深海のYrr(上) 深海のYrr(中) 深海のYrr(下)

■内 容

 ドイツ人作家による海洋SF・ディザスター小説。

 ノルウェー海でメタンハイドレート層を掘り続けているゴカイの変異種。
 カナダ西岸では船舶をクジラやオルカの群れが襲う。
 フランスではロブスターに潜む病原体が猛威を振るい、世界各地で猛毒のクラゲが出現、したり、謎の船舶沈没事故が頻発する。
 病原体を持つ目のない白いカニがアメリカの大都市を襲う。
 さらに海底の巨大地滑りで大津波が起きてヨーロッパ北部の都市は壊滅してしまう。

 突如として人間に牙をむきはじめた海。
 原因を究明し、人類の危機は救われるのか!?

■感想など

 500頁を超す文庫本3冊からなる本書には圧倒される。
 なんたるスケール!!(本の厚さと、物語のスケール共に)
 『ディープ・インパクト』とか、『インデペンデンス・デイ』などのハリウッドの大仕掛けな映画を思わせる肌合いの小説。
 藤崎慎吾の小説『鯨の王』をド派手にしたような感じもしました。
 また、先日亡くなった「マイケル・クライトンを思わせる小説」と解説にも書かれていましたが、小生も同感です。
∞∞∞
 地球の危機を起こす知性体と遭遇することになるのですが、目があって手足があるような人間の想像しやすい知性体ではなく、思考や感情も根本的に人間とは違いコミュニケーションを取ることにも困難を極める。
 この人間と異なる存在の『異質』さを描こうとする作者の思いは真摯。
 生物の定義も人間が想像するものとは限らないと言う考え方には真理があると思います。
∞∞∞
 環境先進国のドイツで出版された作品なので、地球環境への強い想いも伝わってきます。
 ただし、捕鯨国日本への眼差しには厳しいものがあり、日本人として忸怩たる想いも・・・。
∞∞∞
 地球の危機を救うミッションをアメリカがリードします。
 米軍やCIAが幅を利かせ、陰謀も・・・・。
 アメリカの一国主義を痛烈に批判する内容は、さすがにブッシュの8年に生まれた作品だと感じます。
∞∞∞
 アクション有り、陰謀有り、パニック有りでサービス満点。
 とにかく、思い切り大風呂敷を広げた超大作を楽しむことができました。



ブログランキングブログランキング






Last updated  2009.01.01 16:26:59
2008.12.27
ピュリッツァー賞作品
ザ・ロード
■内 容

 核戦争後と思われる破滅したアメリカ。
 あらゆる動植物がほとんど死に絶え、灰が薄く積もった世界を父と子がひたすら南へ向かう。
 荒廃した社会にあって無垢の心を持ち続ける子と、息子を守るためにひたすら前進を続ける父親を描いたロードノベル。

■感想など

 破滅後の世界を描いた文学とSFがクロスオーバーした作品。
 ストーリーの中心を為す親子の物語は文学的で、「核戦争後と思われる灰に覆われたアメリカ」と言うSF的な設定は舞台背景でしかないのかな・・・。
-◆-
 息子はストイックなまでに善良な心を持ち続けていて、父親が廃墟となった家に残っていた食糧や道具を持ち出そうとしても「盗んだことにならないか」と心を痛める。
 生き残るためには盗みや殺しが常となった破滅後の世界で、無垢な息子の心を出来る限り傷つけずに、サバイバルを続ける父親の葛藤・・・・。
-◆-
 SF的な世界の救済もなく、アクションも何もなく、これと言った目的地があるでもない親子の絶望に満ちた旅の様子がひたすら描かれていて、ダイナミックな娯楽作ではない。
 子供の命とピュアな心を失わないために、命をすり減らす父親の心象を追うことで得られる静かな感動がこの物語のすべて。

 あとがきにはN・シュートの『渚にて』や、S・キングの『ザ・スタンド』、J・ウインダムの『さなぎ』を類書として揚げていたけど、全く別物だと小生は感じました。
 敢えて上げればJG・バラードかな・・・。
-◆-
 2009年版『このミス』でも本作を高く評価する書評家がおられたが、小生はやや退屈したまま読み終えました。(程度の低い小生の脳みそを刺激しない文学作品です)


ブログランキングブログランキング



I/Oデータ ウイルススキャン/ハードウェア自動暗号化機能搭載セキュリティUSBメモリー 1GB【税...










Last updated  2008.12.27 17:01:08
2008.09.20
星々の蝶

■内 容

 戦争や環境悪化で地球の未来に希望を持てない航空宇宙研究家イヴ・クラメールは巨大な膜に星の光を受けて推進する宇宙帆船で第二の地球を目指す夢を持っていた。
 この構想を知ったIT長者が資金提供して超巨大宇宙帆船「星々の蝶」が完成。
 14万人あまりの人間が乗り込み、何世代もかけて千年の旅に臨む。

■感想など
 『蟻』シリーズや『タナトノート 死後の世界への航行』でおなじみの著者によるエクソダスSF
 愚かな人類に絶望し、新たなユートピア作りを目指して夢のような巨大宇宙帆船プロジェクトを計画し、宇宙に旅立つイヴ・クラメールたち。
 新天地に向かう旅を「人類の最後の望み」と言う登場人物達の言葉から、著者が抱いている戦争、宗教対立、暴力など現代社会への絶望感が強く反映されたています。
-◆-
 「星々の蝶」の千年の旅で14万人の乗組員は、当初は政府や警察など権力機構は置かない善意と思いやりに依拠した社会作りを進めたが、世代を経て時が流れた後には皮肉にも宇宙船内に二つの相争う王国ができてしまい、出発メンバーが抱いた平和なユートピア社会は夢と散ってしまいます。
 人間の本質は争うや暴力を好むのか?
-◆-
 千年を経て遂に目的地の惑星を発見した時には、殺し合いを続けたせいで生き残った乗組員はわずかしか残っていない。
 そして、惑星に降り立った男女も・・・。

 ユートピア小説でもありディストピア小説でもあるこの作品はキリスト教思想により人類の原罪なども描かれているのかな・・・思索に浸るには絶好の作品です。
-◆-
 英米作品に比べるとユニークでなかなか楽しめた作品でした。
 ただし、訳文が読みづらい。
 原文のフランス語を知らない小生が言っても説得力ゼロだけど、日本語として読みづらくて本当に原文通りなのか疑問に思う箇所がありました。







 テンペスト 上(若夏(うりずん)の巻)

 テンペスト 下(花風の巻)






ブログランキングブログランキング






Last updated  2008.09.20 14:28:19
2008.07.13
タイム・オデッセイシリーズ「2」
 太陽の盾
■内 容
 2037年6月9日、史上最悪の太陽嵐が地球を襲い、あらゆる電子機器が甚大な影響を受け、電子化された社会は通信、電気などが途絶え、自動化された交通システムもダウンし事故が多発。
 電磁誘導による電線の過熱などで火災も起き、都市は瀕死の状態に・・・。
 この太陽嵐を予測していた若き天文学者ユージーンは、さらに強大な太陽嵐が2042年4月20日に起こると予測した。
 地球を焼き焦がすのみならず、太陽系全般にも影響が及ぶ規模のカタストロフィが5年先に起こるのだ。
 人類ぼ生存をかけて、科学者たちは宇宙空間に地球サイズの薄膜でできた「盾」を設置し、太陽の巨大なエネルギーを防ごうという計画に着手する。
 人類に未来はあるのか・・・。

■感想など
 前作『時の眼』につづく〈タイム・オデッセイ〉シリーズ第二弾。
 今年3月に亡くなったA・C・クラークと、今最も魅力的なハードSFを生み出す作家スティーヴン・バクスターの共著は、真面目で精緻な造りで、小生のような昔気質のハードSFファンには最高のごちそうです。
-◆-
 地球滅亡を科学の力で阻止する本作に流れる精神は、ハードSFの神髄です。
 物理学などに精通する著者の「科学技術への信頼」は確固たるものがあり、近未来の技術に対する姿勢は楽観的です。
 また、小説世界における「国際政治」や「人類の紐帯」という面でも楽観的ですが、現実にベルリンの壁が崩れたことを考えれば、30年先の未来がどうなっているかは予想できませんね。
-◆-
 地球を襲うカタストロフィの影に存在する異星人ファーストボーン。
 その深遠なる生存由来はクラークの『幼年期の終わり』バクスターの「ジーリー」シリーズに底通するものがあり魅力的で神秘的な設定です。
-◆-
 地球のネット上に生まれた人工意識・知能「アリストトレス」
 月面社会には「アリストトレス」の分身「タレス」が存在し、太陽の盾には「アレス」が生まれて人類は彼らを「知的生物(非人類)」として法的に保護している。
 この存在は、『2001年宇宙の旅』の”HAL”を思い出させます。
 「アリストトレス」みたいに”紳士的”な人工知能が本当にいたら、彼らを人類の友としてもっと豊かに暮らせるのだろうなぁ・・・。
-◆-
 ”太陽の盾”の建設に用いる資材は主に月面から打ち出されるのですが、ロバート・A.ハインライン の古典的名作SF『月は無慈悲な夜の女王 』へのオマージュになっているように感じました。
 また作中では「軌道エレベーター」も話題に上がりますが、これはA・C・クラークの『楽園の泉』ですね。
 『楽園の泉』が出版された当時は「軌道エレベーター」は夢物語でしたが、技術的にはほぼ建設可能な域に達し、やる気と資金の問題だけみたいです。(「ガンダム00」でも軌道エレベーターが大きな役割を果たしていますね)
 10年で49兆円使う道路特定財源が有れば、「軌道エレベーター」は現実のモノになるようです。
-◆-
 とにかく、文句なしのハードSFを堪能できました。
 A・C・クラーク逝去でシリーズの先を心配してしまうのですが、第3弾は既に完成済みとのこと。
 これほどのハードSFを味わえる機会はなかなか無いので、続編を早く手に取りたいものです。

ブログランキング・にほんブログ村へ



22%OFF 送料無料エルゴラピード・アップグレイド 2in1 ダイヤモンドサンド ZB2811 「エレ...





ブログランキングブログランキング






Last updated  2008.07.13 09:42:22
2008.06.21

ジャンパー(上)

ジャンパー(下)


■内 容
 映画「ジャンパー」のもととなった作品。
 主人公デイヴィッドは奥手で読書好きの冴えない高校生。
 父親からの暴力を逃れようとした瞬間にテレポーテーション能力が目覚めたデイヴィッドは、アル中のオヤジのもとを離れニューヨークへ向かった。
 やがて彼は或る事件をキッカケに、捜査当局から追われたり中東のテロリストと対決することに・・・・。

■感想など
 まずまず面白かったけど、上巻の終盤まで展開が緩くて少し退屈でした。
下巻に入ってから、ようやくテンポも良くなり、主人公デイヴィの冒険が楽しめました。
 基本的には50歳が近づいた中年オヤジの小生が読む小説ではなく、高校生などの若い人向きかな・・・。
-◆-
 この作品はテロが関係しているのだけど、9.11以前の1992年に出版され作品なので、少し時代の古さを感じちゃう。
 主人公デイヴィを追う捜査官は無許可の盗聴とかを違法行為とされるのだけど、ポスト9.11のアメリカなら”テロとの戦い”のために「愛国者法」を持ち出して捜査手法は何でも有りだから、デイヴィは米国捜査当局に捕まっちゃう。
 9.11の前とあとではCIAや国家安全保障局の諜報能力に大きな差があって、90年代に出版された小説でさえ古き良き時代に感じてしまいました。。
-◆-
 それから、いまでは普及した「マイレージ」という単語も、「登場距離累積サービス」とか何とかややこしい訳語になっている。
 1992年から今日に至る15~6年で世界は大きく変わった・・・「9.11で世界は変わってしまった」ということを実感してしまう作品でした。







ブログランキングブログランキング






Last updated  2008.06.21 15:30:30
2008.03.29
 
Next(上) Next(下)
■内 容
 東南アジアのジャングルでは言葉を話すオランウータンが現れる。
 秘密裏にヒトの遺伝子をチンパンジー導入して誕生させたハイブリット・チンパンジー。
 ヒトの遺伝子をもち、言葉を自由にあやつるオウム。
 遺伝子治療薬の材料となる特殊な細胞を持つ患者。
 これら”遺伝子”をキーワードとした登場人物(動物)が織りなす近未来の矛盾に満ちた社会をマイクル・クライトンが描く。
■感想など
 ヒトの遺伝子を持ち人間並みの知能を持つハイブリット・チンパンジーや、言葉を話すオウムが遺伝子研究をめぐる騒動に巻き込まれるプロットは未来への警鐘を鳴らしています。
-◆-
 ただし、前作「恐怖の存在」でも”賞味期限切れ”を感じたマイクル・クライトンに、かつての輝きは戻っていませんでした。
 ストーリー自体は最新の遺伝子科学をもと構成されておりネタは新鮮だけど、著者の知識をゴタゴタと詰め込みすぎて小説としてのメリハリが無く、「アンドロメダ病原体」「ジュラシックパーク」などで感じた”ワクワク”、”ドキドキ”が全くない。
-◆-
 著者あとがきでも触れられていますが、遺伝子コードに関する特許取得の愚かさが描かれており、遺伝子治療・研究への問題提起としては意味がある作品になっています。
 また、訴訟社会・アメリカにおける利己的な人々の振る舞いの醜さも良く描かれています。
-◆-
 エンターテインメントの形をした「啓発書」って感じの一冊でした。

 
恐怖の存在(上) 恐怖の存在(下)



ブログランキングブログランキング






Last updated  2008.03.29 22:36:45
2008.01.20
英国SF協会賞/アーサー・C・クラーク賞受賞作。
双生児

■内 容
 歴史改変SFの傑作。
 ベルリンピックで二人漕ぎボート競技で英国に銅メダルをもたらした双子のソウヤー兄弟は、第二次大戦突入後、一方は英空軍爆撃機操縦士としてドイツ爆撃に従事し、一方は良心的兵役拒否者として戦争に関わることを拒否している。
 戦争での出来事を境に歴史は英独が停戦した世界と、戦争が続いていく世界へと分岐しソウヤー兄弟は運命に翻弄されていく・・・。

■感想など
 映画化された「奇術師」(映画名・プレステージ)で一般的にも知られるようになったSF作家・クリストファー・プリーストによる歴史改変SF。
 一卵性双生児にして二人共にイニシャルが同じ「J・L」のソウヤー兄弟が主人公で、英独戦争の最中に異なる歴史へと枝分かれする世界が現れたり、兄弟がそれぞれ戦争で負傷したり、死亡したり、また死亡を免れていたり目まぐるしく平行世界を行き来する物語で、一筋縄ではいかない作品。
-◆-
 作品世界は英独開戦前のベルリン五輪から1999年にいたる大河ストーリー。
 昨今流行のライトノベル、YA小説、携帯小説とは真逆な500頁近くあるヘビー・ノベル。
 チャーチルやヘスまでが登場する不可解で謎めいたストーリーですが、クリストファー・プリーストという手練れが積み上げた物語の読後感は芳醇であります!
-◆-
 プリースト作品では評判になった「奇術師」よりも小生は「ドリーム・マシン」や「魔法」が好み・・・。
 で、本作は「奇術師」と「魔法」のなかばを行く雰囲気。
 丁寧に紡がれ、ビロードのような肌触りがする本作は希有な読書体験を心に刻み込んでくれました。


 奇術師
 プレステージ コレクターズ・エディション









ブログランキングブログランキング






Last updated  2008.02.21 15:57:44

全36件 (36件中 1-10件目)

1 2 3 4 >


Copyright (c) 1997-2020 Rakuten, Inc. All Rights Reserved.