ブロークバック・マウンテンをやっと見た その7 ネタバレしてます
町に帰ってきて、レストランで一人食事するイニスの寂しげな姿…キャシーが別の男を連れて入ってくる座っているイニスを見つけて話しかけるどこに行っていたか解らないイニスを探していたキャシーイニスを諦めて違う恋人を見つけたようですでも彼女はホントに好きだったんだな、イニスのことを…あなたってどういう人かわからないと涙を流す彼女に、イニスはすまない…俺はつまらない男なんだ…と答えるキャシーは面白いからって惚れるんじゃないわ!と泣きながら去って行く一人ぼっちのイニス郵便局に行き、戻ってきたジャック宛のハガキを見て驚く死亡自分がジャックに送った手紙にそう刻印されて戻ってきているJack,How about november? for you, I can meet at pine creek Ennis Del Mar"DECEASED" ラリーンに電話するイニスラリーンはイニスの名前を聞き、連絡したかったけど連絡先が解らなかったと言う彼、暗記してたから…字幕クンは暗記ってなってますが、吹替えフッキー君によると、彼、そういうの、頭の中にしまってたから…ちょっと素敵な言い方になってますね(^^;;)ジャックは道端で、乗っていたトラックのタイヤの修理をしていたその時タイヤが破裂し、その弾みでリムが飛んできて、鼻と顎を砕かれ、そのまま気絶して仰向けに倒れたらしいと発見された時にはもう血の海だったと…まだ39才だったのに…イニスの頭の中に、ジャックが3人の男達に引き回され、殴られ、股間を蹴られ、顔面を打ち砕かれる映像が浮ぶジャックは殺されたんじゃないのか…あの時の『アール』のように…一瞬思考が飛んだジャックは、ラリーンの声で現実に引き戻される遺灰の半分はラリーンたちが、もう半分はライトニング・フットの両親が持っているという遺言で、灰をブロークバック・マウンテンに撒いてほしいとあった場所がわからない、もしかしたら故郷の山かもしれないと思って…本当にあるかどうかも解らない、彼の空想かしら青い鳥が歌って、ウィスキーの泉が湧く理想郷なのかも…ラリーンの言葉にイニスは答えるある夏、二人でそこで羊番をしました…1963年のことです…これもまた夏物語だったんだ…(@_@;)ラリーンの瞳に涙が浮ぶ…一番好きな場所だって言ってたわ…きっと酔いしれることのできる場所だったのね… 心からお悔やみを…彼は…親友でした…その言葉を聞いてラリーンの瞳に涙が溢れるラリーンは、ライトニング・フットのご両親を訪ねてあげてと言い、電話を切るラリーンはイニスとの会話で、ジャックとイニスの関係を感じ取ったのじゃないかな…と私は思ったっすジャックの実家を訪ねるイニス迎えてくれた彼の両親は無表情とりわけ父は冷たそうな顔をしているお望みなら私がブロークバックに遺灰を撒こうかと…彼の遺言だと奥さんから聞きました…私が行きます…切り出したイニスに無表情な父は、ブロークバックの場所ぐらい知っている、あいつは自分がうちの墓にふさわしくないと思ってたんだろう…と答えるいつかイニス・デルマーを連れてきて二人でここの牧場を立て直すと言っていた半端な考えだなぁ…あんたとここへ移り住んで小屋を建てて牧場やるなんざ…で、この春だったか…あいつは違う男の名前を言った。小屋を建てて牧場を手伝うって…テキサスの牧場仲間だとか言ってた。女房とも別れて戻ってくると…だがあいつの考えなんていつもうまくいった例がないそれってやっぱしランドールなんだろうな…やっぱもう、デキてたんだな…(;_;)この春…即ち二人が最後に会った後、ジャックはライトニング・フットに寄り、両親に別の男の名前を告げたんだろうな…イニスとはもうダメだと思ったのか、それとも…苦しむイニスを解放してやろうと思ったのか…(;_;) ジャックの母に勧められ、ジャックが使っていた部屋に入るイニス涙を流しながら、部屋を見るクローゼットに掛けられた服に触れ、置いてあったブーツを手に取り、そして、壁の奥に隠されていた青いシャツを見つける袖口に血の跡がついているジャックが着ていたシャツブロークバック・マウンテンを下りる時にケンカして拭われたイニスの血だ探ってみるとブルーのシャツの中にもう一枚、きっちりと重ねられたチェックのシャツがある袖口に血がついている山に忘れてきたと思っていたイニスのシャツだ…そっと取り出してみると、イニスのシャツのボタンがきちんと留められ、そのシャツを守るように、包み込むように、ジャックのブルーのシャツが掛けてあるイニスは愛おしむようにシャツを抱きしめ口づけするそのシャツを貰って帰るイニスジャックの父は、ジャックの灰を自分のうちの墓に入れるというジャックの家を後にするイニスジャックのお父さんは薄々知ってたのかな…イニスを見るジャックの両親の目は、温かいものではないもうこの世にはいないジャックが『愛していた男』を、受け入れ難いけれども理解しようとしていたのではないか…と私は思う自分達が長い年月正しいと信じて進んできた道を、ジャックは逸れて行った両親はそれが腹立たしく、疎ましいと思っていたのではないだろうかしかしジャックは自分たちの愛する息子でもあるジャックがいなくなってから、ジャックの愛するものを、自分たちなりに受け止めようとしていたように思えるはっきりとした関係は知らない…知りたくないと思っているかもしれない…でもきっとそういう事なんだと解っているジャックの家を訪ね、遺志を叶えようとやって来たイニスを、両手を広げて受け入れることはできないけれど、この男の方もジャックを愛していたんだと、ジャックの思いは一方通行ではなかったんだと、それは理解できたんじゃないだろうか…部屋を見せ、シャツを分け与えることが、ジャックの両親にとっては精一杯の行動だったかもしれない自分の家の墓に入れる…と言ったジャックのお父さんの気持ちはどうだろう…ジャックは自分の息子で、素直には愛せなかったけれども手放したくないという気持ちもあったろう世間体も考えたかもしれないジャックの思い通りにさせたくないという気持ちもあったかもしれないもしかすると、ジャックをイニスの手に渡したくなかったのかもしれないなぁ…なんて思ってしまった…遺志を尊重するならジャックの遺灰はブロークバック・マウンテンに撒かれるべきだけど両親は、ジャックに、傍にいて欲しいと思ったのかな…