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2008.03.29
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カテゴリ:コラム
「絶対19時半までに家に戻るから! 今日は韓国語やソウルの話はしないでね。」

最近、我が家の土曜の夜は韓国料理が定番。
父は毎回、お店の奥さん「ウォンさん」と話が弾みます。
小学時代までをソウルで過ごした父は、韓国の話をする時は目をイキイキと輝かせます。
近頃、韓国語の勉強まで始めました。(『77』の手習い(-.-;))

しかし、今日は私に時間がありません。
お店に入る前にも念を押し、食事中もできるだけ会話を減らしてもらいました。

それは、19時半から始まるNHK・「探検ロマン世界遺産スペシャル」を見るがため。

* * *

『記憶の遺産』~アウシュビッツ・ヒロシマからのメッセージ~

番組案内より。
【人類の輝かしい文明の産物が主な対象とされてきた世界遺産に、第2次世界大戦で未曾有の被害を受けた場所であるこの2件が登録されたのは、後世まで"記憶"を伝え、世界平和につなげるためだった。
パリ・ユネスコ本部に残る、当時の登録審議の記録をひもとく。
また取材班は、1月27日のアウシュビッツ解放63年目の記念日に立ち会った。
収容所から生還を遂げ、今も世界各地で収容所での過酷な強制労働や脱走時の状況を語り伝えている、86歳の"元囚人"に話を聞く。
さらに広島では関係者への取材を行い、原爆ドームが象徴する核廃絶への祈りを伝える。】


『アウシュビッツ』は、私が是非とも訪れたい場所のひとつです。
ナチスドイツや独裁者が生まれる時代背景にも興味がある私。
同じ過ちを繰り返さない為にも、その場所を直接 肌で感じたいと思っています。

このアウシュビッツを世界遺産に登録する為に、新しく登録基準が設けられました。

それは、
『顕著で普遍的な意義を有する出来事、現存する伝統、思想、信仰または芸術的、文化的作品と直接にまたは明白に関連するもの。』

これにより、1996年にヒロシマ原爆ドームも世界遺産として登録されました。

この二つの場所は、人類全体に普遍的警告を発するための"記憶の場所"なのです。

私はこれらを"負"イコール"悪"のように思っていましたが、番組の中で語られていた言葉に考えさせられました。
『原爆ドームが象徴する核廃絶に向けた祈りの場所、そしてアウシュビッツにおいては博物館として記憶を後世に伝えようとする意志、これらは"善"の遺産である。』、と。


そして原爆ドームの登録においては、
日本の戦争責任を問う中国と、原爆投下のおかげで戦争が終わったのだという意見を持つアメリカとの二ヶ国から反対の意見が出たという、国際議論についても説明されていました。
確かに、私にも当時の議論についての記憶が残っています。
けれども改めて、原爆ドームの遺産登録が許された意味の深さを思わずにはおられません。


また、今回初めて知ったこと。
今まで知ろうとしてこなかった事実も、この番組の紹介で出会うことができました。

それは、「韓国のヒロシマ」と呼ばれる『ハプチョン』という街。
ここには戦時中に広島へ移り住み、被爆後に帰国した韓国人が大勢います。
広島で被爆した10人に1人が韓国(朝鮮)人だったことにも驚きました。

彼らは長く記憶を閉ざし、いえ、閉ざさざるを得なかった過去を引きずって生きてきたのです。
彼らの証言を聞きながら、もうひとつのヒロシマの課題を見つけたように思います。

広島前市長、平岡敬氏も話しておられましたが、日本の歴史をきちんと認識していかなければならないこと。

その背後に犠牲になった国民や他の国々について、私は知らないことだらけだなと つくづく感じることができました。


『我々は、罪ではなく記憶を背負っていく義務がある。』、これはアウシュビッツ博物館の元館長の言葉です。





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Last updated  2008.03.30 00:31:39
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