『ドゥブロヴニクを見ずして天国を語るなかれ』 数々の名言を残し、ノーベル文学賞を受賞したアイルランド出身の劇作家ジョージ・バーナード・ショーは、1929年にドゥブロヴニクを訪れ、そう言葉にしました。 「街の風景は絵画のようで、女性は映画スターのようだ。」 毒舌家のショーがここまで褒め称えた美しさは、旧市街を取り囲む、厚く堅固な城壁に登るとよく分かります。 映画スターのような女性を見たい方は、街中を散策するようおススメしますが。(笑) 東地中海へ至る海路上に位置するこの街は、島や入り江に守られた天然の良港の為、7世紀初頭には街の基礎が築かれ、早くから海上貿易の重要拠点として開けていました。 それゆえ次々とやってくる外敵に備え、市街の周囲に頑強な城壁を築きました。 その基礎は8世紀に着工され、その後も市域の拡大とともに拡張し、現在の形になったのが15~16世紀のことです。 * 周囲2キロほどの城壁の上は遊歩道になっており、3箇所の入口から登ることができます。 私達は、ドミニコ会修道院近くにある聖レヴェリン要塞から入りました。 城壁の上は思う以上に風がキツく、最初は深く被った帽子を手で押さえていた私ですが、諦めて帽子を脱ぎました。 風が髪を乱します。 彼に目をやると、上から下までずんぐり黒色にくるまっていました。 びゅんびゅんと城壁に吹きつける風に負けないように、私はその黒装束(笑)に付いていきました。 「君はここ以外にも欧州を旅したことある?」 「ええ、何度か。」 「一番のお気に入りの場所ってどこ?」 待ってましたとばかりに、「ザルツブルクよ。^^」と私。 「あ~、モーツァルトの街だね。 僕も一度だけ行ったことがあるよ。」 確か、城壁ではこんな会話から始まったように思います。 風でかき消されそうな声を一生懸命拾いながら。 空は気持ちが良いほど晴れ渡り、眼下に広がるアドリア海も負けじと青く輝いています。 私はすごく嬉しくなってしまって、大はしゃぎで要塞に登りました。 「君は高いところが好きなんだね~。(笑)」 「だって、こんなに気持ちがいいんだもの! 綺麗なんだもの!」 「ねぇ、あなたもこっちに来てみなさいよ!」 狭い石段を苦労して登る私を、ズボンのポケットに両手を入れて 涼しそうな顔で見ている彼に手招きしました。 「ねっ、ここからの眺めも最高でしょ!」 青い海に白い壁、赤色の瓦屋根が見事なコントラストを見せてくれます。 仕方ないな~って表情をしながらも、彼も高台に登って来ました。 「そういえば、クロアチアってバスケットボールが強いんだっけ?」私は彼に尋ねます。 城壁から見下ろす街中に、ところどころ小さなバスケットコートが整備されているのです。 「さぁ、どうかな? もともとスポーツの盛んな国だからね~。」 ふふっ、クロアチアはバスケットも人気があって強いんだよ~ん。(笑) 前もって読んだ本に、過去に五輪でも決勝まで進んだ優れたチームだと書いてあったんだから! 物知りの彼もあやふやなことってあるんだって、ちょっぴり得意顔のpicchukoでした。^^v 「ホント、どこもかしこも絵になるのね~。」 黒装束の彼も、ドゥブロヴニクの輝きを目を細めて満足気に眺めています。 私も両手を広げ、アドリア海の空気を胸いっぱい吸い込みました。 お喋り好きな彼、、、これで天国も語れるね。(笑) ★ FC2ブログ『I love Salzburg』においても、同記事をアップしております。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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2012.02.02 22:01:05
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