カテゴリ:日本の旅
九州の旅はこれで六度目。
ちょっと中途半端な数字だけど。(笑) 中学時代、修学旅行で訪れたのが初めてのことで、その時は新幹線が博多駅に着いた時、友達と「はじめの第一歩!」なんて言って飛び降りたのを覚えている。 当時、国語の教科書に草千里の写真が載っていて、のびのびとした阿蘇の風景に胸膨らませたものだ。 実際は阿蘇山の中岳をウォークラリーで登山させられ、ゴールの草千里ではみんな疲れ切った顔で写っている。 だが、その阿蘇の雄大な景色は私の大のお気に入りとなった。 なぜか三十年近くも経って、母にも見せてあげたいと急に思い立った。 それは、十月半ばのこと。 愛媛は八幡浜港から大分県臼杵市へと渡った。 一日目の行き先は、宮崎県高千穂町。 臼杵石仏をするっと観光して、大分県の豊後大野市と高千穂町を結ぶ緒方高千穂線へと入る。 これが結構な山道で、くねくねしたカーブがいくつもいくつも続いており、一向に先が開けない。 まあ、四国遍路で険しい山道の運転には慣れていたので、あれに比べたらまずまずの道幅だし、勾配も急じゃないので運転そのものは苦ではなかったが、ほとんど対向車の来ない知らない山道が延々と続くと、いくら昼間でも不安になる。 それでも、紅葉が始まったばかりの祖母山の頂に癒されつつカーブを縫った。 ![]() このまま峠を越えると思いきや、いきなり電灯もない真っ暗で不気味なトンネルが待ち構えていた。 でこぼこしたトンネルの壁面が意外と怖い。 もしも独りぼっちだったら、小心者の私はきっと泣き出していたと思う。 いつまでこの道続くんだろ。 そんな時、一気に前方が明るくなり、一面見渡す限りのススキ野原が現れた。 ![]() 「うわーーーー!!!」 思わず叫んでしまった。 私は車を脇に停め、転がるように山の斜面を走って降りた。 「後ろに乗ってるクリスもウルスもびっくりしてたよ」、と母。 どうやら、愛犬たちもあきれるほどの勢いで、ススキ目指して駆け下りたらしい。 ![]() ![]() 棚田に輝く稲穂も美しかった。 いい季節に九州へ来た。 ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015.11.01 21:38:04
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