カテゴリ:日本の旅
私が高校1年の時であるから、もうかれこれ25年も前になるが、
ある日、先生はさらっと太宰治の志賀直哉批判の話をしてから「城の崎にて」の授業に入った。 一通り読んだ後、私を指名し感想を聞いた。 だが当時、太宰好きだった私は先ほどの先生の話ですっかり志賀直哉を受け入れられなくなっていた。 「私、この人の文章、嫌い。」 内容は全く頭に入っていなかった。 正しくは、「好かん」って答えたと思う。 「わし、いらん話をしてしもたみたいやの。」 先生はあの時、きっと苦笑いしていた。 その後、ずっと志賀直哉を敬遠していた私だったが、何年も前に尾道を訪れたことで「暗夜行路」をきっかけに彼の作品を読むようになった。 意外にも読みやすく、情景も自然と浮かんでくる。 描写がいい。 ただ、それでも「城の崎にて」はあの授業以来手に取っていない。 11月下旬にしては暖かかった昨夕の城崎は、浴衣姿でぶらりぶらり歩く観光客で賑わっていた。 いい湯だった。 封印された「城の崎にて」、もうそろそろ解ける気がする。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015.11.27 15:55:42
[日本の旅] カテゴリの最新記事
|
|