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本日公開の映画「杉原千畝 スギハラチウネ」を観た。
私が彼とその「命のビザ」を知ったのは確か2000年、日本政府によって正式に杉原氏の名誉回復がされた時だった。 それ以来、リトアニアをはじめバルト三国を訪れたいという想いを募らせながら、未だ果たせず。 世界情勢の先が見えない今、シリアを主とする難民問題も前途多難な今、ある意味この映画はタイムリーだと思う。 それまでリトアニア領事代理として、日本政府に背いてビザを発給したことしか知らなかった彼の人生の、当然ながらその前と後があることに気づく機会にもなった。 ビザを発給した当時、杉原千畝は40歳。 また、第二次世界大戦が描かれるとき、必ず登場するといってもいいシーンが省略されているのを不思議に思いながら観ていたら、逆に彼が救った命によって皮肉にも失われた命もあったことを、直接的な表現を避けてはいたが気付かされた。 もちろん、彼の判断は人道的であったと思うし、そこから先の各々の将来は全て人の力ではどうにもならない定めだったのだと私は思う。 それはいつの時代にもあったことだし、それが世の常なんだとも思う。 杉原氏の人生は壮大過ぎて、どうしても2時間半弱では描ききれない。 なので、映画そのものは私的には少し物足りなさを感じたのは否めない。 いくら唐沢さんの演技が素晴らしくても、杉原さんのバックグラウンドは半端じゃないし、スケールが違いすぎる。 でも、観て良かったと思う映画だった。 冒頭の雪に覆われた真っ白な大平原を蒸気機関車が走るシーンが、映画では満州となっているものの一目でポーランドとわかる景色に、それだけでも私にとっては東欧を懐かしむのに十分。 最後に、杉原千畝が書いたビザが6000人の命を救ったならば、それを受け入れた杉原氏の友人、ウラジオストク総領事代理の根井三郎も忘れないでおきたい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015.12.05 23:09:23
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