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2016.03.12
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カテゴリ:観劇・ライヴ
ぽかぽか陽気の中、現代狂言を観てきた。


『現代狂言X』


03-12 1.現代狂言(於・金丸座)


ナンチャンこと南原清隆さんと狂言和泉流九代目野村万蔵さんによるこの舞台も、今年で早10年になるそうだ。
私は9年前に一度、「現代狂言2」を高松で観たことがある。

今回久しぶりに足を運ぼうと思ったのは、公演場所が旧金比羅大芝居・金丸座であったから。

こんぴらさんの麓にある金丸座は、天保時代に造られた現存する日本最古の芝居小屋。
毎年四月には金毘羅歌舞伎が盛大に執り行われるのだが、そちらはチケット争奪戦がかなり激しく、地元でありながら金丸座での観劇は半ば諦めていたのだから、この公演を知った時には即飛びついた。

一度、江戸時代の人々の気分で観劇するのも乙だと思った。


03-12 2.現代狂言(於・金丸座)


9年前、高松出身のナンチャンが香川県民ホールで凱旋公演をした際には、観客の多くがナンチャンの親戚や友人だったこともあり、ナンチャンの緊張度合いが手に取るように伝わってきたが、

場数も踏み、自身の演じる狂言にも自信がついてきたのか、今日は堂々と声もよく通っていて気持ち良かった。


この現代狂言は二部構成であり、一部では通常の古典狂言を、二部で新作現代狂言を演じる。

以前は古典狂言を演じるのは和泉流狂言師の方達ばかりだったが、いつからかその古典にも多くの芸人さん達が参加をし、しかもナンチャンが主役を演じ、しかもしかもそれがすっかり板についていたのには驚いた。
さすがだと思った。

金丸座の舞台に立つ、ということが許されたことも大きな自信と誇りになったのだろう。


03-12 3.現代狂言(於・金丸座)


その中で、やはり素晴らしかったのが万蔵さん。

初めて彼の舞台を観た時の、登場するだけで舞台上にぽっと灯りを灯した存在感は今もはっきり覚えている。

オーラがあるだけじゃなく、場の空気を変えられる人だと私は思う。

そのオーラだって、たぶん無我なのか。
自由自在にオーラを操り、決して表立っていなくとも知らぬ間に万蔵さんを目で追っている自分に気づく。

当然のこと、所作も自然で美しい。

二度目の今日も、万蔵さんから目が離せなかった。


運が良かった私は花道のすぐ脇の席で観劇でき、花道上で何度も立ち止まる万蔵さんをちょうど真上に見ることができた。
近くで見れば、はいている袴の絵柄は現代狂言の題材に用いられた京都は高山寺に伝わる国宝・鳥獣戯画。

凛々しいお顔を見上げながら、やっぱり「大好き!!! 万蔵さん!!!」と思っていた。(笑)




このチケットは、先月誕生日を迎えた母への少し遅いプレゼントとして用意したのだが、母が喜んだのはもちろん、一番はしゃいでいたのは万蔵さん好きの私だったのではないかと思う。


そして、ナンチャンが舞台前のあいさつで、「大いに笑って、健康になって帰ってください」と言っていたが、

最も元気の源になったのは、終演後の握手だったに違いない。


03-12 4.現代狂言(於・金丸座)
「へー4」


そう、花道の脇の席だけの特権。


82歳の母もすっかり娘時代に戻っていた。(笑)

私にとっても、9年越しの片思いの相手とふれあった貴重な時間だったことは言うまでもない。




現代狂言X   於・旧金毘羅大芝居(金丸座)
平成二十八年 三月 十二日(土) 午前十一時開演

・古典狂言 「千切木 ちぎりき」
     太郎      南原 清隆
     連歌の当屋   野村 万蔵
     太郎冠者    佐藤 弘道
     連歌の仲間   平子 悟
             岩井 ジョニ男
             森 一弥
             石井 康太
             大野 泰広
             三浦 祐介
     太郎の妻    ドロンズ 石本 


・新作現代狂言 「不思議なフシギな鳥獣茶会」  
    作・南原清隆、野村万蔵(補助) 演出・野村万蔵、南原清隆(補助)
     現太郎     南原 清隆
     太郎冠者    野村 万蔵
     和ウサギ    佐藤 弘道
     時計ウサギ   森 一弥
     ハートの王様  野村 万禄
     ハートの女王  岩井 ジョニ男
     主人      平子 悟
     次郎冠者    大野 泰広
     カエル     ドロンズ石本
             石井 康太
     ウサギ     河野 祐紀
     フクロウの精  三浦 祐介


本来、狂言は能楽堂で演じられるのが常である。
しかし旧金毘羅大芝居は大衆向けの歌舞伎小屋であり、奈落や廻り舞台、すっぽんなどの舞台仕掛けがあるのだが、今回は歌舞伎の三百年も昔からある狂言ということで、それら一切は使用されていない。
 
     





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Last updated  2016.03.13 20:36:25
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