ぴっこらイタリア

2006/07/03(月)21:15

ある日曜日の苦しみ方。 その壱

イタリアンなお話(77)

たいした内容じゃないのにえらく長くなってしまった。ので、2部に分けて書く。 先週土曜日。ブラジルは負けた。 最近、毎晩W杯を我が家に観戦に来ていたエルトンは、この日力を落として言った。「明日はマリエッタとプールに行くんだ。一緒に行かないか?」←全然サッカーと関係なし マリエッタというのはちょっと前から家庭内離婚をしている彼の奥さんである。 家庭内離婚は エルトンがいうには、彼女はたいした稼ぎも無いのに天井知らずにお金を使い、彼女のおかげで生活が窮を瀕するようになったのが原因で、 マリエッタがいうには、ケチケチしてアルコールも飲まず、話題といえば神の話しかせず、どこにも行きたがらないエルトンが退屈になったのが原因。 どれぐらいマリエッタが無駄使いするのかは知らないし、わたしはどちらの言い分もわかるが、彼女の気持ちに味方する。 だってエルトン、我が家愛飲の「LEVISSIMA」という水を出したら「やっぱりこの水は旨いな。うちじゃ高くて買えないけど。」とほぼ毎回言うぐらいケチだ。(ちなみにこの水2L 0,60セント(約100円))。なので最近、彼に申し訳なくて訳のわからん安い水を買って「う。。まずい。」と後悔する日々。 ←どうでもいいけどこの水も結構おいしい。でも日本は高いのね。 家庭内離婚を決めてからというもの、彼らは家のローンの支払いのためひとつにしていた銀行口座を各々に分け、別行動を取るようになった。 派手目のマリエッタは、かなりエルトンの経済力に頼っていたところがあったらしく、最初のうちはお金のやりくりに苦労していたようだが、最近は余裕が出てきたらしい。 週末は友人たちと夜の街へと繰り出したり、小旅行をしたりして楽しんでいるようである。←わたしもこういう夫婦のパターンに憧れるのだが? 地味なエルトンはそういったシングルライフを楽しむことが苦手のようで所在無し、といった感じで時々近所の我が家にTVを観に来るのである。(ちゃんと彼らの家にもTVはあるのだが。) 以前のコックさんといい、エルトンといい、わたしはおっとは遠かろうが、近かろうが、そういうやもめタイプを引き寄せる魅力があるようだ、うっふん。 そういう状況が長く続いた後に「一緒に。」というのは、実によい兆候ではないか? 喜んで行くことにした。 エルトン「じゃあ、朝9時に『アクアネバ』の入り口ね。」 早い!なんで日曜の朝にこんなに早く起きて冷たいプールで泳がなあかんねん!? おっと「わかった、起きた時点で電話するわ。」とすんなり答えた。 さすがだ。南米人には南米人に返事をさせるのがいいようである。 ******* 日曜の朝。 あんな返事をしておきながらプールが楽しみで9時前には起き出したわたしたち。 さっそくエルトンに電話する。「今教会のミサ中だから、後でかけなおして。」 ちょっとちょっと、昨日あんたが9時だと言ったんだろうが!? エルトンは小声の早口で「ああ、今から行くんだったらマリエッタはもう他の友達とプールに着いてるはずだよ。ぼくは11時ごろにミサが終わってそれから行くよ。」 なんだ、エルトンが来ないのに、そんなに早くから行くのもなんだし。。とわたしたちはちょっとがっかりして家でTVを観ながらダラダラと時間を潰し、11時ごろ家を出発したのだった。 『アクアネバ』というのはミラノの郊外地下鉄緑の終点GESSATE駅からバスで少し行った先にある去年オープンしたばかりの巨大プールランドだ。 ちらしを見る限りではジェットコースターのような滑り台があったり、川の流れのようなプールがあったり、アトラクションがあったり、楽しそうである。 しかし我が家からは結構遠かった。田舎道をひたすらクルマで走るとやっと小さく『アクアネバ』という看板が見えたので、整備されてない土ぼこりの藪の中の道を突き進むと、整備員何人がわたしたちを導いてわたしたちは何もない荒野にクルマを駐車したのだった。 そんな荒野は満車状態だった。クルマを降り、ちゃちな金網の隙間をくぐるとそこに見えたものは。。。 つづく。

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