ぴっこらイタリア

2006/08/21(月)22:25

まったく人騒がせな。

ご近所物語(99)

10日ぶりの日記です。 たった10日、会社に来なかっただけで、プライベートな時間を持っただけで、 なんでこんなにいろいろ、起こってしまうんだろう? 呪いか、運命か?? 頭が混乱して何から始めていいのかわからない。 とりあえず、日付の古い順番から書いていこうと思う。 ******** 8月11日(金)夕方。 毎週金曜日は会社が早く終わる。 社長が週末トスカーナの別荘で少しでも長く過ごしたいから出来た時間割だ。ミラノの住人にとってはうれしいことだろうが、わたしとしちゃ、いい迷惑である。 セバスティアンおっとは、金曜日もいつもと同じ時間にしか仕事は終われない。 つまりわたしをいつもと同じ時間にしか駅まで迎えに来れない。 そうなると、それまでどこかで時間を潰さなければならない。最初のうちはミラノの中心とかをブラブラしていたのだが、それにも飽きて最近はどうにかこうにか無理におっとに迎えに来てもらったり、わが町の駅前の公園の木陰で本を読んで時間を潰したり、暑くなければ歩いて家に帰ったりして苦心している。 しかしこの日は、いつも「携帯にクレジットがないから。」と言って自分から電話をしてこないおっとから珍しく電話があって「今日の誕生日は何する?」と聞いてきた。きっとここ数日わたしがしつこく「何をプレゼントしてくれるの?」と言っていたからに違いない。 ちっとも期待していなかったわたしは「え?え~。。。外食でもする?マクドはイヤだけど。」と目を白黒させながら答えた。(←なぜなら我が家で通常「外食」と言えば「マクド」か「中華」なのだ!!) おっと「あ、そんなのでいいの?映画でも観ようよ。」 わたし「何を観るの?」 おっと「なんとかかんとか IN TOKYO」 わたし「知らない、何それ?」 おっと「東京を舞台にしたカーレースの映画だよ、観に行こう!」 ここで可愛い女なら、興味がなくても「うん、行こう。」と答えるだろう。 しかし可愛い盛りもとっくに過ぎたわたしは(何で、そんなCMにも流れないようなへぼ映画を入場料を払って観に行かなきゃいけないんだ!?)と思う。 わたし「イヤだ、行かない。」 おっと「え~、ぼくすごく観たいんだけど。。。」 なんでわたしの誕生日におっとだけが観たい映画につきあわなければならないんだ? わたし「そんなに行きたきゃ独りでいきな。」 し~ん。。。。 おっと「。。。。。わかった。君が帰宅してから考えよう。ところで今日は金曜日だから、やっぱり早く駅に着くの?」 わたし「うん。」 おっと「今日は仕事が少ないから迎えにいけるよ。じゃあ、駅で待ってるから。」 をを、おっとからそんなことを言うなんて珍しい。 しかしこの昼間の時間帯、我が田舎町駅の電車は1時間に1本となる。 わたしは時刻表を見て、終業時間後、小走りでミラノの駅まで行かないと間に合わないことを知って、急いで歩き出した。 駅に着くと向こうのホームに乗らなければいけない電車が停車しているのが見えた。 そのホームに行くには地下道に降りなければならない。 急いで3歩ほど踏み出すと携帯が鳴った。 あ~もう、誰だよ、急いでいるのに!? もしかしたらあんなことを言ったおっと、びっくりさせようとしてミラノで待っているのか?と変な期待から携帯を取り出した。 知らないナンバーだった。 おっとはよほどの用事があるとき、携帯にクレジットがないことを理由に公衆電話や、誰かの携帯からかけてくる。 わたしはこんなことをしている間に電車が発車してしまうんじゃないかとハラハラしながら「もしもし?」と答えた。 電話の主「もしもし、ヒヨ子(仮名)?」←イタリア語 電話の主の男性の声は聞いたことないが、日本人のヒヨ子(仮名)さんは知っている。きっと彼女の友達の一人が間違えてわたしに電話をしたに違いない。しかし、どうやってこの番号を?? わたし「おかけ間違いですよ、わたしはいくきーとと申します。」 電話の主「あ、ああ、すみません。」 わたし「いいんですよ。もしよかったら、彼女の正しい電話番号、教えましょうか?」 最初から切羽詰った感じだったのだが、ここから彼の声色がちょっと変わった。 電話の主「そんなことはどうでもいいんだ、きみ、数日前な~こ(仮名)と何を話したのか、教えてくれないか?」 わたし「は?」 電話の主「ぼくがここ数日動けない間に彼女と何があったんだ、教えてくれ!」 わたし「ちょっと、あんた誰?」 電話の主「きみが数日前、な~こ(仮名)に送ったメッセージを見たんだ。いったい何があったんだ!?」 わたしはここで彼がついこの間、ボローニャ在住のお友達な~こ(仮名)と結婚したT君だとわかった。 しかし、なんだこの男は!? 奥さんになったとはいえ、彼女の断りもなしに勝手に携帯を見て、それを見てしかもまったく知らない相手に電話するなんて、うちの南米男よりも始末が悪いじゃないか!? わたしはかなりムッとして「知らないわよ、わたしミラノに住んでるから、ずいぶんな~こ(仮名)に会ってないし。」 電話の主「そんなことはないだろう、何があったか知っているはずだ!」 ブシューと音が鳴る。 はっと顔を上げると電車が今にも発車しそうではないか!? わたし「ちょっと、今から電車に乗らなきゃいけないからまだ話したかったら、5分後に電話して。」ととげとげしく電話を切り、地下道を転げるように降りてホームに上がると、電車がゆっくりと動き始めたところだった。 T。。。。。。Tの野郎!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! わたしは腹立たしくその場で地団太を踏んだのだった。 珍しくおっとが迎えに来るっちゅ~のに、後1時間、どこかで時間を潰さにゃならんのか!? わたしはとぼとぼと歩き出した。 そしてT君の電話の内容を反芻し、だんだん心配になってきてな~こ(仮名)に電話をする。 な~こ(仮名)は応えなかった。 そういえば、この日のわたしの日記に残してくれたコメントに「携帯がないからこっちからおめでとう♪」なんて書いてあった。 もしかして、夫婦間に早くも問題が起きて、T君に携帯を取り上げられたのか!? まさか、わけのわからん喧嘩のあげく、とりあえずPCはあるどこかの一室に監禁されてしまったのか? OOOOOOOOOOOOOOOOOHHHHHHHHHHHHHHHHHH,NOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!!!! 可哀想なな~こ(仮名)!!!! 連絡の取れないな~こ(仮名)を救出するにはどうすればよいか!? そういえば、な~こ(仮名)と共通のお友達、エミリアロマーニャ州にお住まいのヒヨ子(仮名)さんの名前をT君は口走った。 ヒヨ子(仮名)さんにさっそく電話した。 ヒヨ子(仮名)さんはちょうど、日本からだんなさんの家族が来ていて、家族旅行の最中だったが、答えてくれた。事情をかいつまんで話す。 ヒヨ子(仮名)さん「あ~、な~こ(仮名)の携帯、水につけて壊れちゃってから、新しいのを買うまでT君と携帯を共有しているようですよ。」 ああ、だからT君はわたしのメッセージが見れたのか。 ヒヨ子(仮名)さん「いくきーとさん、どんなメッセージを送ったんですか?T君って怒るとこわいって、な~こ(仮名)言ってましたけど、見た感じ、穏やかなんですけどねえ?」 そういえば。 すっかり忘れていた記憶を探る。 え~と、え~っと。。。。 ああそうだ、数日前な~こ(仮名)がずいぶん怒った口調で「あの豚野郎!ちくしょう!!あんなとこ辞めてやる!!!」とメッセージを送ってきたんだ。 で、わたしは何がなんだかわからなくて「まあまあ、イタリア人なんてみんな豚野郎だよ。元気を出して。」と同調する返事を出したんだけど。。。 ヒヨ子(仮名)さん「な~こ(仮名)、最近仕事上でトラブルがあって、勤めていたところ、辞めたばかりなんですよ。」 ああ、だからあんなメッセージを送ってきたのか。 ん?ちょっと待て。。。。。。はっ!!!!! T君はな~こ(仮名)がわたしに送ってきたメッセージを知らない。 で、それに返事したわたしの「まあまあ、イタリア人なんてみんな豚野郎だよ。元気を出して。」だけを見るとなると。。。 「豚野郎(PORCONE)」は意味合いとしては 1.「汚い根性の人間」 2.「大すけべ野郎」を指す。 T君が2.の意味で取ったとすると、彼女がどこかで乱暴されたと思い込んだか?? やっと、あの強引な電話の意味がわかった気がした。 いや~~~~~んっ 愛だね、愛!!!! T君、な~こ(仮名)を真剣に心配しちゃって~~~~~~~~~~~~~、 ヒュ~ヒュ~惚れてるッスね!!!???? やっと電話の謎が解けて、うれしくなり時計を見ると、さきほど逃がした電車からまた1時間近く経っている。わたしが慌てて駅の地下道を降りようとすると。。。。 また携帯が鳴った。 T君からだった。「さっき君は5分後、って言ったけど、ずいぶん慌ててたし、もうちょっと時間を置いてから電話したほうがいいと思ったからさ。」 こ。。。。。こいつ。 どうでもいいが、わたしとT君は相性が合わないことを痛切に感じた。 (ちなみにこの日記はな~こ(仮名)の「やった~、これ日記のネタになりますね!?」という許可ともとれるお言葉(?)に甘えて書かせていただきました。汗)←いいのか!? PS.結局誕生日は「おっとの南米人友達たちと、ちっとはマシなレストランに行くはずが、8月で全部閉まっていて、しかも大雨の中、何が哀しいのかBARのテラスでパニーノを食べる会。」となった。

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