フランスは休みが多い?
この間夏のヴァカンスが終わったと思ったら、今度は宗教上の祝日、万聖節Toussaint(11月1日)*1のヴァカンスと称して南仏では10月21日~11月3日まで学校は2週間のお休みを取ります。フランス中が一斉に同じ日にちをヴァカンスにすると混乱が予想されるため、他の地方では少しづつずらしているそうです。この後、クリスマスNoelから年始にかけて2週間、3月末から4月にかけて復活祭Paques*2の2週間、そして夏の2ヶ月、と年間14~15週間にも!日本の学校が今どのくらい長期の休みを設定しているのか定かではありませんが、やっぱり、フランスは休みが多い!!更に教師間のミーティングの日や、教師のストライキによる授業放棄も加わり、実際にはもっと多くなるようです。でもこれは最近の話でおばあちゃんに聞けば昔はもっと休暇が少なかったとのこと、「フランス人はどんどん怠け者になっていく」と嘆いています。勿論社会人になれば休暇はもっと少なくなりますが、それでも年間5週間は法で決められており、97年から施行された週35時間法の導入で公務員や企業の被雇用者は実質年間8週間もの休暇を取ることが義務付けられました!これはフランスの高い失業率を低下させるため、一人一人の労働時間を減らすことにより、より多くの労働力が必要になるはず、雇用者の人員増大を促進するという目的のため定められたのですが何しろ税金の高い国、フランス。人一人雇うにも税金を考えるととてももったいない、ということで結果的には現被雇用者への負担が多くなっている、または業務が怠ってしまうという事態になっています。(かといって、フランス人全員がこの例に当てはまる訳ではなく、自営業経営者や職人、役職のついた一握りのエリート職員などはサービス残業もなんのその、精力的に働いています。)「働かないフランス人」というイメージに拍車をかける形になってしまった訳ですが、休日も思うように取れず、あくせく働いているのに一向に不況から抜け出せない日本と、こんなに休みを取ってもそれでも何とか社会は回っているフランスの両極端さは、とても興味深いと思います。…たして2で割ったら、本当、理想的なんですけどね。*1:すべての聖人のお祭り。フランスには365日分の聖人の名前があり、カレンダーを見ると聖セバスチャンや聖セシルなどと書いてあり、その名前をつけられた人は誕生日のようにお祝いされます。つまり、すべての聖人=死んでしまった人たちも、ということなのでしょうか、翌日はお墓参りをすることになっており、良いとされる花はシクラメンや、なんと、日本と同じように菊も多く飾られます。*2:キリスト復活の日。