一ヶ月で5Kg痩せましたが……
あるダイエットをして、一ヶ月で5Kg痩せました。6年前の話ですが。このダイエットは確かに確実に痩せられますけど、もう二度としたいとは思いません。絶食だとか、単品を食べ続けるだとか、豆乳クッキーだとか、ロデオボーイだとか、そういうのではないんですど、かなりの気合いが必要です。鳩胸な私はかなり着太りするタイプで、とにかく痩せたいと常々思っていました。20代の頃は胸板の薄いボーイッシュなタイプに憧れ、一度でいいから「華奢」だと言われてみたくてたまらないお年頃でした。華奢……キャシャ。今でもウットリするような響き。私のよくいくカフェにたむろするアホ仲間の数人が「ヤセ部」という部活を作っています。目標は他人に「キャシャだねえ」と言われる事。その時点でヤセ部は退部となるようです。傍目に「細い」と思われる人はこの部に入部する資格はありません。自他とも認めるポッチャリ以上が入部資格です。しかし。もしヤセ部に入っていながら「あれ?太ったんじゃない?」とか言われた日にはヤセ部を退部どころか「デ部」に強制入部され、田舎の断食道場へ送り込まれるわけです。本当に送り込まれた友人、いましたから。いや~、入部すべき資格がありながら、コワすぎて入部できません(;´д`)しかし。6年前の私はかなり気合いが入っていました。当時付き合ってた彼が2ヶ月ほど出張&バカンスで海外に行ってしまうと聞いて、これはチャンスだと思いました。彼はスレンダーなタイプが好み(じゃあなんで私と付き合う?)で、私も仕事柄、モデルやタレントと会う機会が多く、彼女たちの尋常ならざるほっそりぶりに憧れを抱いており、またそんな時ちょうど某芸能プロの社長さんにあるサロンを紹介されたのです。サロンといってもエステサロンではありません。ダイエットの管理&プログラムをしてくれるサロン、といえばいいのでしょうか?表参道の裏手のひっそりとしたビルの片隅にそのサロンはありました。まず、体重や計測をします(腕や腿、足首など細部にわたって細かく計測)。そしてサロンの優しそうなマダムが私の目標体重をきき、こういうプログラムはどうか?と提案してくれます。それに了承できたらプログラムはスタートします。私の場合、約1ヶ月で5Kgというかなり厳しい目標をたてていたのでプログラムもかなりシビアでした。私にとっては。そのプログラムとは(1)炭水化物を摂らない(ごはん、パン、麺類を抜くワケです)(2)タンパク質は必ず摂取する(鶏のささみとか低カロリー高タンパクのものなど)(3)有酸素運動を取り入れる(1日20分は止まらず歩く)(4)1日1回サロン特製のジュースを飲む(ミネラル等の栄養が入ったもの)(5)週に1回、サロンに計測にくる(全裸で細部を計るワケです)以上5つの項目の他に、三食のメニューをマダムに見せ、アドバイスを頂きます。とは言っても徹底した管理プログラムではなく、結局は自分のやる気次第。はじめはけっこう楽勝だと思ってたんですよ。実際10日で2.5kgは減りましたから。しかしですね、何が辛かったって、大好きなパンとかご飯が食べられないことです。ブランチは手作りの「鶏のささみ&カボチャのサラダ」とか「菜の花のおひたし&ささみの胡麻和え」とかもうほとんど減量前のボクサーの食事ですよ。会社が青山にあった時だったので、渋谷の宮益坂から青山一丁目までをひたすら歩き、信号で立ち止まっても、足だけは踏みならしていました。止まっちゃいけないんで。まるで軍隊の行進のようです。かなり炭水化物食べたい病に侵されピークに達した頃、私は無意識に青山アンデルセンの前でガラス越しにジーッと並べられているパンを見つめていました。実はこの時、あるプロダクションのマネージャーさんが私を見つけ、声をかけようとしたらしいのですが、そのただならぬ雰囲気に足がすくんでしまったそうです。まるでそのガラス越しに恋敵がいるかのような顔をしてたんだそうな。数日後その話を聞いて、恥ずかしさと空腹感で倒れそうになりました。しかし三週間も過ぎると、相変わらずパン食べてえよー( ゚Д゚)病は治らないものの、このストイックな生活が快感になってきました。何より、一週間ごとの細部にわたる計測が私を奮起させるのです。この管理プログラムの最もすごいのが、マダム自身です。話しているだけで心穏やかになるステキなマダム。あまり減量してないと、「あらぁ……何がいけなかったのかしらね。私、もう一度プログラムを再考してみま すね。鳩さん、ごめんなさいね。もうしばらくお付き合いくださいね」と、いえいえこちらが痩せてなくてスミマセンと平謝りしたくなるような対応で、逆に計測などでかなり大きな変動があると、「まあ、すばらしいわ☆ すごくホッソリして。鳩さんのこの鎖骨ったら、うっとり しちゃうわねえ」と、こっちが真っ赤になってしまうようなホメ方をしてくれるので、自分ひとりでやってるダイエットという感じではなく、共同作業としてのダイエットだったのが成功したコツだったのだと思います。しかし。よくお昼を食べていた友人カサノヴァ(プレイボーイで有名だったので)は久々に「お昼いっしょに食べいこ~」と誘いに来て私の顔を見るなり、「え? 自分どうしたん? 顔やつれてるで?」と、思いっきり引き、「ダイエットして、ちょっと痩せたんだよ」と答えるとあからさまにイヤそうな顔で「なにやっとん? 鳩ちゃんの魅力が半減や!!」と叫んでそのまま帰っていってしまったのでした。ええ(;゚Д゚) なんで??ちょっとショックでした。カサノヴァは出張の多い仕事柄、全国津々浦々に彼女がいるすごい女好きで(私が知っているだけでも7人)、いつも武勇伝を聞かされていましたが、女に優しい彼は友人である私にも優しく、ことあるごとに「鳩ちゃんは可愛いから大丈夫☆」と特技のホメ口説きを私にまで披露してくれ、、一種独特な笑いを提供してくれていました。そんな優しいカサノヴァが、怒って出て行ってしまったのです。(勝手に人の会社に入ってきて、勝手に出て行く彼……)しかし、もっとショックだったのは帰国した彼氏に会ったときです。ちょっぴりスレンダーになった私に驚いてくれるだろうか。。。そんな乙女心を踏みにじるかように、彼は「久しぶり」といったまま旅の話をし始め、私のダイエット成果に何も触れません。見るに見かねた私が「私、5キロも痩せたんだけど気付かない?」と聞いたところ、「え? そうなの? よくわかんないや」(;▽;) そうですか。。。。。。そのあと、もうどうでも良くなって、リバウンドしましたよ、見事に。青山アンデルセンで、ひとりの成人女性が食べる量だとは思われないほどのパンを買い込み、カサノヴァとランチしました。カサノヴァ、あんたの彼女の中にだってスレンダーなコいるじゃん。なんで私がスレンダーになっちゃダメなんだよ。カサノヴァはまたふっくらとした私の顔を見ながらのたまわります。「だって鳩ちゃん、あんま細いの似合わへんもん」(;▽;) そうですか。。。。。。女性陣には好評だったダイエット成果も、男性陣には、カサノヴァや彼氏だけでなく他のスタッフにまで不評でした。短期間でやりすぎてしまったのかもしれません。女性はやっぱり芸能人みたく細くなりたい、、、と願うものですが、傍目から見るとやりすぎだろそれ? みたいなのが多いようです。妙齢で痩せすぎると、老けてみられることもあるようなので、そこらへんも注意が必要です。ちなみに、ダイエット成果に気付かなかった彼氏は現在夫になりました (・ε・)最近少し太ったんじゃない?と言われますが、無視です。