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カテゴリ:サンチャゴ巡礼2004
■第9日 ポルトマリン~パラス・デ・レイ 23km 10月5日
6時に起きたら80人部屋のすでに半数が出発したあとだった。 きょうはいつになく暗い。 いつもは見える月や星が見えない。 懐中電灯がなければ歩くこともむずかしい。 雲が出ているのだろうか。 …と思う間もなく、ほほに水気を感じた。 すぐに雨がパラパラと降り出す。 そのときの道は自動車道と並行していた。 うまい具合に屋根つきのバス停がある。 そこでザックの底からレインコートを引っ張り出す。 しばらく歩くと軒下で雨具の準備をしている集団を追い抜いた。 今年初めての雨。 これまでは雲を見ることすらない晴天が続いていた。 雨が本格的になってくる。 9時に通過した村のバルに巡礼者がたまっていた。 温かいものを飲みたいが、この天気だ。 先を急ごう。 きのう買ったチョコレートをかじる。 これがじつにおいしい。 身体がエネルギー源を欲しているのだろう。 途中で水を飲むため小休憩。 あとからやってきたスペイン人の夫婦に「これどうぞ」とチョコレートを差し出す。 「チョコラーダ!」といって奥さんのほうがニッコリ笑った。 雨のなか、ポンチョ姿の人を追い抜いた。 なんとなく見覚えがあるなあと思ったら村上くんだった。 トリアカステラで夕食を食べて以来の再会だ。 話しながら歩くとパラス・デ・レイまではあっという間だった。 12時20分に到着し、巡礼宿の開館を待つ。 時間も体力もあるけれど、きょうはここどまり。 冷たい雨ではなかったが、歩くのをやめるととたんに冷え込む。 外出は控え、村上くんが持っている黛まどかさんの『星の旅人』を読ませてもらう。 「ぼくにはロマンチックすぎます。 もっとリアルなほうがいい」 と村上くん。 以前読んだことがあるが、細部はほとんど忘れていた。 夜、近くにあるホテルのレストランへ2人で出かける。 顔なじみの巡礼者があとからあとからやってきた。 ウェートレスの女性は笑みを絶やずにたくさんの客をさばいていく。 サービス業の鏡のような人である。 ▲パラス・デ・レイに向かう道で。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012年03月16日 20時46分14秒
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