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カテゴリ:インド・伝統、風俗、風習
サーバルマティー・アシュラムの出口付近で、こんな老人を見かけました。
老人は葉陰にじっと座っているだけなのですが、その姿がなんとも威厳に満ちていましたので、私は思わず手にしたカメラを指し示し、「撮っていいか?」と聞きました。 老人はまったく口を開きませんでしたが、静かにゆっくりと、それでいて妙に力強くうなずきました。 さて、この老人の装束なのですが、白い木綿のシャツにズボン、そしてやはり木綿の帽子をかぶっております。 これはかつてインドではよく見かけた衣装なのですが、さすがに最近では(そしてこの写真を撮った2001年当事でも)あまり見かけず、特にその帽子はほとんど見ることがなくなってしまいました。(って、古いことは写真などでしか知らないのですが・・・) そしてこの帽子を見て一番に思い出されるのはこの方、独立インド初代首相のジャワハルラール・ネルーではないでしょうか。(この写真は1963年頃のものです) で、私もこの帽子が欲しくて、今から20年ほど前にデリーの衣料品店で聞いてみたことがありました。 「ネルー帽ある?」 「はあ?ネルー帽?」 「そう、ネルー首相がかぶってたでしょ。ほらこんな形でさあ、頭にちょこんと乗せるだけのやつ」 私はフランスの「ドゴール帽」と同じ感覚で、インドで「ネルー帽」と言えば一発で通じるものだとばかり思い込んでおりましたので、衣料品店のおやじの鈍い反応にいささか驚きました。 それでも身振り手振りを交えて必死にその形状などを説明しておりますと、ようやく店のおやじ何かに思い当たったのか、店の奥から袋を引っ張り出して来て中身を見せてくれました。 それは幅6cmほど、長さ30cmほどの白い木綿の帯でした。 怪訝そうに見つめる私に、店のおやじはその帯を手に取るや、帯の内側に指を入れてふくらまし、頭にかぶって見せました。 「おおっ!それだそれだ!まさしくそれだ!それ!それ!それ!それ!そいつが私の言ってたネルー帽じゃないですかあ!」 すると店のおやじ、静かに一言、 「それは、ガンディー帽だ」 ええっ! でまあ、こんな写真を見つけました。(やはり20年前にナショナル・ガンディー・ミュージアムで購入した写真集より) 確かにガンディー、その帽子をかぶってます。 でも、一般的に知られているガンディーのイメージは、短髪(もしくは禿頭)をさらしたままのお姿だとおもーのですね。 少なくとも私はこの帽子のネーミングの投票があったとしたら、「ネルー帽」に一票入れるなあ。 まあ、もうインドでもほとんど消えかかってるこの帽子のネーミングの投票が、これから先あるとは思えないのではありますが・・・なんかねえ・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017.09.13 09:31:49
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