studio PINE SQUARE

​ミニカーにしろプラモにしろ「カーモデル」というものが大好物な連中にとって「モデラーズ」という響きは特別のモノがあるんじゃないかい？
ガーデンプレイスなんぞが出来てお洒落シティっぽくなる以前の、渋谷区にありながらものすごく野暮ったい感じがする恵比寿駅前に店舗を構え、ミニカー・プラモをはじめカー雑誌や舶来のレースビデオ、果ては実車の整備マニュアルまで幅広く取り扱い、カーモデルの聖地とまで言われた「Ｍｒ.クラフト」
　バブル期にはＦ1ドライバーまでが来店しサインしていくほどの力を持っていたが、バブル崩壊後も経営方針を刷新せず、誰も買いはしないＦ１メモラビア（実車のパーツやドライバーが使ったヘルメットやスーツなど）の収集なんぞにうつつをぬかし、昨年夏ついに倒産したのは記憶に新しい。
　そのクラフトのオリジナルブランドが「モデラーズ」であり、今ではあって当たり前のエッチングパーツやレーシングハーネスのキット、既存プラモを別車輛に仕上げる後売りデカールなど、モデラーの痒いところに手が届く企画を連発していた。
クラフトの倒産と同時に、当然それらの商品群も再入荷することもないわけで、ホビーショップからモデラーズの文字は完全に消え去った。
（不人気商品がデッドストックとしてホコリを被ってるのはたまに見かけるが。。。）
　以前から、倒産前に一部の金型は外部に流出して難を逃れたというウワサはあるにはあったが、まさかその「モデラーズ」が復活するとは(ﾟoﾟ)


モデラーズ１/４３　伊太利屋マーチ８８ＧＣ無限（ＭＣＳ８無限）
＃２５　ジェフ・リース

旧「モデラーズ」時代にもオリジナルキットを発売していたグランチャンマシン。
ミニカーとして復活するならこれしかない！ってくらいドンズバなアイテム（笑）
グランチャン崩壊の前年１９８８年のチャンピオンマシン、マーチ８８ＧＣ無限。
商品名は「ＭＣＳ８無限」でそれはそれで間違いじゃないんだろうけど、ここはエントリー名を優先することとする。
ちなみにＭＣＳはムーンクラフトスペシャルの略であり、この時代のグランチャンマシンはオープンホイールフォーミュラであるＦ３０００のシャシーに、これをすっぽりと覆い隠すスポーツカータイプのカウルを被せてあり、そのカウル部分を主に作っていたのがムーンクラフト。
　パッと見はなんとなく遊園地のゴーカート遊具然としているが、脱いだら中身は凄いのよ（笑）
Ｆ１くずれのジェフ・リースは伊太利屋ピンクも鮮やかなこのマシンを駆って、シリーズ全６戦で優勝３回、残りは２位２回、５位１回と全戦ポイント圏内フィニッシュでぶっちぎりのチャンピオン獲得。
ミニカーのほうはレジン製ボディにウイングステーなど一部をエッチングパーツで再現し、値段の割りになかなかシャープな仕上がり。
塗装もそつなくこなしてる。
どうせならラジエータパーツをエッチングで再現するとか、バックビューを気にしてもうちょっと駆動系を一体モールドでいいから立体的に再現するとかしてもらってもよかったが、まぁ値段が値段だからね、こんなもんでしょう！の及第点。
ＧＣのミニカーってありそうでなかったから、そういう意味で痒いところに手が届く存在だった「モデラーズ」の面目躍如っちゅうわけやね。
（まあ実際はインターアライドがブランド名使用権を取得したバッジエンジニアリングだろうけど）
しかしそれでも「モデラーズ」の使用権があるなら、こりゃあ１/２０フェラーリＦ９２ＡＴの再販も夢じゃないってか？！

​