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テーマ:ミニカー大好き(3233)
カテゴリ:F1
F1中継を見なくなっておよそ5年くらい経つが(そして今後も多分見ないんだろう)ぶっちゃけF1のベストバウトはなに?と考えると、フジ三宅の「ここはモンテカルロ、絶対に抜けない!」の絶叫実況でお馴染みの1992年モナコGPで決まり、と思っておる。
見るつもりのないこの先何十年かのレースまで含めても、である。 それほど凄いレースだった。 なにしろトップを走るマクラーレンに「アンタ、遅いよ」とばかりに青旗が振られるくらいの猛烈なマンセルの追走劇。 セナもマンセルも知らない世代だってこればっかりは「スゲエ」と思うことだろう、って言い切れちゃうくらい奇跡のレース。 そんな1992年モナコでもう一つの奇跡があったことを知るのは何年もあと、レーシングオン誌やF1全史、モデルグラフィック誌なんかを読んでF1をいろいろと掘り下げてからのことだ。 名機ウィリアムズFW14Bもマクラーレン・ホンダも今回はワキ役。 主役は泣く子も黙る駄馬の誉れアンドレア・モーダ。 元々は マーチやベネトンで活動したニック・ワースがBMWのF1プロジェクト用に設計されたS921は、当時のトレンドもそれなりに取り入れてはいるものの、足回りはスクーデリアイタリアの中古品だったりするマジ中古品で、ちゃんと開発メンテナンスが出来るチームで運用されたとしてもせいぜい翌々年のシムテックと同等レベルくらいのマシン。 実際、色塗り替えたらシムテックS951に似てなくもないしね(発売期待!) それがシロート同然のアンドレア・モーダで使われたなら期待も何もあったもんじゃない。 それでも後付けでも貧乏チーム御用達のライドハイトコントロールシステムやジャッドV10エンジンのメンテナンスなんかにリソースを投入してれば、シーズンでたった一度の決勝進出とゆー悲惨な結末にはなんなかったかも知んない。 そんなアンドレア・モーダを出すスパークは一体どんな神経してんだろ(いい意味で) スパーク1/43 アンドレア・モーダ S921 ジャッド "1992年モナコGP DNF" #34 ロベルト・モレノ なにしろド素人チーム。 靴屋のバカ息子(アンドレア・サセッティ)が前年に破綻したコローニを超格安で買い取ったのが全ての始まり。 これでオイラもF1チームオーナー様だと気張ってモーターホームやスタッフシャツ、キャンギャルなど見栄え優先でカネを使い、マシンやパーツ類にはカネを出さない。 小金はじゃんじゃん使うが大物には二の足を踏む器の小さいタイプだな(笑) もしかしたら「え?街中走ってるクルマだって買ったばっかでちゃんと走るじゃん、F1もそうじゃないの?」とか本気で思ってたんじゃねーのか?と思えるくらい。 そもそも、コローニを買い取った際にチーム名をそのまま「コローニ」にしときゃあ、FISAから「新参チームは保証金10万ドル払えよ」とか付け入る隙を与えずに済むのに、自意識過剰のバカ息子はどうしても自分の名前を冠したチームにしたかったんだろう。 それで払う払わないの泥仕合の挙句、お手軽にコローニの前年型マシンを使いまわす案もオジャン(新参チームはオリジナルシャシー使用が前提) で急遽、BMW計画が頓挫して行く当てのないマシンをニック・ワースから買って使い始めたのがS921。 参加チームが多くて予備予選からスタートするも、他チームの10~15秒遅れのラップタイムでお話にならない。 しかも渋ちんオーナーはパーツにカネ使わないから、一台(モレノ車)が走り終わった後にパーツをもう一台(ペリー・マッカーシー車)に移植して走り出すとゆーお粗末。 最初はマッカーシーのライセンス発行問題で揉めたFISAもあまりの境遇に「マッカーシー走らせないと出場停止な」と態度を変える。 それでもサセッティは態度を改めず、マッカーシーは毎回息もたえだえなマシンで走り続け、モナコでは予備予選トップから15分半遅れ(秒じゃなくて分!)ハンガリーでは1時間かかってコースを一周することになる(ラップタイム1時間0分27秒565!!) この他にも、エンジンがないから(航空会社が悪天候でエンジンを空港に置き去りしたと説明)ブラバムのジャッドV8を借りるとか、トラックドライバーのストのせいでマニ=クールまでたどり着けなかった(経費削減で行くつもりはなかった)とか予想もつかない問題のオンパレード。 ついにサセッティが公文書偽造の詐欺容疑で逮捕されたのを機に、F1の権威を失墜させた̚廉で「追放」処分になる。 チームの「解散」や「撤退」は珍しいことじゃないが「追放」で消えるのは前代未聞。 そんなお騒がせチームが予備予選突破どころか予選まで突破して本戦を走ったんだから驚天動地(といっても後から知ったんだけど) まあ、マシンの出来云々とゆーよりもモレノの腕一本に寄るところ大だな。 片山右京やデイモン・ヒルを蹴落としてたった一度の本戦出場は、わずか11周走ったところでエンジンが音を上げてリタイア。 それさえも「エンジンが勿体ねえからいいころ加減でリタイアしろよ!」とか厳命が下ってたんじゃね?と勘繰りたくなるアンドレア・モーダである(笑) 弱小貧乏チームといえば小口スポンサーの宝庫! でもチームのイザコザとともにどんどんやめてっちゃうんだけどモナコの時はまだメッキが剥げ切らなかったのかいろいろと貼ってある。 とはいえ、あまりのマイナー故なかなかわかんなくて苦労したわ。 ・夕刊フジ(ノーズ先端):言わずと知れた「オレンジ色のニクい奴」 ・FAAC(モノコック上):ビバリーヒルズなどでお馴染みのお屋敷自動門扉システムの会社 ・レオーネ・ドナザン(フロントウィング、リア翼端版):電気モーターの会社 ・ファギオラッティポンプ(フロントフラップ):水中モーターの会社 ・テウコ(フロント翼端版、モノコックサイド):浴槽、浴室機器メーカー ・エレッセ(エンジンカウル):スポーツアパレルメーカー ・ビエッセ(エンジンカウル):木工機械 ・ウルビス(サイドポンツーン):土地開発 ・アナベラ・ペリッチェリーア・パヴィア(サイドポンツーン):毛皮服飾メーカー ・マーゼジェネレーター(サイドポンツーン):発動機メーカー ・ブルーボックス(サイドポンツーン):空調設備メーカー ・イグツィ―ニ(リアウィングフラップ):照明機器メーカー ・アジップ(ノーズ、リア翼端版):ガソリン リア翼端版のアジップ(左側だけ)が取ってつけた感満載、サイズも合ってないし。 レオーネ・ドナザンのロゴマークに被って貼られてんのもスパーク工場のミスじゃなくて実車どおり。 もしかすると翼端版に亀裂が入っててひどくならないように貼ったんじゃね? そもそもロベルト・モレノのインタビューによれば、モレノのコネでエルフの特殊燃料を分けてもらってたらしいけど、それでアジップのロゴは流石にねえよなあ。 そんで夕刊フジ。 なんでよりによってアンドレア・モーダ? きっとF1に近しいブローカーとやらにいいようにぼったくられたんだろうねぇ。 大枚払ったのにマシンは一向にテレビに映らず(笑)こんな筈じゃあなかった、と。 おなじグループ会社なんだから、フジテレビのF1関係者から情報とってからスポンサードしなさいよ。 まあ、それくらい日本企業は欧州のレース関係者にとっては赤子の手をひねるくらい簡単にダマせるってことなんだろね。 この時期にブローカーにホントにいいようにされちゃったんで、一般企業にとってはレース関係者イコール胡散臭い輩ってイメージが抜けないんだな(笑) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2021.07.29 21:24:09
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