studio PINE SQUARE

2021/07/29(木)18:02

本体以外全部ダメ(ディーノ 246GT)

ルマン24h(144)

​ ガキの頃の大ベストセラー本っていったらば何だろか? 時代的には1970年代ってことになるんだが、小松左京「日本沈没」と五島勉「ノストラダムスの 大予言」なんじゃねーかなぁ、と。 いやいや他にだって「坂の上の雲」「かもめのジョナサン」「限りなく透明に近いブルー」「人間の 証明」「不毛地帯」「アルキメデスは手を汚さない」「八甲田山死の彷徨」、それこそクルマ好きならば 「間違いだらけのクルマ選び」だってあるやん。 とはゆーものの、オンタイムであーだーこーだと、ガキはガキなりに細かい事は判らないなりに 仲間うちで話題にしたのは、圧倒的に「日本沈没」と「ノストラダムス・・・」だった。 実際、他のはどれももうちょっとオトナになってから読んだんだよな。 ま~ちょうど第一次オイルショックと重なる時期で、世間一般がおおいにパニくってたから、 日本がなくなるとか世界が終わるとか、煽りに煽られちゃったってことだろう。  その「日本沈没」、日本推理作家協会賞と星雲賞に輝いているが、同じ時にパロディ小説である (しかも小松左京公認)筒井康隆の「日本以外全部沈没」も星雲賞(短編部門)を受賞してたってのを 知ったのは、随分と後のこと、つか最近。 ふざけたタイトルだが、意外と沈没した国々から押し寄せる移民問題とか、持てる者とそうでない者の 分断社会とか、時代が今に追いついたっちゅーか、イヤハヤなんとも、である。  そんなとっからネタのタイトルを持ってきたわけだが、ホント読んで字の如し。 本体は全然オッケーだけれど、それ以外が全部ダメダメってゆー。  これまた珍しく、(アイドロンの)ベース車両があったんでツーショット。 画像だとなんだが、アイドロンのほうがちょうど外板の厚さ分くらいちっちゃい。。。 日本製品とイタリア製品だから、なんとなく日本のほうが正しい縮尺なんじゃね?って思っちゃうけど どうなんだろうね。  それはともかく、やっぱスーパーGTやDTMみたいにベースと比べたら全然ちゃうやんけ! ってのと違って、見た目は一緒で中身だけちょいとイジってます的なマシンのほうが断然いいね。 だからグループ5(シルエットフォーミュラ)とかイキった兄ちゃんが元日に暴走するよーな 下品なマシンは大っ嫌いなのよ。 ルックスマート1/43 ディーノ 246GT "1972年ルマン24h 17位" #46 ジャン=ピエール・ラフェッチ / ジル・ドンシュー  見ての通り「白地に青は・・・」の一族なんだけれども、​キャデラックとは違って、 ブリッグス・カニンガム・チームのエントリーじゃなくて、ノース・アメリカン・レーシング・チーム (N.A.R.T.)からのエントリー。 N.A.R.T.は、ルマンを3度制覇したレーシングドライバーで、またフェラーリの北米代理店を 率いていたルイジ・キネッティが創設したレーシングチーム。 (ちなみにキネッティ・ショップの最初の顧客がなんとブリッグス・カニンガムだったんだってさ)  ルマンにはペドロとリカルドのロドリゲス兄弟らを擁して1958年から1981年まで参戦し、 65年にはヨッヘン・リントと250LMで総合優勝を果たしている。  まったくアメリカを意識してないイタリアンレッドのグレゴリー/リント組の250LM(’65)と、 イタリア色を排除してすっかりアメリカンなロドリゲス/バゲッティ組の412P(’67)と、 両方の中間カラーな246GT(笑) スポンサーさまが沢山ついてるのも特徴的。 フェラ―ド(ブレーキ)、シビエ(ライト)、BP(オイル)、コニ(ダンパー)、シクリ(消火器)、 インペカ(金属磨き剤)、トリコ(ワイパー)、今と違ってみんなクルマ関係なのがまたいーんだよ。    ディーノ246GTは、その名の通り2.4ℓV6エンジンをミドシップに横置き搭載した、 現在のV8ミドシップ群の始祖ともいえる。 当時フェラーリ・イコール・V12(前に置こうが後ろに置こうが)であったために、イメージ戦略上 別ブランドとして、このコンセプトの発案者であるエンツォの長男の名前をとって「ディーノ」とし フェラーリを名指すエンブレムの類は一切つけなかった。 とはいえ、オプションでフェラーリやカバリーノ・ランパンテのバッジが用意されていたというから、 結局「ディーノ」でも「フェラーリ・ディーノ」でもどーでもよろしいとゆー、如何にもイタリア的な 扱いが現代ではオーソライズされてる。 個人的には、エンツォが夭折した息子の名前をどーしても後世に残したくて名付けたじゃねーかと 思うんだけどね、エンジンの気筒数がどーたらとか関係なく、ね。  フレンチドライバーの二人については、掘ってもたいしたエピソードが出てこねー。 困った時の「レーシングスポーツカーズ」ウェブサイトで調べても、有名どころのレースリザルト としては、ラフェッチは74年にポルシェで12位、ドンシューはこの246GTがベストリザルト。 一応プロドライバーであるようだけれど、現代のドライバーカテゴライゼーションに無理くりに 当てはめれば、まあまあよく言って「ブロンズドライバー」って感じ?  さて、このモデル最大の問題点。 アイドロンのロードバージョンより一回りデカい、なんてのは実はたいしたこっちゃない。 一番の問題は、このクルマ、1972年のルマンに出てんのに、  外装も内装も何故か「1976年ルマン」ってことになってる。 ’76年なんて、新規にシルエットフォーミュラやらナスカーやらが大挙出場することになって、 もはや小型小排気量が入り込む余地なんかない時代なのに。 そんなこたぁ、チョチョっと調べりゃアホでもわかることなのに、なんで本場欧州のメーカーが 気がつかんのかね? それをまた(当時のディストリビューター)京商が、なんも考えないでホイホイ出荷しちまう。 考証ミスには厳しい目で接してるが、こんなアホみたいな凡ミスは珍しい。 発売当時(13年前)に叩かれたかどうか知らんが、ブツのほうがまずまずの及第点なのに こんな下らないことでミソがつくのは許せんね。 つか、腐してんのは、おめえぐらいなもんだろってか?(笑)​

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