星空のドライブ(マクラーレンF1GTR)
ぶっちゃけ、本稿のタイトルは「吹けよ風邪、呼べよ嵐」でも「原子心母」でも「虚空のスキャット」でも「狂ったダイアモンド」でも「あなたがここにいてほしい」でも良かった、ピンク・フロイドの曲名であったなら。ま、ここで紹介するのが夜を徹して走るル・マン出場車だから「星空のドライブ」に落ち着いた次第。ちょうど1972年のオリジナルネガフィルムをレストアした、ピンク・フロイドのイタリア・ポンペイ遺跡でのライヴが円盤化されることだし、実にタイムリーだ(自画自賛)笑。ちなみに「狂ったダイアモンド」は、今では「クレイジー・ダイアモンド」と言うらしい。ダイアモンドとは精神を病んだ元メンバーのシド・バレットのことで、「精神疾患イコール狂った」とはコンプラ的にまずいというレコ倫の配慮だろうか。しかしクリムゾンの「21世紀の精神異常者」もそうだが、邦題だけソフト表現にしたところでって思うけどな。スパーク1/43 マクラーレン F1GTR1998年ル・マン24h 4位#40 スティーヴ・オラーク / ティム・サグデン / ビル・オーバーレン グループCが瓦解して市販車ベースのGT1車輛がル・マンの主役に躍り出た1995年、天候を味方につけて優勝を果たしたマクラーレンF1GTRも、デビューから4年にもなると戦闘力は右肩下がり。もともとレースを想定して作ってないんだから、あれこれいじってもアップデートには限りがある。その間にライバルはお金をかけて、いつの間にか「市販車プラスアルファ」のはずだったGT1車輛を「市販車ルックのプロトタイプ車輛」に捻じ曲げて参戦しだしたのだから、戦闘力が下がるのは当然だ。95年には諸手を挙げたマクラーレンの使い手も年々減少して、98年はついに2台。 いずれもガルフ・チーム・ダビドフ・マクラーレンからのエントリー。フランスはタバコ広告規制の先進国だからダビドフ・タバコのカラースキームが車体のどこにもないのは分からんでもないが、ガルフすらないのはどーゆーわけなんだろうか? それはそれとして#40号車。戦闘力低下の中、トップから8周遅れとはいえポルシェ911GT1とニッサンR390GT1の間に割って入っての4位は大金星といってもいいんでないかい? にもかかわらずこれまで手にしてなかったのは、ひとえに知らねえドライバー陣に知らねえスポンサーだなぁってことでイマイチ食指が動かなかった。最近スパークからF1GTRが発売され出して、それらはすでにミニチャンやらhpiなど他社品を入庫済みなのでスルーしたけど、スパーク品もひとつ揃えておきたいところに#40号車が出た、と。でもってあらためてドライバーを調べてみたらば、なんと!スティーブ・オルーク、ピンク・フロイドのマネージャーだった。ということはEMIはレコード会社のEMIだったのね、とゆーことで(イクソのお買い得中古品も多々あるなかで)ポチっと予約。なんか黒一色のロックタイトに比して、だせえカラーリングにだせえスポンサーロゴと思ってたのが、ピンク・フロイドのひとことで手のひら返しとは、なんとも現金なもんだ(汗)。左からミニチャンプス、イクソ、hpiレーシング、スパークと(ショートテールではTSMも)メジャーなミニカーブランドからモデル化されてる幸せな一族。