2009/05/05(火)22:02
耳に残るは君の歌声
◇◆◇ 2004/09/03 に書いた日記を基に再編集しました。◇◆◇
耳に残るは君の歌声 を検索!
2000年【米】The Man Who Cried
サリーポッター 監督
『内容(「BOOK」データベースより)
ロシアの貧しい村に育ったユダヤ人少女フィゲレは、アメリカに渡った父を追い、国を出る。しかし運命のいたずらか、船はイギリスに到着してしまう。名前も言葉も奪われ異国の地で成長する少女。残されたものは、その美しい歌声だけだった。やがてパリでコーラス・ガールとして働きだしたスージー(フィゲレ)は、野心的な同僚ローラ、天才オペラ歌手ダンテ、ジプシーの青年チェーザーと知り合う、交錯する人々の思いと欲望、そして鳴り響く美しい音楽の調べ…。クリスティーナ・リッチ、ジョニー・デップ、ケイト・ブランシェット、ジョン・タトゥーロという演技派俳優陣を迎え、戦争の暗い影が忍び寄る1930年代を生き抜いた人々の葛藤を、美しい映像で切り取ったサリー・ポッター会心の1作。
』(Amazon.co.jpより)
多感な少女時代に心を閉ざして過ごす様子、ジプシー(ロマ人)の青年(Jデップ)との情熱的な恋、生き別れの父を探し当てる・・・どれもが淡々と描かれていて少し拍子抜けするほどだが、ヴェルディのオペラや真珠採りの唄、美声揃いのジプシーのおじいさん達の歌声で彩られ、行間を読ませるというか、かえってドラマを感じさせるような気がした。
セリフも言葉すくなで、暗黒のつらい時代をシンプルな映像だけで表現しているという感じ。いくらでも重く激しく饒舌に表すことができるだろうに、
あえてシンプルに描いているのだろう。
そのせいか、そこだけ遅回しで撮られたジョニデの「白馬の王子」登場シーンなどが際立ち、
別れの晩に眠るクリスティナリッチを抱き声も立てずに嗚咽するジョニデとか、
客船のプールで泳ぎながら人知れず泣く(たぶんそう見えた)間に爆撃で海の藻屑となる踊り子ローラ(Cブランシェット)とかのシーンが印象深く残る。
活劇とかわかりやすい感動とかを観る前に期待して観ちゃうとがっかりするかも。
ラストはあっけなく終わるのがつまらないと言う人も多そうだが、ワタシはあれがいい、と思う。