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カテゴリ:玄奘_三蔵法師と西遊記
前回の続きを・・・
◇「お師匠さまが来たぞー!」というばかでかい声。 「あれはきっと、山のふもとの石箱のなかにいる大ザルです」 伯欽がいうところによると、この大ザルは・・・ 「この山は、むかしは五行山と呼んでいたのですが、わが大唐が西方を 征伐して国を定めてからは、両界山と改めたのです。 さきごろ古老からきいたことですが、王莽が漢を簒奪したとき (後九~二五)、天からこの山が降ってきて、その下に一匹のサルを 押さえ込んだのだそうです」 ・上記の文は中野美代子訳の西遊記に記されているものですが・・・ 岩波少年文庫の西遊記(伊藤貴麿訳)には、以下の様に記されています。 「この山はもと、五行山といいましたが、大唐の天子さまが西の国を征伐 されたとき、両界山とあらためられたのです。なんでも五百年まえ、 漢の王莽が天下を横取りしたとき、この山は天からふってきて、 一匹の不死身のサルをおさえつけたのだということです」 さらにこの王莽について注釈が・・・ ※中国では、上に暴君やにせ君子が立っているときには、 あやしい天変地異がおこるといわれている。 この王莽は天下をうばった有名なにせ聖人であるから、 こんなとき作者が、悟空のような妖仙をあばれさせたということは、 おもしろいことである。・・・と・・・ ・作者は呉承恩ですが前漢と後漢の間に、たった17年だけで終わった 「新」の王莽を出して来たのは興味深いですね。 中国の歴史の中で王莽は本当に悪い奴だったのですね。 ◇さて、ここで三蔵法師は悟空を石箱から助けだすために五行山のてっぺんの 四角い大きな石塊に貼られているお札を、お祈りをして剥がしました。 お札に書いてあった金文字は、 「?・嘛・?・叭・迷・吽(おん・まー・に・ぱど・めー・ふーん)」です。 このお札については次回で・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011年05月25日 22時33分34秒
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