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テーマ:国を憂いて(3492)
カテゴリ:憂国の嘆き
日露関係
【朝日新聞 土佐記者】一部報道で、ロシアのメドヴェージェフ首相が択捉島を訪問する計画を立てているという報道がありますけれども、これについて受け止めをお願いします。 【玄葉大臣】報道ですから、さまざまな情報に接しています、さまざまな。その上で、あえて一般論として申し上げれば、ロシアの政府要人が北方四島を訪問するということは我が国の領土問題に関する立場と相容れないと。昨日、官房長官もそのようにコメントしていたと思いますけれども、私(大臣)はこの問題について、今のところそれ以上のこと言うつもりはありません。 以上外務省HP昨日の外相記者会見より抜粋引用 なんとも無機質な質疑応答であろう。 外相は来月下旬にもロシア・モスクワを訪問することで調整段階に入っているはずである。それが来月はじめにメドベージェフ首相がわが国固有の領土たる択捉島に不法上陸する構えを見せている以上、この外交日程に支障があるかどうかを尋ねるのは当然であろう。勿論外相は「仮定の質問には答えられない」と答弁するものとは思うが。 メドベージェフ首相がまたクリル諸島の訪問を推進 2012年06月26日08時28分 [中央日報/中央日報日本語版] 日本とロシアの領有権をめぐる争いが再び緊張局面を迎えている。 ロシア極東の地域通信社の「サハリンインフォ」は24日、「ロシアのメドベージェフ首相が来月2日にウラジオストクを経てサハリン州とクリル諸島のイトゥルプ(日本名:択捉島)を訪問する予定だ」と報道した。朝日新聞など日本の新聞も一斉にこうした事実を迅速に伝えた。 メドベージェフ首相は2010年11月にもソ連およびロシアの最高指導者として初めてクリル列島のクナシル(日本名:国後島)を訪問した。メドベージェフ大統領(当時)は「クリル列島の4島はロシアが実効支配する領土であるだけに(日本側の領土返還要求には)決して応じることはできない」としてクナシル訪問を強行した。日本の菅直人首相(当時)は「許し難い暴挙」と猛非難した。 こうした点を意識したように日本の藤村修官房長官はこの日の記者会見で「ロシア政府要人の北方領土(南クリル諸島の日本名)4島訪問は領土問題に関するわれわれの立場と相反する。これ以上コメントしない」とし不快感を示した。 日本政府は「後頭部を殴られた」という反応だ。19日にメキシコで開かれた主要20カ国(G20)首脳会議でロシアのプーチン大統領と日本の野田佳彦首相は、「静かな環境下で(領土問題交渉関連)議論を進展させられるよう両国とも外交当局に指示する」という合意文まで発表した状態だったためだ。ともに柔道愛好家の両首脳は当時相手方の国家代表チームの柔道着を贈り合い和やかな雰囲気だった。 プーチン大統領の積極性に期待感を持って領土問題交渉の成果を期待した日本政府ではメドベージェフのイトゥルプ訪問が大詰めで取り消しになることだけを期待する雰囲気だ。 韓国紙「中央日報」日本語版より引用 わが国新聞ではなく、なぜ韓国紙を引用したのか。それはわが国との間に「竹島」問題を抱える韓国がこれらの動向を注視している。さらに韓国は北方四島をロシア領と考えている(島名表記にそれが示されている)ということを知っていただきたいからである。 またメドベージェフ首相が択捉島に不法上陸することを阻止しえず、新たな規定事実を重ねる結果となれば、韓国は新たに「竹島」に対する規定事実を積み重ねようと試みるであろうことを示唆したいがためでもある。 私は、先日行われた日露首脳会談に対して「ロシアの姿勢は今後いたって厳しくなることをまた予感させるものとなろう。」と書いた。その予想が、早くも現実のものとなったように感じる。 ロシアは、首相を交渉相手とみなしていないとは思わぬが、現状首相の重大関心事は内政すなわち「消費税増税」にしかないと感じているのであろう。となれば、同法案可決までは、なんら新たなアプローチも何もかけてはこない。ましてやロシアと関係悪化などすれば、さらに内閣支持率は低下し、「消費税増税」にまで悪影響を及ぼすそう見切られているのであろう。 ならば、現状において既成事実を積み重ねるとともに、われわれ国民に期待値を下げさせようとするという思惑を働かせてしまったとみてもあながち誤りとはいえぬと思う。しかも今回は国後島ではなく、択捉島であるまず、四島ではなく三島から交渉を始めるべきなのだというロシアの意図とも見て取れる。 これほどまでに虚仮にされているというのに、外相は「怒り」を示さない。現状日程調整している自らの外交日程にも影響するであろうし、首相のAPEC参加にも影響を与えるものである以上、わが国として相容れないやそれ以上コメントしないなどという態度では外交にはならない。 まあこのような人物を外相に指名していること自体が、わが国は外交には関心がないのだと見られることとなる。森本防衛相任命によって、防衛問題に対する、ロシア、シナの挑発行為は私は減少したように感じる。このような人物評価によって、大きな差異が出ることを認識してもらいたい。 「尖閣諸島」に関する無関心さ、無責任さこれが、北方四島とも関連していることをぜひ認識すべきなのである。 ロシアは、どのような報じ方をしているのか。もう少し考えてみるがよい。そして丹羽シナ大使閣下の発言と比較してみるべきであろう。 ロシア外務省 南クリル諸島への指導部訪問に外国のコメントは不適切 26.06.2012, 10:25 ロシア外務省は、同国指導部の南クリル諸島訪問に対する外国からの不適当なコメントについて再び声明を表した。 ロシア外務省の声明は25日日本のマスコミ報道で、同国の公人がロシア指導部が「懸案の領土」に行う訪問について、いわゆる「領土問題」に対する日本政府の立場と矛盾すると発言したことを受けて出されたもの。 ロシア外務省のサイトに掲載された声明には、「南クリル諸島はロシア連邦の不可分の領土である」ことが強調され、このことから諸島にロシアの公式的な代表者が訪問することはロシアの内政問題であるとの立場が示された。 日本は1855年に結ばれた日露和親条約に照らして択捉、国後、色丹、歯舞の4島の領有権を主張している。これに対しロシアは南クリル諸島は第2次世界大戦の結果、ソ連邦の構成体に入ったとする立場をとっており、同諸島に対するロシアの主権は国際法にしたがったもので、疑いの余地はないとしている。 インターファックス通信。 以上ロシアの声より引用 ロシア外務省は、丹羽大使のように「択捉を訪問すれば、日本と重大な問題が起こる」このように発言したのか???万一、駐日本国ロシア大使がそのようなことを口走れば、即刻償還していたものと思われる。 これが、外交であり、外交センスなのである。 わが国が、丹羽大使に対してとった大甘処分は、「事を荒立てることだけを回避する」そのように国際社会には移ったのである。これ敵対する国家に対するメッセージだけではない。米国は「尖閣を意識した」発言をシナ漁船衝突事件以降何度か繰り返してきた。これに対する背信行為であり、日米同盟の遠心力ともなるものである。G20で立ち話しかできなかった首相は、自らおかれた立場というものさえ理解できていないのであろう。 また同盟というものの怖さも国賊鳩山の例を見ても学ぶことすらできなかったのであろう。最重要の同盟に対して、信頼が薄らげば、対外的に弱くなるだけではなく、国内においても支持が急降下し、持たなくなるのである。短命に終わるこれは別に日米同盟に限らず、英米同盟においてもなのである。 米韓同盟をないがしろにした韓国が、国内基盤を失い、結果として政権交代にいたった事を見ても明らかであろう。 これは、対外的に首相は内政問題すなわち「消費税増税」にしか関心がないと考えられている。この影響をもっと自覚すべきである。 外交音痴は、もともとそういわれていたのであるから、首相の常套句ではないが「しっかりと」「不退転の覚悟」を持って行うべきものであっただろう。 「柔道愛好家」がすべて「親日家」とでも考えていたのであろうか。 「はじめ」の声がかかったとたん、足元をすくわれる。無様である。自らが「はじめ」の声をかけたならば、仕掛けるのはわが国のほうでなければならないのである。 国民は、また失望させられたが、今回はあまりにも失望させられ続けたがために、反応が鈍くなっているように見える。これこそが、民主党政権の最大の問題であり、「またか」これは内政においても裏切り続け、それでもなおかつ進展はあったと強弁していることからも不感症にさせられているのである。 一日の民主党の延命は国益を害することでしかない。「消費税」は重要であり、必要不可欠な問題である。従って、この間は国民は我慢すべきであろう。だが、外相は即刻更迭すべきである。さらには丹羽大使閣下の改めて召還を求めたい。 文責 上田 和哉 文責 上田 和哉 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2012.06.27 12:29:45
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