きらら

2007/09/26(水)22:28

「反自殺クラブ」 石田衣良著

読んだ本(81)

ウエストゲートパークシリーズ第5弾。 その時々の風俗やニュースが元になっているこのシリーズ。 私は文庫化されてから読んでいるので、そういえば似たようなことあったかも、って 思いながら読んでます。 ”果物屋のマコト”くんのところには、あいもかわらず事件が持ち込まれ、 自ら巻き込まれ、でもオトモダチの力も借りればマコトくんは今や池袋では 解決できないことなどない、向うところ敵なしの池袋最強の男。 都合がいいという人もいるでしょうが、これはこれまでのシリーズで作ってきた マコトの人望、人脈。すっきりと終ってくれるところが好きです。 ・・・事件事態は悲惨だけど。 「スカウトマンズ・ブルース」  風俗スカウトの天才タイチ。彼を慕うあまり、風俗で働こうとした女の子が悪徳  プロダクションの罠にはめられた。  マコトのバックには警察、Gボーイズ、ヤクザの若頭サルがついているので、  解決は超すっきり。現実もこうだといいんだけどね・・・。 「伝説の星」  冒頭から「波の上の魔術師」かぶってる?? という印象のまま、株の話は出て  こないけれど、それ系です。 「死に至る玩具」  世界の工場、中国。消費世界を支えるため、どんな納期にも間に合わせようと過酷な労働  を強いる工場、そして黙認する政府。  日本に輸出する製品を作っていた工場で死んだ姉のために、輸入元である日本企業に  単身談判にきた小桃を救ける話。  最近では、中国製品の安全性が問われ、かげりもみせつつありますが、政府は強気です  から。この先も問題起こすんじゃないでしょうかねー。 「反自殺クラブ」  一緒に自殺してくれる人を募るサイトで、次々と集団自殺をプロデュースしている  ”スパイダー”退治を「反自殺クラブ」のメンバーに依頼されたマコト。  一時連鎖的に起こった、見知らぬ人たちが練炭などで自殺するニュースが元だと  思うのですが・・・最近、あんまりきかないけれど、今もどこかで起こってて、  あまり表に出なくなっただけなんでしょうか。  このテーマ、難しいです。死んじゃだめだ、とか、生きていればいいことがある、  って言葉、全く説得力ないですし、いいことがあるから生きているのか、って、  そうじゃないとも思うし。  どうでもいいですけれど、自殺を「スイサイド」と表記していたのがちょっと、発音  からして違和感でした。  自殺、という日本語だとずとんと頭に入ってくるから、避けたのかな?  ちょっとかっこつけすぎな気がして、変な話、美化しているようにも見えちゃいます。  次は、ネットで犯罪仲間募る話とか、来るかな。

続きを読む

総合記事ランキング

もっと見る