ピポ子は、いきあたりばったり！

震災前、フリーマーケットに参加したの。今回は2回目なので状況も掴んでいたし、余裕を持って参戦できたわ。前回は海風が強くてディスプレイが飛んでしまったので固定紐を多めに用意、ハンガーも柵にはめやすいサイズをチョイス、値段設定は低くないと売れないので高価な品物は持ち込まない、化粧品も数点は置くようにする、等の反省点を踏まえて準備開始。

周囲はファミリー参加が多く、凄くアットホームな雰囲気よ。テキパキと準備をしていると、隣にいた男の子が「うわ、手慣れてるなあ。」とつぶやいていたので気恥ずかしい気分になってしまった。本日の目標額は決めていたので、それがクリアできるまでは帰らない・・と心に誓いディスプレイを作成していると、テレビ局のクルーが現れ、いきなりのインタビューよ。「かなり慣れてらっしゃいますね。売れ行きはどうですか？」また何故か慣れていると思われている・・それなら逆手に取ってやると思い、いつもの調子で対応したわ。

こういう時ってやはりアーティストの性なのね、対応が慣れているから新鮮味を無くすと面白味が無くなる・・的確に答える事と新鮮さ、そのさじ加減を考えてる自分が何だか寂しくなってきちゃった。でもその後は素敵な女性が次々に登場し、ピポ子の服は飛ぶように売れてしまったわ。不思議なことに洋服達は似合う人の所にきちんと嫁いでいったのよ。きっと彼らは自分の意志で主人を選んで行ったんでしょうね・・そう考えると凄く愛おしくなってしまったわ。

午後になると客足がやや減少してきたので、スケッチブックに落書きして値段を描くと、何と絵を見て立ち止まる人が急増。隣にいた男の子も友達を連れてきて、絵が欲しいと言い出したので皆に差し上げちゃった。でもそのお陰で若い彼らと最近の漫画やゲームの話が出来たり、ご両親達とベイエリア界隈の情報交換、はたまた料理屋を経営される女将さんや去年服を買ってくれたお客さんに声をかけて頂いたりと、ありとあらゆる人達との輪が出来上がったのよ。

落書きがきっかけでこんなに沢山の人と縁を持てたというのは本当に嬉しい事だわ。仕事疲れで寝不足だったけど、目標額も達成したし、それ以上に皆さんの笑顔やパワーを沢山頂けて本当に充実した１日になったの。フリーマーケットはものを売るのではなく、素敵なものを沢山頂いたり差し上げたりするエネルギーの交換会なのだと確信したわ。経済の活性化、そして義援金を募る為にもどんどん各地で開催して欲しいものね。