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カテゴリ:読書
さびしがりやのロリフェラトゥ(イラスト完全版)
さがら総(著) 小学館ガガガ文庫 ![]() 最近、「クズと金貨とクオリディア」を読了したので、さがら総先生のラノベをもう一冊。 こちらは、日常的に級友に暴力をふるう女子。その描写はハンパなく、これはひょっとして救いのない物語なのか、と思われる。そして、一方的に暴力を振るわれる男子。いじめられっ子を主人公にしたいじめ小説なのか?小説家を夢見る天然少女。つぎのいじめの標的は彼女か? だが、それぞれの一人称パートの記述は、読めば読むほど微妙に噛みあわない。 そこに混じってくる、吸血鬼の少女のものと思わえる独白。それも、狩られることを恐れる、臆病な吸血鬼の独白。 いったい、これは、どんな事件が、進行しているのだ? 結局のところ、謎は最後まで明かされない。 吸血鬼を狩るモノが一体何なのかも、読めば読むほどよくわからない。 謎な事件が進展し、その事件の進展の中で、それぞれ謎に包まれていた少年少女たちの関係性が、当初誤解していたものではなかった(かもしれない)ことが仄めかされる。 そういう、叙述トリックに満ち満ちた、「仄めかし型」青春ミステリーラノベ、なのである。作品の雰囲気が、(全体像が明かされないまま怪異が進行するという点において)ブギーポップシリーズと、似ているかもしれないので、それが好きな人にはおすすめ。 ただしさがら先生のほうが、はるかに、それぞれの登場人物の心理描写については、細やかで、濃い。 ブログ村でさがら総氏の文学ブログをもっともっと探してみる(たぶんないとおもうけど) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2015.08.31 22:51:30
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