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2016.09.02
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カテゴリ:読書
さてこの8月は、小説家やクリエイターが主人公のライトノベルをかなりたくさん読んだので、それについてまとめてメモを残していきます。まずは

異世界作家生活 女騎士さんと始めるものかきスローライフ

こちらは、封神演戯1~3(封神演義を元ネタにした引きこもりオタクが頑張っちゃう美少女バトルコメディ)がとっても楽しかった森田季節先生の作品。設定としては、現世界とつながっちゃった異世界から、異世界に現実世界のサブカルチャーを広めるべく、特使がやってきて、カルチャースクールのライトノベル小説教室の講師に、若手ラノベ作家を拉致して連れていく、というお話。「異世界に現実世界のサブカルチャーを広める」というあたりの設定が榊一郎氏の「アウトブレイク・カンパニー」とかぶるといえばかぶるけれども本質的にはもっとのほほんとしたお話し。で、なぜか、ラノベ小説家の主人公が、もてまくる。こういうのは、いい。

【全1-3セット】魔導書作家になろう!

岬鷺宮氏のライトノベルを読むのは今回が初めて。「失恋探偵ももせ」というのが代表作らしい。読んでいない。なのに、なぜか、ぴんと来たので3巻セットを買ってしまった。で、こちらは、異世界x小説という組み合わせは上と同じだけれども、ラノベではなく、魔導書。主人公は、魔力が弱いので魔術師の道を断念した、魔術師一族の三男坊で、その世界でようやくブームになりつつあるハウツー本「魔導書」作家として、危険な現場への取材を繰り返すことになる、という話。ちなみに、ピンク色の髪をした美少女が担当編集として、一緒に笑い、一緒に泣きながら、取材に明け暮れます。そのうちクール美人なエルフ校正とか、肉感的ダークエルフイラストレーターとかが、常連メンバーに加わり、主人公を中心とした王道ハレムがぁ!!

小説の神様

作者の 相沢沙呼さんは「午前3時のサンドリヨン」で、テーブルマジックの名手の美少女を探偵に据えた青春ミステリーという、ユニークな新境地を開拓した人。二作目の「ロートケプシュンこっちにおいで」も読んだ。ただし、叙述トリックがきつすぎて、やや趣味にあわなかった、そんかなんじ。

で、この小説は、といえば、高校生兼業作家(ライトノベルではなくたぶん純文学の高校生作家)ただしスランプ中、という主人公の彼が、「読まれない小説、売れない小説、読者に支持されない小説はくずだ」みたいな暴言をさんざん吐いて、転入してきた美少女同業者(ただし心の傷を抱えて絶賛スランプ中)を深くふかく傷つける、というボーイミーツアガールな話。もちろん、本人は本人で、自分の暴言に自分で傷つく、あ~いやだいやだ。さて、この二人、今後どうなっちゃうんでしょうか?最終的に、読後感はさっぱりするようなハッピーエンドにはなっていますが・・・

傷つけあう男女をしっかり鋭くえぐるように描く。そういう描写の鋭さ、読んでいる際の心の痛みのようなものは、ラノベではめったに味わえないので、やはり純文学の筆の力はすごい、と思った次第。

マツリカ・マジョルカ ※ これは小説家とは関係ありませんが同時期に出た相沢さんの作品


気のいい地味な主人公が、ミステリアスでクールな美少女に、徹頭徹尾振り回される、というお話です。で、くどいほど、このヒロイン=美少女、という印象を、主人公目線で、男子高校生の青臭い妄想描写で修飾しながら、強調するのです・・・が。その強調はくどすぎるという感想を持った人はP以外にもいたようで、Amazonレビューで二巻「マツリカマハリタ」が、評されていました。その評価に流されたわけでもないのだけれども、2巻は買わないことに決定。

エロマンガ先生 6 山田エルフちゃんと結婚すべき十の理由 (電撃文庫)


エロマンガ先生 7 アニメで始まる同棲生活 (電撃文庫)


でもって、こちらは、「俺妹」のゴールデンコンビ、伏見つかさとかんざきひろが送る、妹をまもるために頑張りすぎちゃうお兄さんの話第二弾。タイトルを他人に見られるのだけがはばかられる、しかし、内容は素晴らしく面白い、「エロマンガ先生」の直近2巻である。で、主人公のマサムネは、これまではあまりぱっとしていなかったが、一念発起して執筆した最新作シリーズが軌道にのり、ちゃくちゃくと人気を博しつつある、という状況。そして先輩作家とかコミカライズの漫画家とか、クラスメイトとか妹のクラスメイトとか、アニメ脚本家とか、美人・美少女ばかりが主人公のまわりに集まってくる、というそういう流れのラノベです。

で、Pはこれを読むと、もし実在したら「爆炎のダークエルフ」というアニメがとてもとても見たくなる、という状態である。「爆炎のダークエルフ」は、作中に登場する隣家のラノベ作家山田エルフ氏の代表作でアニメ化もされた、ということになっているからだ。いったいこれはどういう話なのだろう、気になる。もう一つ気になるといえば、7巻に、超ロングパス伏線のように出てきた、その作中世界で伝説となっているアニメ「星くずウィッチ☆メルル」である。「俺妹」では、桐乃がファンではまっていたという、あれが、再び登場するのである。が、まあ、べつにこっちはあまり観たくない。もし実在するならば、「爆炎」一択である。

なお、近々アニメが公開されるらしい。

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最終更新日  2016.09.09 23:16:23
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