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2004/08/04(水)00:09

今日は・・・

今日は「乳癌の治療」です。 治療方法には、外科療法、放射線療法、ホルモン療法、化学療法があります。 1)外科療法 乳房にできたがんを切除するために行います。がん組織を含めた周りの正常組織を同時に切除しますが、切除される正常組織の範囲は乳がんの病期により異なります。一般的には、早い時期に見つかった乳がんほど狭い範囲の正常組織を切除するだけで済みます。乳がんの切除と同時に、わきの下のリンパ節も切除されます。これは乳がんの拡がりを検査し、術後の補助療法の必要性を決めたり、再発の可能性を予測するために行うものです。乳がんの手術には、次のような方法があります。また、乳房を切除する手術を受けた後のリハビリテーションについては「乳房切除術後のリハビリテーション」の項を参照して下さい。 (1)腫瘍核出術 乳房のしこりだけを切除する手術です。同時にわきの下のリンパ節の一部分を切除します。原則として手術後、残っている乳房に放射線照射を行います。 (2)乳房部分切除術 しこりを含めた乳房の一部分を切除します。多くの場合、乳頭を中心にした乳房の1/4を切除します。同時にわきの下のリンパ節の一部分を切除します。原則として手術後、残っている乳房に放射線照射を行います。 (3)単純乳房切除術 がんのできた側の乳房を全部切除します。同時にわきの下のリンパ節の一部分を切除します。 (4)非定型乳房切除術 乳房とわきの下のリンパ節を切除します。場合によっては、胸の筋肉の一部分を切除することもあります。この術式が最も一般的な乳がんの手術方法です。 (5)定型乳房切除術(ハルステッド法) 乳房と胸の筋肉、わきの下のリンパ節を切除します。かつてはこの手術方法が標準的手術方法として実施されてきましたが、現在ではがんが胸の筋肉に達している場合だけ行われます。 (6)乳房再建術 がんを切除する手術で失われた乳房を自分の筋肉または人工物を使用し形成する手術です。乳頭を形成することもできます。再建術を希望する方は担当医とよく相談して下さい。 2)放射線療法 放射線にはがん細胞を死滅させる効果があり、がんを治すため、またはがんによりおこる症状を防いだり軽くするために使われます。乳がんでは原発病巣に対してだけでなく、転移部位も放射線治療が行われます。放射線治療の方法には、大きく分けて2つの方法があります。ひとつはリニアック(直線加速装置)、コバルト60遠隔治療装置などにより、身体の外から放射線を病巣に照射する外部照射法です。もうひとつは、病巣に直接放射線を発生する物質を刺し込んだり接着させたりして治療する密封小線源治療です。病巣の場所、広さなどによって、よい方法を選びます。病巣周囲の正常組織にも放射線がかかるため、副作用が出ることがあります。 3)ホルモン療法 約3割の乳がんの場合は、女性ホルモン(エストロゲンと呼ばれる卵胞ホルモン)によってがん細胞の増殖スピードが影響されます。手術でとった乳がん組織中のホルモン受容体を検査することにより、女性ホルモンに影響されやすい乳がんか、そうでない乳がんかがある程度わかります。女性ホルモンに影響されやすい乳がんを「ホルモン感受性乳がん」、「ホルモン依存性乳がん」と呼びます。また、女性は通常50歳前後を境に卵巣の働きが衰えることにより、生理が止まり「閉経」を迎えます。ホルモン感受性乳がんの場合では、タモキシフェンというホルモン剤により女性ホルモンの働きが抑えられ、がんの増殖が抑えられます。閉経前の場合では、卵巣からの女性ホルモンの分泌を抑える黄体ホルモン分泌刺激ホルモン抑制剤を使用します。その他に、数種類のホルモン剤が使われています。ホルモン療法の副作用は一般的に極めて軽いのが特徴ですが、タモキシフェンの長期間使用者に子宮がんの発生が高くなるとの報告もあります。 4)化学療法 抗がん剤(制がん剤)には、内服薬または静脈注射薬があります。化学療法はがん細胞を死滅させる効果があります。しかし、がん細胞以外の骨髄細胞、消化管の粘膜細胞、毛根細胞などの正常の細胞も強く影響を受けるため、白血球、血小板の減少、吐き気や食欲低下、脱毛などの副作用があらわれます。 治療は病期、年齢、閉経状況、ホルモン受容体の有無、健康状態により異なります。状況に合わせた最善の治療を「標準的治療」と呼びます。ただし、標準的治療は「完全な治療」ではなく、すべての場合が標準的治療によって治るわけではないのです。今までさまざまな治療方法が考案されましたが、それらのうちで現在、標準的治療とされるものは「臨床試験」という方法で比較検討されたものです。世界中で乳がんに対してのよりよい治療を開発するために「臨床試験」が常に行われています。乳がんになった場合は、「現在の標準的治療」を受けるか、「臨床試験中の治療」を受けるかのどちらかになります。 このページの先頭へ  各種がんの解説の目次に戻る -------------------------------------------------------------------------------- 6.病期(ステージ)別治療 0期 非定型乳房切除術または乳房部分切除術と放射線照射を行います。組織型の違いにより、手術方針が異なる場合もありますから、専門医とよく相談して下さい。 I期 次のうちのいずれかの治療が行われます。 乳房温存療法(腫瘍核出術または乳房部分切除術)を行い、わきの下のリンパ節を検査のため切除します。手術の後、放射線照射を行います。 非定型房切除術を行います。 II期 次のうちのいずれかの治療が行われます。 乳房温存療法を行い、わきの下のリンパ節を検査のため切除します。手術の後、放射線照射を行います。 非定型乳房切除術を行います。 定型乳房切除術を行います。 IIIa期 次のうちのいずれかの治療が行われます。 非定型乳房切除術、または定型乳房切除術を行います。 手術の前後に放射線照射を行うこともあります。また、手術の前に化学療法やホルモン療法を行う場合もあります。 I期からIIIa期では、手術で切除された乳がん組織の検査(大きさ、ホルモン受容体の有無、組織型など)、わきの下のリンパ節への転移の状況、閉経の状況などにより、手術後補助療法として化学療法、ホルモン療法が行われます。原発病巣手術の時に同時に切除したわきの下のリンパ節を顕微鏡で調べ、転移のあるリンパ節がいくつあるかによって手術後の補助療法の内容を決めたり、再発の可能性を予測することが一般的に行われます。 IIIb期 非定型乳房切除術、定型乳房切除術が行われる場合もありますが、しこりが大きく切除が難しい場合には、原発病巣に対してがん組織の性格を調べるため生検を行います。鎖骨の上のリンパ節がはれている場合も生検を行うことがあります。化学療法、ホルモン療法、放射線照射が治療の中心となります。炎症性乳がんの場合も同様です。 IV期 原発病巣や転移病巣の生検を行います。化学療法、内分泌療法、放射線照射が治療の中心となります。 原発病巣治療の後 手術後の補助療法の間や終わった後は、一定の間隔で一定の期間、通院することになります。この時には体調の変化、再発のきざしなどを担当医に知らせて下さい。担当医の診察や血液検査、レントゲン検査などが行われますが、これらは再発の有無を調べるためです。 再発 乳がんを手術をした場所やその近くだけに再発した場合には、その部分だけを手術で切除したり、放射線治療をすることもあります。遠隔転移や再発が認められた場合には、通常ホルモン療法や化学療法を行い、全身に散らばったがん細胞が増えるのを抑える必要があります。進行乳がん、再発乳がんでは、いくつかのホルモン療法剤や化学療法剤を組み合わせて1年以上にわたり治療を続けます。これは、病気を完全に治すことはできないのですが、転移によって出る痛みなどの症状を和らげ、なるべく日常生活を支障なく送れるようにすることが目的です。痛みや骨折、神経圧迫の危険のある骨転移部位や、脳転移に対しては放射線治療を併用します。また、がん性胸水、腹水により呼吸困難や腹部の張りが強い時には、針を刺して水を抜くこともあります。首の周りやわきの下のリンパ節に転移が疑われる場合に、確定診断をつけ、がんの性質を検査する目的で切除手術が行われる場合があります。これを生検と呼びます。骨転移により神経が圧迫されたり、骨折した場合には整形外科的手術が行われます。また、脳に転移した場合に手術が行われることもあります。

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