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カテゴリ:劇評
現在形の批評 #15(舞台)
大阪・精華小劇場で上演された芸術創造館の企画「第6回クラシックルネッサンス」のリーディング公演観劇メモ。 ★クラシック=古典・近代戯曲 2・3月上演予定の4作品の内、村山知義『広場のベンチで』(昭和2年)と岡田禎子『夢魔』(昭和4年)をそれぞれ30分ほど。 ★リーディングとはそもそも何が目的なのか。 1新作戯曲の発表会 2実験的作品の試演会 いずれにせよ観客の批評を得、じっくり時間をかけて演劇はもちろん人間と社会総体についての思考を深めるため。 ★村山知義『広場のベンチで』 ○台本片手にひたすら演技に没頭する。 ○動きはほとんどない。なぜならリーディングだから。 ○戯曲をチラチラ見ながら、覚えている台詞はそらで発語。 ○そのため目線が定まらない。リーディングといえばリーデングだが、稽古場を見ているよう。本来のリーディングが成立していない。 岡田禎子『夢魔』 ○発語は椅子に座り「読む」、これだけに集中。無用な感情表現はなし。 ○音響、照明の演出あり。 ○戯曲を骨子にして、それに関連する大枠の世界を創出していた。つまり、戯曲表現ではなく、「リーディング」としての演出が勘案されている。 ★2作品の違い。それは、戯曲の紹介に留まるか、小作品にまで昇華させたかの違い。 本公演を観るとすれば『夢魔』。展示会的な催しにも佳作は出来る。 ★作品上演後、今企画の演出者4名によるアフタートーク。 本番が先のこと故まだ分からないのだろうが、近代戯曲に挑戦することで一体自分達は何を実現させたいのか。自分達の劇団に還元すべき事/物は何なのか。 発展的な発言がいまいち聞こえてこない。これまでの劇団活動の連続性=公演記録が一つ追加されるに留まる感があり、それではちょっと志が低い。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Apr 11, 2009 03:00:58 PM
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