発達障害を持つ子供たちは、
一般的な「普通」や「当たり前」
によって生じるバリアで苦しむことがある。
例えば、授業中に静かに座っていることが難しい子供や、
行事やイベントに参加することが苦手な子供などが挙げられる。
同書は、そうした子供たちの「困った行動」が、
「困っているサイン」であるとして、
バリアを取り除くための具体的な方法を提案している。
同書の著者は、
安井政樹氏(札幌国際大学准教授)と
野口晃菜氏(一般社団法人UNIVA理事)。
「45分間静かに座っていなきゃダメ?」
「協調性ってそんなに大事?」
「学校に行かないと教育は受けられない?」
といったテーマに答えながら、
さまざまな子供のバリアになっている
身の回りの「普通」を
アップデートするためのアイデアやヒントを紹介する。
巻末には、Hey! Say!JUMPの伊野尾 慧さんと
きゃりーぱみゅぱみゅさんを交え、
「普通」
について語り合った特別座談会を掲載した。
さまざまな事例やケーススタディーを
マンガを交えてわかりやすく紹介した同書は、
学校での生活に困っている子供がいる保護者や
子供たちの多様性に合わせた
学級運営のやり方に悩んでいる教員、
クラスの中に
「困っている」友だちがいる子供の保護者に
お勧めの1冊となっている。
□著者プロフィール
安井政樹(やすい まさき)
札幌国際大学准教授 専門職修士(教職)
/札幌国際大学准教授/小学校教諭を経て、
2022年4月より現職。
文部科学省学校DX戦略アドバイザー、
NHK for School番組委員、道徳教科書編集委員、
Microsoft Innovative Educator Expert(MIEE)ほか、
全国の学校支援をしている。
単著に『特別の教科 道徳 指導と評価支援システム』
(東洋館出版社)、
共著に『道徳授業の個別最適な学びと
協働的な学び ICTを活用したこれからの授業づくり』
(明治図書出版)など。
野口晃菜(のぐち あきな) 博士(障害科学)/一般社団法人UNIVA理事 博士(障害科学)/一般社団法人UNIVA理事/戸田市インクルーシブ教育戦略官。
小学校講師、民間企業の研究所所長を経て、
現在一般社団法人UNIVA理事として、
学校や企業と協働しインクルージョンを推進する。
文部科学省新しい時代の特別支援教育の在り方に関する有識者会議委員、
一般社団法人日本ポジティブ行動支援ネットワーク理事など。
共編著に
『差別のない社会をつくるインクルーシブ教育』(学事出版)など。
□目次
この本の使い方~「困っている」人へ
第1部 学校の「ふつう」をアップデートする〔野口晃菜〕
第1章 学校で「ふつうじゃない」と言われる子どもたち
第2章 学校や身の回りの「ふつう」を見直そう
第3章 子どもの思いを大切にするかかわり方は?
第4章 子どもも大人も「ふつう」にとらわれないために
Column アップデートの必要性にどう気づく?
第2部 一人一人のバリアを取り除くために〔安井政樹〕
第5章 「困った子」は「困っている子」
第6章 生きづらさの原因は身の回りにたくさんある
第7章 協調性と多様性の間の溝を埋めるには
第8章 さまざまなバリアや無意識のバイアスに気づこう!
Column 駅のホームの風景からバリアを考える
第3部 座談会
井野尾慧(Hey! Say! JUMP)×きゃりーぱみゅぱみゅ×安井政樹×野口晃菜「“ふつう”ってなんだろう?」
□書誌情報 書名:『NHK for School「u&i」発達障害の子どもが「困らない」学校生活へ 多様な特性のまま、日常の「ふつう」を見直そう』
監修:安井政樹、野口晃菜
定価:1,815円(本体1,650円+税10%)
発売日:2025年2月25日(火)
判型:四六判 ページ数:208ページ I
SBN:9784140819845
発行:株式会社NHK出版