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スケジュール管理、コミュニケーションなど
発達障害の人の悩みに応える実践アイデア集【書評】
発達障害の知名度があがり、
大人になってから自分の特性に気づく人が増えている。
発達障害の人には、
「同時並行作業力が弱い」「段取りが取れない」
「ケアレスミスをする」「コミュニケーションが苦手」
といった特徴があり、
仕事でもプライベートでも苦戦する場面は多い。
そんな日常の困りごとを
少しでも解消する方法はないものだろうか。
そんな悩みを抱える人には
『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人のための完全ガイド
[仕事][人間関係][生活][お金]の悩みがすべて解決!』
(對馬陽一郎、安尾真美、村上由美/翔泳社)
を手に取ってもらいたい。
既刊である「ちょっとしたことでうまくいく」シリーズ、
『発達障害の人が上手に働くための本』
『発達障害の人が会社の人間関係で困らないための本』
『発達障害の人が上手に暮らすための本』
『発達障害の人が上手にお金と付き合うための本』
を1冊にして一部加筆修正したものが本書である。
発達障害のある人や
その傾向がある人が直面するさまざまな悩みを、
多くの事例、原因、解決法の順に紹介しつつ、
すぐに使える工夫が掲載されているから、
かゆいところに手が届いた内容だと感じる。
たとえば、発達障害の人の多くが抱える悩みのひとつが
スケジュール管理の難しさ。
本書によると、
予定をすぐに忘れてしまうならばスケジュール帳にこだわり、
気の散りやすいADHDはシステム手帳を活用、
曖昧さが苦手なASDはメモ帳とは別に
スケジュール帳を用意すると良いらしい。
また、手帳の種類や活用法についても詳しく解説している。
手帳をなくしやすかったり、
あちこちにメモしてしまったりする癖がある人や、
PCやスマホでスケジュールを管理したい人には、
PCとスマホどちらで入力しても
ネットワークで共有されてスケジュールを
無料で一元管理できるGoogleカレンダーについてや、
予定を見落とすことがないよう
PCの起動時にカレンダー表示される設定方法も紹介。
さらに
「予定に+30分の自分用予備時間を入れておく」
という予定記入術や、
100円ショップでも売られているホワイトボードや
キッチンタイマーのようなカウントダウンタイマー
を活用する方法まで解説している。
本書で触れられている内容は、類書では
「気をつけましょう」「前もって準備しましょう」
などと簡単に済ませてしまっている部分を、
医療的なアプローチだけでなく、
当事者が実際に編み出したり見つけたりした方法について
触れられているからとても実践的なのである。
無料サービスやスマホアプリ、
100円ショップのアイテムでできるものなどが多いので、
無理なくできそうだと思ったものは気軽に試してほしい。
スケジュール管理以外にも、
ケアレスミス、物忘れ、片付け、
他の人とのコミュニケーション、
報連相、お金の使いすぎなど、
仕事や生活の上での困りごとを
解決するためのアイデアが詰まっている。
だから自分の必要とする項目を
辞書のように開いて使うのも良いだろう。
本書が強い味方になる場面がきっとあるはずだ。
【ダ・ヴィンチ】

ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人のための完全ガイド [仕事][人間関係][生活][お金]の悩みがすべて解決! [ 對馬 陽一郎 ]
かなり充実した内容にまとめたようですね。☄