2011/03/24(木)09:18
原点の祈り
東北で未曾有の被害が出たあの地震があった日私は自分の原点である、箕面・滝道に向かっていました。大阪でも揺れを感じたというあの時間、私は阪急電車の中にいて気づきませんでした。そして、あの震災のことなど全く知らぬまま山に入っていたのです。 ■3月11日 「原点に帰る」
とある理由から、原点である箕面に行こうと思った。「原点に帰ろう」そう思ったのだ。まずは瀧安寺・弁天堂で弁才天さまにご挨拶。お賽銭はいつもの100倍した(100円だけど)。
弁才天さまのお言葉はいつもと同じだった・・・。
滝にご挨拶したあとは、いつものように
古い友人達に逢いに行く。
一番仲良しの木に会いに行く途中の脇道。
この辺りの連中が、いつでも好意的に騒がしい。
「俺にも名前をつけてくれないか」
そう言ってきたヤツがいた。
ちょうど足元に椿の花が落ちていたので
「つばきくん」と呼んでやった。
「うぐぐ・・・。オイラ、椿の木ちゃうねんけど・・・」
15年ほどの付合いになる、pow-pow。
モミジのくせに、紅くならない偏屈者。
一張羅は新緑の緑なんだそうだ。
「よ。久しぶり」
「おう、pleか。お互い、ちょっと歳くったなぁ」
「おめぇ、自慢の枝が1本折れてるな」
「ああ、生きるためにはなple、
時には身軽になることも必要や。お前も覚えておけ」
葉をつけていないpow-powを見るのは久しぶりだった。 その他の友人たちにも挨拶して、その日は何も知らぬまま山を下りた。
帰路の滝道は
来たときよりも、少しだけ優しい気持ちで歩く。
箕面駅が見え始めた頃、弁才天さまの声がした
「何度 同じことを言わせるの?」
「・・・」
「原点に帰るだなんて、ちゃんちゃらおかしい」
「・・・」
「あなたはまだ、一度もスタートラインに立とうともしていない」
「・・・」
「わかってるでしょ?」
「おっしゃるとーりです」
私は都合が悪くなると
「・・・」
無言になる。
この春は、あと2回来なさいと
言われたような気がした。
※3月17日 「祈 り」につづく