2012/02/07(火)09:39
天下の奇祭「おんだ祭」
人混みを好まず、並ぶ事が大嫌いで
しかも待つことは死ぬほど苦痛・・・
加えて、「神社の撮影=無人」のこだわりを持つ私は「祭り」「神事」には縁がありません。
年に1回、近くの「えべっさん」に行くくらいですが、
私の病気や家内の怪我もあって、ここ2年はそれさえもパス。
そんな私が昨日、
明日香村の飛鳥坐神社(あすかにますじんじゃ)の「おんだ祭」に行きました。
私がこのお祭りのことを知って30年。家内が「一度見てみたい」と言い出して10年。
ブログでこの神社の「陰陽石」をおもしろおかしく紹介したばかりに・・・
もしくは日頃の行い(エロおやじ)からか、友人たちから
「飛鳥坐神社に行くとpleを思い出す」
と、言われ続けて6~7年。
初めて「おんだ祭」を見に行きました。
御神事開始予定の1時間半前に境内に入りましたが、
既に見晴らしのよい拝殿前は満員状態でした。
何とか舞台前のいい場所を陣取りましたが、境内はこんな状態だったのです。
待っている途中、気分が悪くなる人もいて
救急車で運ばれた人もいました。
私のすぐ後ろに立っていたお年寄りも気分が悪くなり、一時騒然となりました。
幸い手を貸して座っていただいたら、すぐに回復されたのでよかったです。
「おんだ祭」の「おんだ」とは「御田」のこと。
御神事の第一部は、「お田植え」神事が行われます。
翁や牛の面をつけた男衆によって、ユーモラスな農作業が演じられ
宮司によって、松を稲の苗に見立てた「田植え」が行われます。
雅楽奉納「浦安の舞」
これは昭和天皇御製
「天地の神にぞ祈る朝なぎの海のごとくに波たたぬ世を」
が歌詞に取り入れられた昭和になって作られた雅楽です。
正式には4人舞ですが、一人舞、二人舞もよく見られます。
前半と最後の扇舞と、後半の鈴舞から成ります。
私は巫女舞が大好きなので、この数分間はうっとりとしておりました。
と、まあ。
ここまではよくある「お田植え神事」
全国の多くの神社で行われる、五穀豊穣を願う御神事ですね。
しかし古来、農村では「五穀豊穣」と来れば
「子孫繁栄」がセットになっていたようです。
飛鳥坐神社の「おんだ祭」では、その「子孫繁栄」を願う神事が
「第二部」として執り行われます。
「子宝に恵まれる神事」としても知られています。
それでは「第二部」行きます。
先ずは神前結婚式の様子。
学芸会の劇を見ているようでもありますが、大柄な花嫁(お多福)が
なんともユーモラスでした。
仲人役の翁の目を盗んで、こっそりキスする天狗とお多福。
初夜の前、妻を娶った悦びを(喜びじゃなくて・・・)全身で(あるいは一部で)
表現する天狗。
隣にいた若い女性が
「あんな(デカイ)人、ホントにいるのかなぁ」とつぶやいてました。
思わず手を挙げようと思いましたが、
隣にいる家内から回し蹴りが飛んで来そうなので自重しました。
神様の前でウソはいけません。
新婚初夜の床で、恥じらいを見せるお多福。
直前、妻を娶った悦びを「体で」表現していた天狗は
待ちきれないと行った雰囲気。
さらなる笑いを誘うのですが、ここで演じられる夫婦の和合は
「秘め事」とか「禁断」とか、「タブー」や「猥褻」といった言葉とは
全く無縁のものだと感じました。
さていよいよ、みんな大好き夫婦の和合。
仲人役の翁が、夫婦の営みを観客から隠そうとするしぐさがおかしかったです。
これは天狗とお多福の行為をさらしものにしたくないと言うよりは、
もっとよく見たがる観客へのユーモラスな意地悪といった感じでした。
天狗が疲れて動きが止まると、翁が腰の動きを手伝う場面もありました。
写真だけ見ると、まな板ショーみたいですが
実際はとてもおおらかで、ほほえましいのです。
夫婦の「行為」のあと、幻の紙と言われる「福の紙」でお多福のアソコを拭きます。
つまり「拭く紙」→「福の紙」→「福の神」という語呂合わせです。
その「福の紙」は観客に向けて投げまかれます。
神社の解説によれば
「その紙を持ち帰って、それなりの用途で使用すれば子宝に恵まれるでしょう」とのこと。
70を過ぎたと思われる女性が「ちょーだーい!」と言ってたのには驚きました。
でも横を見ると、家内も両手を差し出していました。
やめてくれ。子宝はいらんちゅーねん。
幸か不幸か、「福の紙」はGET出来ませんでしたが
「御供撒」はけっこういい成果が上がりました。
今年はいいことありそうです。
画像は私がつかんだ、お田植え神事で使われた苗(松)と紅い餅。
家内も紅白のお餅を1つずつGETしていました。
この御神事は、昔のおおらかな夫婦和合を演じるだけではなく
何か不思議な「気」に包まれる感覚がありました。
大和の祭ならではの、「大いなる和み」といった感じでしょうか。
ここに参列した参拝者たちは、
みんな来たときよりも少しだけ笑顔になって帰って行くのです。
細部をご覧になりたいあなたのために
いつもより大きいサイズの写真を載せました^^
なんだかいつもの日記よりも生き生きした文章になっているような・・・。
「飛鳥坐神社=ple」のイメージが、さらに定着しそうな予感ですorz
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