山田維史の遊卵画廊

2006/11/10(金)01:24

わが命の真相

 太陽・水星・地球が一直線にならぶ今朝の天体ショーは、私の住んでいる所はあいにくの曇り空で、見ることができなかった。この現象がつぎに起るのは26年後とのこと。私は87歳のはずだが、生きているかどうか。  去る9月14日の新聞は、国立天文台や東京大学などの研究チームが、ハワイにあるすばる望遠鏡で、地球から約128億8千万光年離れた銀河を発見したと報じていた。これは、約137億年前のビッグバンで誕生して間もない宇宙の様子ということになる。これまで確認されている、最も遠い銀河だそうだ。  想像を絶する時間というのは、まさにこのようなことだろう。遥かな宇宙の彼方でおこった大爆発の光が、137億年かかって今ようやく我々の目にとどいたというわけだ。地球が誕生したのがおよそ45億年前だから、それより遥か昔のできごとである。その光が宇宙空間を飛んでいる間に、新生地球上ではタンパク質が合成されて生命ができ、分裂を繰り返し、環境に適応すべく形をかえ、姿をかえ、やがて古生物時代となる。この宇宙時間においては、人間の誕生はほんの一瞬前のことにすぎない。・・・・私は、この大宇宙とその時間のなかの極微存在として我身があることを愉快に思う。心からカラカラと笑いがのぼってくる。このあっけらかんとした真相に、私はおおいに満足しているのである。

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