NASA の太陽探査機、Parker Solar Probe が今から2時間後の日本時間午後4時53分、フロリダのケイプ・カナベラル米空軍基地から発射される。ロケットは昨夜のうちにセットされた。午後4時、秒読みが開始される。
プロジェクト・チームは過去8年間、困難な仕事をしてきた。太陽探査機は、火星探査機にくらべると約55倍の推進力が必要である。のみならず、太陽に到達するための軌道調整は非常にむずかしい。地球が1時間に67,000マイル(約108,000km/h)というスピードで太陽周辺を移動しているため、いわゆる狙いを定め難いのである。金星の引力を使って接近する。
宇宙探査史上、もちろん人類史上はじめての「冒険」旅行がはじまる。過日、このブログでお見せしたように、私は NASA から VIP チケットをプレゼントされた。この人類史上はじめての touch the Sun (太陽に触れる)」旅に、私の名前が探査機に同乗する。過酷な旅だと言われている。もちろん承知している。100万°Fの炎のなかに飛び込むのだもの。
さあ、もう、あと1時間30分ほどになった。
【追記】
秒読みが開始され、コントロール・ルームから各セクションにゴー・サインの確認がとられる。ところが数カ所から「ノー・ゴー」の返答。風向きが思わしくないらしい。その間も、ロケットからは蒸気が排出されている。NASAから送信される画像には刻々とレジタル・タイムが映し出され、10分が経過、20分が経過、30分が経過----やがて秒読みが再開され、次々に確認がとられて行く。しかし、50分が経過する頃、中止が決定。発射は現地時間12日の午前3時過ぎと発表された。
というわけだ。24時間延期である。