大江健三郎氏が学生時代に書き、ご自身もそれについてまったく言及したことがなかった未発表小説原稿が発見された。学生時代に住んでいたアパートの大家さんが保存していたらしく、そのお孫さんが東京大学大江健三郎文庫に連絡し、それが大江氏の自筆原稿であることが確認されたという。原稿に記された擱筆期日からみて、『奇妙な仕事』以前の創作ということになる。
その二編の短編小説は文芸誌『群像』4月号に掲載された。旧字体を新字体に改めるなどの阿部賢一氏による校訂は適切と思う。ただ、今後新たな全集が編まれる場合は、旧字体はそのままに限りなく大江健三郎氏の原稿の元のままを保つ工夫がなされるべきではないだろうか。
今日、私はその二編の小説を読んだ。