「公式・日活フィルム・アーカイブ」がYouTibeで「追悼・中村玉緒」と銘打って、1965年公開の石原プロ制作映画『城取り』(舛田利雄監督)を期間限定(8/3ー8/23)で配信している。(下にURL)
出演:石原裕次郎、千秋実、滝沢修、近衛十四郎、藤原鎌足、中村玉緒、石立鉄男、他。
司馬遼太郎の『城を取る話』を原作とした創作脚本。映画の物語の舞台は、会津若松城下とその領内。豊臣秀吉の命によって会津城(黒川城)に入った上杉景勝であったが (史実)、徳川家康と前会津領主伊達政宗の「会津攻め」が近いことを悟る(史実)。いまや伊達政宗は領境に出城(多聞山城)の建設を急いでいる。元前田利家の家臣でいまは自らすすんで浪々の身となっている車藤三(石原裕次郎)は、上杉景勝に望まれて、その重臣(千秋実)と共に多聞山城を取ろうと計画する。
・・・と、まあ、二人の武士は途中で出会った山賊少年(石立鉄男)や巫女(中村玉緒)、そして築城工事に強制的に働かせられていた村人と一致団結して・・・
これからご覧になる方もいられるかもしれないので、細部のシーンについては述べないでおくが、この映画、舛田利雄監督は全面的に黒澤明監督への賛辞、いやほとんどラブレターと言ってもよいほど黒澤作品の影響(引用)にみちている。場面構成から人物キャラクター、はてはその演技までも。「七人の侍」「蜘蛛巣城」「隠し砦の三悪人」が、いたるところに散りばめられている。
この映画が公開された1965年、私は学生だった。ちょうど冬休みか夏休みのときで、私は両親のいる札幌に帰省していた。そして札幌から石原プロに「『城取り』の台本をプレゼントしてくれませんか」とハガキを書いた。なんと、数日後、石原プロから台本(完成稿)が送られてきたのである。
私は台本を見て驚いた。私がその2年前まで一人暮らしをしていた会津若松城の物語だった。映画が公開される前だったので、私は物語が会津封候上杉景勝に関わることであることなど知らなかったが、まるで何かにそそのかされたかのよう、石原プロにハガキを書いたのである。この台本は現在も所蔵している。出演俳優の多くはすでに鬼籍に入られた。舛田利雄監督は99歳、まもなく100歳におなりか、ご健在である。
「公式・日活フィルム・アーカイブ」「追悼・中村玉緒」