私たちの、その先にあるもの

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• 皆さまへ

  　　　皆さまへ４年少し日記を続けてまいりましたが、本日で終了することにしました。本業に加え企業買収により事業に専念しなければいけなくなったからです。この二週間、最後と思い一生懸命仕事の合間を縫って書いてまいりました。言いたいことや思ったことの半分くらいは表現できたかと思います。ブログで知り合った方々には心から感謝しております。パパさんとは一度お会いしたことがあり、温厚で正義感の強い方だと思いました。パパさんのような信仰者がＰＬを支えてこられたのだと思います。コスモスの道さんにもお会いしたことがあります。おしえを心から愛され、この道一本で人生を歩んでこられたのだと思いました。健管さんにもお会いしたことがあります。最近登場されませんが、本質を直視できる合理的な方だと思いました。今生での役割をよく理解された方です。ＤＡＩＡＫＡ先生の壮絶な運命に言葉を失いました。生死を分けたのは「母の祈り」という言葉が胸を刺しました。まさに、見えない世界に導かれ生きてこられたのだと思います。コメントを頂いた皆さんには教えられることばかりでした。いろんな考え、いろんな人生、勉強になりました。また、閲覧いただいた方にも感謝しております。コンスタントなアクセスを頂かなければ続かなかったと思います。皆さんのご多幸を心よりお祈りしております。ありがとうございました。　　ＯＮＥ　ＷＯＲＬＤ

  2015.03.19

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• 「本物と偽物のウイスキー」

  　　　「本物と偽物のウイスキー」今日の朝の連ドラ「マッサン」見られましたか。シベリア抑留から帰還した甥、悟の言葉にマッサンは『本物』の意味をあらためて考えさせられます。それまでマッサンは「三級酒はウイスキーではない、一級酒こそが『本物』のウイスキーである」と信じて疑いませんでした。一方、シベリアで自分の内から出る物も食べたという壮絶な経験をしてきた悟にとり、三級酒は『本物』の酒でした。マッサン　「わしは『本物』のウイスキーを求めてきたんじゃ。三級酒なんて『偽物』じゃ。そんなもん、ウイスキーじゃない。」悟　　「『本物』って何ですか！　ウイスキーに『本物』ってあるんですか！　僕にとりあの三級酒が『本物』なんじゃ！」今日の放送は、こんなやりとりでした。命を育む水。その水から醸造したウイスキーに一級も三級もない。人の求めるものに本物も偽物もない。人が求めたものこそ『本物』である。マッサンはそう思ったに違いありません。以降、大衆の求めるウイスキーを追い求めたのでした。実は、信仰も同じだと私は思います。三つ前の日記に「本物の信仰」と題し同じようなことを記しています。信仰に本物という「実物」があるわけがないのです。宗教を本物か偽物かで語れば、キリスト教徒は自分たちのおしえこそ「本物」だと必ず言うでしょう。彼らからすれば仏教やＰＬは偽教ですね。そういう論法で宗教や信仰を語ることは出来ないのです。それは判りますよね。実物がない以上、本物の信仰というものもありません。祈りが通じた、病気が治った、願いが叶った、神のご加護を頂いた。そういう信仰体験は求めた人が本物と感じれば、それは信仰者にとり「本物」なのです。宇宙には、科学をしても説明できない現象が厳然として存在します。宗教は、目で「見える世界」と「見えない世界」を「架橋」するのが本務と私は考えます。信仰は、それを信じる行為です。二代教祖のおしえを偽物と言い放つ現象こそ、「宗教の本務」「信仰の本質」の理解から遠距離にあると言えるでしょう。その錯覚、誤認が信仰を無秩序にしていると私は考えます。

  2015.03.18

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• 「人を育てる真意」

  　　　「人を育てる真意」国が教育に力を入れるのは、国を存続させるためです。技術や知識を持った人を育てなければ国は存続できません。これは組織においても同じことが言えます。企業が定期的に人を採用し教育をするのは、「発展」と背中合わせの「消滅」を避けるためです。昔、各藩では藩校を創設し家臣の教育に力を入れました。それは藩の存続が学問や武芸にあると考えたからです。江戸に上がって幕臣からバカにされたり藩の運営に失敗すれば取り潰しの憂き目に遭う。また、愚かな政策から領民から見放されると一揆が起こる。教育は危機感を顕在的に帯同しているのです。韓国は２０年前まで日本人の平均所得の５分の１程度でした。当時、ハーバードやマサチューセッツなどの名門大学に韓国の留学生はほとんどいませんでした。ここ１０数年で一気に増え、今では日本人留学生の数倍になっていると聞きます。彼らが持ち帰った先端技術や知識が自国の発展に寄与しているのは、サムソンやＬＧ、現代自動車を見れば一目瞭然です。ちなみに今の大卒の初任給は日本とほぼ同じだそうです。人を採用し育てることを止める。ごく当たり前のことを避けるのは別の思惑でもあるのでしょうか。

  2015.03.17

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• 「聖地」

  　　　　「聖地」近年、「パワースポット」がブームを呼んでいます。私もいくつか行きましたが、伊勢神宮ほど「パワー」を受けたところはありません。木々に遮られた冷ややかさな湿気。海風を遮る木立。伊勢の「気」は「神木」にあると感じました。かれこれ２０年くらい前になるでしょうか、神々しい佇まいを感じながら内宮あたりまで進んだところ、強い霊気を感じたことがあります。こちらの内側からではなく、弱電のような刺激でしたから、間違いなく外部からの侵入です。それが「パワー」なのでしょうか。パワースポットは、自然崇拝の山岳や風水の地相などに多く見かけられます。そこには「気」が充満し、伊勢神宮も気に包まれた“聖地“なのだと思います。それを踏襲すれば、本庁の御正殿と奥津城にそれを感じていました。しかし、裏手の大きな池が埋められ廃材処理場になっているそうです。聖地は、祈りの集約された場所です。祈りは、人力の及ばない領域へ寄り添うことです。聖地は、聖らかな地だから聖地です。私はそう思います。広大な敷地を有する天理本部や伊勢神宮が、そんなことをするでしょうか。

  2015.03.16

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• 「もし、と、なぜ」

  　　　「もし」と「なぜ」レイテ沖に沈んだ戦艦武蔵が７０余年の時を経て発見されました。映像を何度も見ましたけど、よく見つけました。遺族や元乗組員の方々には感涙の出来事だったのではないでしょうか。武蔵が沈んだ昭和１９年１０月には、日本は事実上“敗戦“していました。その分岐点はミッドウェー海戦だと思います。歴史に「もし」があって、ミッドウェー敗戦後に講和していれば、３００万人の戦争死没者の９割が助かっていました。最後の１～２年でほとんどの方が亡くなっているのです。アメリカの事情をよく知る山本五十六は開戦前、「もって半年か１年くらいであろう。そこまでは頑張るが、それからはアメリカに負けるだろう」と語っており早期講和論者でした。で、あれだけ酷い負け方をしたにも関わらず、日本には革命政権やパルチザン、レジスタンスが出てきませんでした。よその国では一人や二人の傑人はいました。ドゴールのフランス、バドリオのイタリア、中国の蒋介石、それ以外にベルギー、朝鮮、フィリピン、ソビエト、スペイン、ユーゴなど。敗戦濃厚となった時点で、あるいはその前に、なぜ「勇士」や「英傑」が出てこなかったか。いや、出て来ることが出来なかったと言った方が正しいでしょう。これは天皇制に関係していると考えているのですが、この話しを始めると長くなりますから終わります。この点は、私にはとても興味のあるところなのです。これについては、またの機会に少しずつ記します。

  2015.03.13

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• 「本物の信仰」

  　　　「本物の信仰」昔、“偉い人”からの話しとして「本物の信仰」というのを聴いたことがあります。この言葉は意外に多くの方が耳にしておられるのではないでしょうか。私はその時、強い違和感を覚えたことがあります。というのは、これまでの信仰は偽物である、というロジックが成り立つからです。そもそも執行側に「本物の信仰」というものがあるのか。私はそんなものはないと思っているのです。たとえば、ロレックスの腕時計は偽物（コピー）が出回るから本物という対語が生まれるのであって、偽物が流通しなければ、「これが本物のロレックスの腕時計です」という説明は存在しません。それと同じように、本物の信仰というからには、本物の信仰が存在しなければ意味を為さないのです。そんなものは存在しませんし、存在すること自体、可笑しいのです。ＡさんとＢさんがいて、どちらが本物でどちらが偽物かという設問と同じで、人間の「生体」に本物も偽物もありません。例えば、あの人は人格において”本物”か、という設問と質的に違います。これと同じように、本物の信仰というのは観念論の理想を指し、「実物」としての本物の信仰なんて存在しないのです。何故、このことに拘るかですが、本物という発言には偽物という言葉が用意されているからです。二代教祖を否定するコメントも、この「本物信仰発言」が強く影響していると思います。言葉のトリックを迷妄しているのです。

  2015.03.12

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• 「新興宗教の生き残り」

  　　　　「新興宗教の生き残り」新興宗教が伸びるか衰退するかは、立教者の霊能性とカリスマ性を上手く削ぎ落し次の教祖に継承していけるか。信者から見て、つなぎ目にもつれがないよう如何に心掛けるか。それが成否を決める、というのが前日記の主旨です。奈良仏教に代わり民衆のこころを掴んだ鎌倉仏教も当時は“新興宗教”だったのです。現在の既存宗教の多くが鎌倉時代に創設されたものです。その既存宗教は明治期に始まった、いわゆる今の新興宗教の台頭により、８００年前に自らが経験した逆の運命に晒されてきました。既存宗教もやっとそれに気づき、新たな改革を始めています。（面白いことに鎌倉仏教も今の新興宗教も、国のかたちが変わった時に起こっているのです。貴族政治から武家政治に代わった鎌倉時代。封建政治から立法政治に代わった明治時代。因果関係はないのですけど、実に興味深い現象です）一大勢力を誇った新興宗教は、すでに継承の時期を終え、勢力図はほぼ出来上がったと私は見ています。つまり、伸びるところはさらに伸び、衰退するところはさらに衰退した、ということに他なりません。これからの人口減少がそれを一層加速させるでしょう。結論として、新興宗教は自らのモデルを継承改善していくしか生き残る手立てはなかったのです。信者から見て、つなぎに異変が起きることは、これまでの信仰を自己否定することになる。そんな継承は継承ではなく破壊に等しい。つまり、相撲体型に出来上がった関取が、柔道の体型に鍛えなおして試合に挑むという「無益な試み」に等しいということ。新興宗教という属性の中で“目指す信仰”を追い求めるしか継承方法はなかった。これが私の意見です。で、新たな宗教のモデルは、これまの宗教とは全く違う、たとえば、手でゴシゴシ擦っていた洗濯がボタン一つで自動的になったような劇的なものになるでしょう。そのヒントは最先端の科学にあります。

  2015.03.11

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• 「新興宗教の布教モデル」

  　　　「新興宗教の布教モデル」新興宗教の布教モデルの説明をする前に、当時の社会情勢と既存宗教の実相の二つのファクターがあったことを指摘しておかなければいけません。一つ目の当時の社会情勢とは、急速な都市化のことです。それまで日本人の多くは、農業などの一次産業に従事しており、明治以降の殖産興業により急速に工業化が進み、都市に大量の人口が流入します。それは、地元で信仰してきた「信仰の断絶」を意味します。二つ目の既存宗教の実相とは、「貧・病・争」です。既存宗教はこの問いに答えを出すことが出来ませんでした。この問題は急速に進んだ都市化と密接に関係しており、農村から都市に集まった多くの“素人都会人”は「貧・病・争」という、地縁血縁が剥離した都会ならではの問題を抱えることになります。その解決に新興宗教は深く関わっていったのです。で、既存宗教に代わる、新たな「新興宗教の布教モデル」とは、１点目に教祖の霊能力とカリスマ性。２点目に「貧・病・争」の解決。３点目に信者が布教師に代わり信者を勧誘。４点目に定例化した献金や寄付。５点目に布教所の信者の維持負担と建設献金。大体、この５点です。寺院やキリスト教会には、４と５はあっても１～３はありません。この１～３が新興宗教大発展の原動力になったのです。特に１は、不思議にもあの時代に集中して多くの霊能者が顕れます。いわゆる“神がかり教祖”です。これらにより新興宗教は７００年続いた既存宗教の信者数をわずか数十年で凌駕することになったのです。１の新興宗教の最大のエンジンだった「教祖の霊能力とカリスマ性」は、教祖の世代交代により力を失い、加えて、国民一人ひとりが豊かになったこと、行政の補助により極貧が解消されたこと、医療が高度化したこと、それらにより、２の「貧・病・争」は急速に影を潜めます。また、信者の高齢化や物故が進んだことで、３の信者が信者を獲得することもなくなりました。要約すれば、新興宗教は、自らが作った「布教モデル」によって「衰退」か「維持」の岐路に立たされているのです。いや、立たされていた！、過去形ですけどそうとも言えます。仮に、次世代教祖に霊能力やカリスマ性がなくても上手く「継承」できたところは相対的に伸びています。また、トップに依然として霊能力とカリスマ性のある学会などはさらに伸びていくでしょう。もちろん、小教団が中堅教団にのし上がったところもあります。では、今後新たな宗教モデルは出来るのか。それを次から検証してみたいと思います。つづく

  2015.03.11

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• 既存宗教の布教モデル」

  　　　「既存宗教の布教モデル」昨日の日記の主旨は、”赤字”信者や布教師はお荷物になる、というものです。もちろん、主体側に問題があることは言うまでもありませんが、これは新興宗教の「布教モデル」に起因している。私はそう見ています。それを整理することで新たなものが見えてくるのではないか。そんなことを日記にしてみたいと思います。はじめに、既存宗教に代わり新興宗教が伸びた理由の一番は、「布教モデル」にあったと私は考えています。この「ＯＯモデル」というのは、産業界でよく言われるビジネスモデルのことですが、ユ●クロが伸びたのも人件費の安い中国を経由したビジネスモデルが成功したからです、家電業界が苦戦しているのも「古いビジネスモデル」が今の時代に当てはまらなくなったからです。何も宗教をモデル化しようと、軽く扱っているのではありません。非営利の国もモデルなのです。共産主義というモデル。資本主義というモデル。今の時代は、資本主義経済を基礎とした民主制モデルが理に適っているからそれを選択しているだけ、ということです。今の制度以上の新たなモデルが生れれば、そちらに代わるでしょう。そこで新興宗教の布教モデルの前に既存宗教のモデルについて簡単に説明しますと、お釈迦さんやキリストの時代は布教するにあたり寺院や教会を持っていませんでした。持つ必要がなかったのは、「おしえを広める」とか、「信者を増やす」とか、そういう布教スタイルではなく、目の前の悩める人を説法で救済していくのが主目的だったからです。キリストも同様に、貧しい人たち、悩める人たちの救済が主な目的でした。“復活”が、今日のキリスト教を作ったと言っていいと思いますが、死んだ人が生き返るのですから、奇跡としか言いようがありません。（生まれ変わったキリストをかなり多くの人が見たと伝えられています）。で、信者たちは亡きキリストに代わる”化身”が必要でした。それが教会なのです。言わば「形見」のようなものっだったのでしょう。弟子たちは教会や寺院を各地に作って参ります。それが世界各地に広まり、今日の世界宗教になったというわけです。それ以前に布教所を展開しておしえを広める宗教など存在していません。もし、寺院や教会という「布教モデル」がなければ今日の仏教やキリスト教は、ごく狭い地域の宗教教団に限られていたことでしょう。おしえを広めるとは、実は寺院や教会をたくさん作ることなのです。寺院や教会をたくさん作ることで成長してきた既存宗教の「布教モデル」は、新興宗教の台頭により、新たに改造されたモデルに変遷していきます。つづく

  2015.03.10

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• 「数値観念」

  　　　　「数値観念」昨日の日記の主旨は、教会活動には「数値目標」があった。それをこなすことで皮肉にもおしえを体得することができた。それはおしえに接する機会が多かったからである、というものです。「数値」は私たちが暮らしていく上で、避けて通れない重要な目安です。主婦も、ご主人の給料の範囲内で生活を設計します。もし、不足が出るようなら自分もパートに出て補てんしなければいけません。赤字が積み重なれば個人でも破産します。これらはお金ではないのです。数値です。数値観念が欠如すると行き詰ってしまうという例です。これは非営利である宗教法人においても同じです。一般論として、宗教の財源は信者からのお布施なり寄付がベースになります。信者が多ければそれだけ多くの財源が確保されます。しかしながら、信者が多ければ財政が豊かになるという「セオリーに反して」、毎月の収支が赤字に陥る逆転現象が起きる場合があります。理由は、信者一人にかかる経費が、財源の基礎となる会費を上回るケースです。つまり、一人の信者に掛かる新聞雑誌費や郵送通信費などの経費が会費を超えるケースが出てくるということです。会費の中には布教所の維持費や人件費などは含まれません。それを補うためにお布施があるのですが、予想に反してお布施をしない信者が増えると、今言った逆転現象が起きます。そうしますと、宗教を維持している大切な信者や布教師が、逆に「お荷物」になって参ります。重荷になれば、非情にも「荷」を下ろす挙動に出てくることがあります。つまり、経費に合わない信者や布教師は、早く辞めて欲しい、出て行って欲しい、布教所は赤字補てんに売却される。とどのつまりは維持費に貢献しない信者や布教師は“清い宗教にとって邪魔”である、という身勝手極まりない論理にすり替わってしまうのです。過去の貢献は今の貢献に劣後する。そういう情のない現象が至るところで起きてきます。その空気が退会者や退職者を誘発することにも繋がってくるわけです。ここに至っては、信者を増やし、人々を救済するという、宗教本来の意義が失われてしまいます。数値観念の喪失が、様々な弊害を生むということです。

  2015.03.09

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• 「数値活動」

  　　　　「数値活動」信仰と無関係と思われる数々の難題。それを片付ける作業が、実はおしえを体得する実践的「テキスト」でもあった。それは教会の活動の中にあった。これが前日記の主旨です。「活動」とは、数値目標を掲げた信芸、ゴカフなどです。両親らは数値目標という難題を解決していくことで、おしえを理解し肉体化していったのです。皮肉ではありますが、その活動に参加していなかったら、あるいは、数値という目標がなかったら、おしえは身についていなかったし、信仰に対する情熱も希薄していたと思われます。その理由の一番は、教会と接する時間量です。教育もそうですけど、おしえの体得も対面反復ですから。ただ、そのような「協働」を基本とする活動が、「競争」に変わることがありました。摩擦やトラブルは、往々にしてそういう時に起こります。母はその点に悩みを抱いていたフシがあります。聞いたことはありませんけど。それはソリューションに問題があったのではなく、進める側と受ける側双方にあったのだと思います。現代社会は数値で成り立っています。国も企業も家庭も、もちろん、宗教においても同様です。宗教は数値という泥水を如何に浄化し、飲める水にしていくか。そこに成長のポイントがあると考えます。同じおしえを説き、少々強引なところもありましたけど、これ程大きな差が生じるのはソリューションの構築と扱い方にあると私は思います。先般、一致点が失われた時、衰退は始まると記しましたが、二代さんやそのブレーンの方々は大衆心理とおしえの一致点の構築がとても上手でした。

  2015.03.08

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• 「有害テキスト」

  　　　「有害テキスト」両親のことを前日記に記しましたけど、彼らはＰＬに出合い救われた、ずいぶんなことをしてきたけれど託して報われた、ということが言いたかったのです。決して、自慢するために書いたのではありません。当時は体験を通しておしえを深め、活動を通じておしえを身に付ける、そんな信仰ソリューションがありました。人生という「解」を解くには、体で覚えるのがよろしい。そういった空気というか、方針のようなものがあったと思います。活動をすれば当然のこととして、様々なトラブルや解決困難な問題が生まれます。そういう一見信仰とは無関係と思われる「有害物」が、実はおしえを身に付ける実践的な「テキスト」でもあったのです。くる日もくる日も直面する「有害物」を処理することが、複雑な糸が絡み合う現代社会に不可欠な「智恵」に顕現されていった。これこそが「おしえ」である。「実践知」として万能なおしえである。両親たちはそう確信していったのだと思います。信仰に対する絶対的な信念、揺れない不動心は「場数」から生まれた。私はそう見ています。

  2015.03.07

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• 「おしえに託す」

  　　　　「おしえに託す」前々日記に「教育は見返りを求めてはいけない」と申しましたのは、以前野球部出身者へ、育てたことへの「見返り」を求めるような書き込みを見たものですから、それは違うでしょうと、思いを記したのです。見返りとはバーター。『これこれをしてあげるから、これこれを返せ』という「打算の合意」のことです。彼らの報酬は、血の滲む努力の証しですから、それをおねだりするのは品性よろしくないと思いますね。一事が万事、「覚悟ある献金をしろ」、「その町が全員会員になるようやれ」。こんな高圧的で一方的な態度では信仰を深めていくのは難しい。昔、両親は、ゴカフ、信芸、座談会、みささげ、婦人会、壮年会、ミトドケア、カッパと、くる日もくる日も飛び回っていました。夜も不在が多く、そんな両親が不思議に映ったこともあります。今思うと、彼らなりに「託せるもの」があったのです。あったから続いた。父などは、『これだけお金を使っておしえを体得出来なければ、何のために信仰してきたか！』ということをよく口にしていまして、商売人特有の損得勘定ではありますけど、おしえに「託して」いたのです。そういった損得勘定は、“清い信仰者”にもあるでしょう。「・・・のため」ということ自体が損得なのですから。信仰には対価がありません。１００万円出せば１００万円の車が買えるというものではありません。献金１００万円の対価は「託す」しかないのです。託すとは自らをそっくり預けること。対価として「お恵み」があるかどうかは誰も証明のしようがない。それでも、父や母はおしえに託していたのです。「託せる何か」があったのです。今も託せる何かがあるから続いている信仰者もいるのでしょうが、上の上の人の、あのような身勝手で低劣な書き込みを目にすると私には託すことが出来ないのです。

  2015.03.06

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• 「野球部」

  　　　　「学園野球部」学園野球部は、親や子供にとり「託せる」学校でした。幼い頃から憧れだった甲子園という夢を叶えてくれる最適の学校だったのです。これは学園、ひいては教団にとっても、多次元において、彼らは「託せる」人材でした。「それぞれの夢を成就する」というところに多くの「一致点」を互いが見出したのです。この一致点が失われた時、衰退は始まります。これは野球部に限ったことではないでしょう。不祥事は、一致点の“ぐらつき”が遠因と私は思います。また、一部に卒業後の私行を問題視したコメントがありましたけれど、それを指摘するなら、「学園側の教育指導の在り方も問題視されなければフェアとは言えない」でしょう。これは本人に帰属する自覚であり、自負です。それを言えば、縦横あらゆる連鎖が生じ、幼いころから通ったすべての学校、すべての機関、すべての指導者は「責めの対象」となります。たとえば、ヒットラーは子供の頃、熱心なクリスチャンでしたが、ヒットラーを作ったのはキリスト教だ、という論法と同質です。一部の人を取り上げ、それがあたかもすべてであるがの如く拡張するのは如何なものか。多くの方々がプロで活躍され、たくさんの人に夢と希望を与えていることを裁量すれば、各方面に大変な貢献をされていると私は思います。全体で捉えることが大事です。彼らの能力ならどの学校も欲しかったでしょう。学園側も多くの逸材をスカウトしたことを秤にかければ、互いに託し、互いに報われたのです。私はそう思います。このような偏った、自己中心的な見方が蔓延ると、いろいろ問題が発生してきます。つまり、利害を異にする双方の一致点。この一致点を出来る限り多くし、埋め合わせ、「互いが託せる関係」を築いていくことが大事だ、と言いたいわけです。野球部には互いが託せる一致点があったのです。たとえば、おしえを通した選手の育成。ＰＬならではの野球道。それらは相互が築き上げた一致点でした。それを証明したのが数多くの甲子園での名場面です。多くの人に感動を与えたことは言うまでもありません。あれほどの歴史と実績を築き上げてこれたのはそれに尽きる。私はそう思います。

  2015.03.05

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• 「子供は養鶏ではない」

  　　　「子供は養鶏ではない」子供に「見返り」を求める親はいるでしょうか。自分たちの暮らしを「担保する道具」として、子供を育てるでしょうか。もし、そんな親がいたとしたら、子供は「養鶏」になってしまう。学校も同じです。学校は「養鶏場」ではありません。教員は「飼育係」ではないはずです。教育は、知育と徳育を本務とし、彼らが社会で自立できることを本願としている。その為のみの学校であり、教員であると私は思います。それは親が子供に抱くのと同じ愛情であり、無垢な施しであると思うのです。もし、子供の教育に将来の見返りを求める学校があったとしたら、それは「養鶏主」と同じになってしまう。教育する側の「努力の報い」は子供が立派に育つことのみ。教育や学校とはそういうものです。私はそう思っています。入学希望者が減る根底には、親も子もそうした「下心」を察していないか。あるいは、「株式会社の一成員」になることへの躊躇（ためらい）はないか。それは教育の本質がそういうものではないことを誰もが知っているからです。これが取り越し苦労であれば幸いです。子供の頃、先生は「畏れ多い」存在でした。近所のおじさんやおばさんから先生と同じことを言われても、先生の言われることは「正しい」、おじさんやおばさんは「疑わしい」。それほど教師という職業に敬意と憧憬を抱いていたものです。昔と比べるのはいささか難もありますけれど、そういう恭敬は、社会に出て人と付き合っていく上でとても大事なことだと私は思います。それは迷妄無知な「崇拝」とは違う、人間としての「品格」だからです。

  2015.03.04

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• 「教育は、見返りを求めてはいけない」

  　　「教育は、見返りを求めてはいけない」少し前に中学時代のクラス会があり、これまでお互い給料の話題には触れない暗黙の了解みたいなものがあったのですけれど、一人が仲間の教員に向かって「教員はいいよね。リストラはないし、給料は保証されているし、老後も年金で悠々自適。俺たちとは住む世界が違う」と、半分本音のような半分冗談のような、たわ言を口にしたものですから、場は一瞬しらけてしまい、とは言え、実のところそれはかなりの程度お互い関心事であり、腹の探り合いのような形で話しはそちらの方へ流れていきました。で、教員の仲間が言うには「俺たちは先輩たちに比べ報われていないんだよ。昔なら年収０００はあったんだけど、今は厳しくなって００しかもらえない。退職金も辞める時期により００も下がるし、はじめからこうなるなら教員を選んでいなかったよ。」と言うわけです。その話を私は「半分は正しい、半分は違う」そんな感想を持って傍で聞いていました。「半分は正しい」とは、一種の同情です。今の教員の置かれている環境には同情すべきところはあります。「半分は違う」とは、そもそも教員というの「はささげる職」、つまり奉職といい、これは公職に就く公務員全体を指す言葉ですけれど、特に教員はその中でも「聖職」と言うべき見返りを求めない“清貧への矜持”のようなものを持った人たちのことを言うと思うのです。見返りを追求するなら「株式会社」へ行くべきでした。教員の自宅に招かれ「御殿」のような家を見たためしがありませんし、その佇まいは実に「質素」です。そこで今日の日記の本旨ですけど、「教員の報われる」とは、待遇もないとは言いませんが、「子供たちの成長こそが報いになる」ことではないでしょうか。私たちが身を置く「株式会社」は、成果に対し報酬という形で株主や社員へ「報いる」ことで本分を果たします。それは営利法人が、そういうものだからです。で、これは教員に及ばず、学校自体も「見返りを求めない」ではないかと思います。『子供たちが立派に育つことを応援する』、それが学校の本分であり役割だと私は思います。稚魚を川に放流し、成魚になって釣り上げるというのであれば、「株式会社」と同じ理屈になってしまう。彼らが成人して見返りを求めるような教育は教育とは言わない。学校とはそういうものではない。私はそう思うのです。

  2015.03.03

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• 「託すと報われる」

  　　　　「託すと報われる」私たちは学校や会社を選ぶ際、自分の将来を「託せるかどうか」で判断しているように思います。もちろん、学校や会社側も、入ってくる人にどこまで「託せるか」という逆の期待もありますけど、託したいと思う人が集まらなければ、その期待も杞憂に終わってしまいます。そこで大切なことは、そこに入って「努力が報われるかどうか」です。たとえば、高校であれば、そこで学ぶことで学力が向上するとか、大学進学や就職に有利とか、または、自己形成の可能な環境かどうかとか。会社であれば、将来性はあるか、給料などの待遇はどうか、やりたいことが出来るか、業界での評価はどうか、という基準。そのいずれにおいても「努力が報われるかどうか」あるいは「自己実現可能かどうか」が、「託せるかどうか」の判断基準になっていると思います。伴侶を選ぶのも、人生を託せる人かどうかを秤にかけていると言えないでしょうか。託すとは報われること。報われないところに託す人はいないでしょう。甲子園常連の和歌山の智弁学園は文武両道、有数の進学校です。大阪の清風高校も同様です。いずれも宗教校ですけど、智弁や清風に出来て学園に出来ないことはない筈です。いや、きっと出来ると信じます。是非、関係者のみなさんには再建を図ってもらいたいと心から願います。

  2015.03.02

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• 「永久（とわ）とは、」

  　　　「永久（とわ）とは、」休日に時折訪れる昔ながらの喫茶店に少し前に発売された週刊ポストの学園の記事がありました。内容については、パパさんやＤＡＩＡＫＡさんが日記に書かれておられますが、私はこの記事を見るのははじめてです。記事には野球部に限らず、校歌にもある「永久の学園」そのものが消滅する日が来るかもしれないという衝撃的なものでした。卒業生にとり自分の学んだ学校がなくなることは、「あなたの出た学校は、時代遅れで、学ぶ価値がなくなった」と宣告されたに等しい。時代的な背景も推量されますけれど、本格的な少子化はこれからであり、中・高の受験者数がこれほど大きく定員割れするのは、建学精神に関わります。そもそも、学校を決めるのは、「将来の自分」を見据えるからです。親も介入してくるのは、親として子供の将来を真剣に考えているからです。裏を返せば、子も親も学園に「将来」を託すことが出来ないと言っているのと等質です。「永久（とわ）」とは、永遠になくなることがない不朽不滅を言い、校歌に謳われている「永久の学園」は、教団が存続する限り共に発展していくことを内含した言葉です。是非、再建してほしいと願っています。

  2015.03.01

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• 「成功者は誰も、芸術している」

  　　　　　　「成功者は誰も、芸術している」今月の日経新聞「私の履歴書」は、日揮のグループ代表をされている重久吉弘さんです。海外開拓にささげた人生を生い立ちから今日まで２８回連載で届けています。今日が２７回目、明日が終稿日です。日揮といえば、２年前、アルジェリアで邦人１０名を含む４０人の尊い命が奪われる事件がありました。記憶にある方も多いかと思います。元々は大阪にある５００人程度の中堅石油元売り会社でしたが、重久さんが入社された１９６０年頃から世界的なモータリゼーションが起こり、石油や天然ガスのプラントを建設する会社へと転身していきます。今では１万人を超える世界有数のエンジニアリング会社に成長し、海外の開拓にその生涯を捧げられた自叙伝に感ずるところがありました。で、ここに登場するすべての方が、結果として『人生は芸術である』生き方をされている、ということです。いろんなジャンルの方がおられ、経営者もいれば、芸術家、政治家、芸能人、多種多様です。活動の場は違っても、基本は人生をどう生きるかです。その「どう生きるか」はジャンルを超えて同質です。成功者すべてが順風満帆ではありません。良い時もあれば悪い時もある。しかし、その両面において、特に、悪い時の対処が違う。逆境を跳ね返す強靭な精神力も必要ですけれど、どん底にいても創意工夫を忘れない。それと決定的に違うのが、人生や職業に明確な“計画図“を持っている。その設計図こそが”芸術の要諦“ではないかと思います。仏教もキリスト教もイスラム教も、困難な時の「対処法」は教えてくれます。これはＰＬでも同じです。しかし、人生を「設計図」と見立てる発想はありません。そこには「有限な」人生に対する厳しくも理に適った洞察があります。人生を“設計図”と捉える生き方。その設計者が私であり、作業者も私であるという、二重の満足感。人生はやりたいようにやる、という自由感。その目標成就のために何が足りないかを教えてくれた二代さんのおしえは、どの時代の、どの人にも受け入れられる普遍性を有していると、私は思います。それを証拠づけるものが、「私の履歴書」に登場する成功者たちの“芸術”した生き方に読み取れます。

  2015.02.27

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• 「２・２６」

  　　　　　　「２・２６」８０年近く前の今日、皇道派の影響を受けた青年将校らによる未曾有のクーデター未遂事件が起きます。世にいう２・２６事件です。のちの研究で、この事件が開戦に向かう転機になったとも言われています。事件が昭和１１年２月。同時期、大本教弾圧。日中戦争が１２年。ひとのみち事件が同じく１２年。学会も戦争末期に会長を逮捕。その他、多くの宗教家や思想家、特に“赤“については厳しい弾圧が下されます。まさに国家が軍の暴走を許す脆弱な装置に変換したのが、あの事件でした。歴史には、湧き出た水からなる“流れ”があります。世界を巻き込む大きな戦争は過去２度ありましたが、その源流は植民地政策の発端となる大航海時代と考えています。あれ以降、富を握る者が世界の版図を描画し、日本も西洋列強の恐怖から７００年続いた封建体制から明治という新しい政治体制に替わります。当時の国是が「富国強兵」。つまり、国を富まし、強い国を作り、他国から国を守るというスローガンです。氏性を保証する平等な人権を約したものではありません。結論として、日清日露やその後の大陸進出は、列強に対する恐怖と劣弱した中国を利欲化する相剋の産物であり、日本の国力と知見ではそれを抗うことは出来なかったと考えています。だからと言って、日本の冒した侵略を肯定するものではありません。大戦に至る背景の私見を述べているだけです。余談ですが、戦争は先に宣戦布告した方が大概負けている。また、負けた方の賠償責任は、いわゆる「０－１００」の「０」。日本が先に宣戦布告した日露戦争は、負けてはいませんが勝ってもいません。先に手を出した方が最後は負ける。ケンカも先に手を出した方が罪は重い。争いには法理だけでなく法則性もあるのでしょうか。それとも、「窮鼠猫をかむ」というように、国力のある国が乏しい国に圧力を掛け、たまらず反撃するのが戦争の構図なのでしょうか。

  2015.02.26

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• 「ビジョン」

  　　　　　「ビジョン」週一回、私は全社員に「コラム」をメール発信しています。今週は「成長の限界」という内容でした。企業とは、ひと言でいえば、組織の力を如何に高い成果に結びつけるかを言います。別の表現をすれば、個の力をチーム（部署）に培養し、増殖した培養体をさらに上部の事業に結実させる、その集合体が企業だということです。それが上手くいっている会社や部署は繁栄し、逆の場合は衰退する。至って常識的な話ですが、うちの会社は社員の力と売り上げが均衡状態にあり、さらに伸ばそうとすれば、個々の力を高め、チームという有機体が個の力を最大化させる力を持たなければいけない。「要は人である」、そのような話をコラムにしました。そこで大切なのが、個を高めるとはどういうことか、何のために自己改革するのか、ということ。その目的を明示しけなければ、「会社の勝手な都合」になってしまいます。中には稀に社意を肉体化している“賢い社員”もいます。しかし、ほとんどの社員はそんなことまで考えません。中小企業はそれが普通なのです。その普通の社員を如何に普通でない社員に意識転換させるか、そこをいつも考え悩んでいるわけです。で、成績のよいチーム（部署）には共通点があります。それは“楽しんで“仕事をしている、ということです。成績が上がれば忙しくなるだけでなく、トラブルも発生します。それを楽しんでやっている。それはチームに目標、つまり各々がビジョンを共有しているからです。一人が面白がってもダメ。全員がそうでなければ喜びも成績も頓挫してしまいます。子会社の社長が先だって売り上げが伸びない、どうしたものでしょうか、と言ってきました。私は、即座に、「君にはビジョンがない。会社のビジョンを社員に徹底させなさい。そして、給料を毎年上げてやること。そのためにどうすればいいかを考えるのが、社長の君の仕事だ。」と。私個人としても理想を具現化出来るところに会社をやる醍醐味があり、その面白さが自己償却するようなことになれば譲るつもりです。

  2015.02.25

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• 「水屋の富」

  　　　　　「水屋の富」株が上がり続けています。どこまで行くのでしょうか！？上がれば落ちる、それが株です。そろそろ天井かなと、「頭とシッポはくれてやれ」という格言に習い私は全部売りました。情報によれば、いま外国人が盛んに買っているようです。彼らは上げるだけ上げておいて一気に売りさばきますから要注意です。株で儲ける人と、そうでない人がいます。これは性格によるものではないかと思います。値動きが気になる人は基本的に株はやるべきではないでしょう。どんなに分析上手でも、値動きが絶えず気に掛る人は結果損をしているようです。「水屋の富」という古典落語がありまして、富くじで大判小判を手にして、それをどこに仕舞っておけばよいかいろいろ思案するわけです。で、あれこれ考えた挙句、床下に隠します。だけども、仕事に出ている時も、寝ている時も、泥棒に盗まれるのではないかと心配で心配でたまりません。夢にも出てきて眠れない日が続く。で、心配していた通り、留守中に泥棒が入って全部無くなっていた。「俺の金がない、くそー！、でも、これで今夜からゆっくり眠られる」という、滑稽でありながらも真を突いた話しです。株に限らず、お金でも相続でも名誉でも”守ろうとする”から気になるし、心配もします。でも、心配してそのようになった試しがないのもこの世の道理というもの。夢や希望という「無形なもの」には拘っても、お金や名誉という「有形なもの」には拘らない方がどうもいいようですね。

  2015.02.24

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• 「背景は私たちが作る」

  　　　「背景は私たちが作る」人生は「背景」が決めると申しましたけれども、そんな受け身の生き方では人生を前向きに捉える「人生芸術」に反するではないかとお叱りを受けそうですが、実は、「背景」は私たちが作る“建造物”ですから、それをしっかりしたものにしていかなくてはいけないところに、芸術の重要性があると私は思っています。戦争に向かっていく風潮には、私たちの考え方や生き方が徐々にではありますが可笑しな“建造物”を黙認してしまう、あるいは、容認してしまう危うさがあります。また、可笑しな組織、たとえば、オームのような反社会的な宗教などもそうでしょう。上祐さんが先般テレビのインタビューで、最初は疑心があったと語っておられました。しかし、尊師から（反社会的行為の）信念を問われ、やがて、彼は自らの信念として正当化していきます。正当化とは、自分は尊師に“奴属”しているのではなく、自ら望んで、自らの信念としてその道を選んでいると思うようになる、ということです。そして、その信念が自らの主体性と自由を基礎づけているという倒錯した考えになる、ということに他なりません。不正や暴力の命令を不愉快と感じなくなるところに間違った信念の墓場が出来上がります。さらには、自らを高めるチャンスであると“信念”するように変質していくわけです。およそ、悪の背景を作り上げていく人間の脳の構造は、大体同じようなストーリーを辿っていくものなのです。

  2015.02.23

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• 「背景が人生を決めていく」

  　　　「背景が人生を決めていく」昨日の高揚感から今朝も８時にテレビの前に待機して「マッサン」を見ました。エリーさんは連行されるのか？　その後どうなるのか？不安の面持ちで見ていましたら、そこに海軍の将校が現れ、「海軍御用達の工場の主に嫌疑があれば、当方の監督（メンツ）にかかわる！」と一喝。連行は一旦取りやめになりました。よかった！人生は背景に深意があります。背景に上塗りされたもの、と言ってもいいかもしれません。エリーさんも対米英戦争という背景に翻弄させられます。あの「大地の子」も、大国ロシアや中国に隣接した、独立国家とも言えないややこしい傀儡国家の複雑な政治情勢の下で起きたドラマです。当時の社会背景が、数々の「大地の子」を生んだことは言うまでもありません。で、やっぱり考えるのは、あの大戦です。あれほど多くの人生を上塗りした背景はありません。では、誰が起こしたか！？東京裁判では被告人すべてが「望んで起こしたものではない」と陳述しています。日本はヒットラーやムッソリーニのような戦意に目的を持った独裁者がいなかったため法理的に犯罪者の特定は難しく、パール判事は無罪の意見書を提出します。それでも敗戦国として責任者の訴追は不可避でした。あれから７０年。そろそろ敗戦の亡霊から醒めたいところですが、戦争はもう嫌だ！という生理的な叫びではなく、多岐的に正しい清算や検証は完了したかの点検は必要です。私にはトゲが刺さったままです。

  2015.02.21

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• 「エリーさんの勇気と正義」

  　　　「エリーさんの勇気と正義」今朝の連ドラ「マッサン」、これまでの放送で一番よかったです。米英との戦争が激しくなる中、無実のスパイ容疑をかけられ特高に連行されるんですけど、エリーさんの毅然とした態度にこころを打たれました。「私は亀山政春の妻、亀山エリーです。（連行されるのは）私が日本人ではないからですか。鼻（が高いから）ですか。髪（の色が違うから）ですか。私は人間です。どこが違うのですか。私は日本を愛し・・・、」当時、日本は戦時下にあって戦争に不利とみなした組織や人物を、法を乱用し裁きます。まさに国家が暴力装置になっていた時代です。一方で、あれほど開戦を支持していたマスコミや軍部の人たちが、あの日を境に何の恥じらいもなく反対側にまわります。似たような話として、近所に税務署の上の方がいまして、その方が定年退官したあと税理士事務所を開き、「これからは税務署をやっつけてやるんだ。」という話を耳にし、人は利害によってこうも簡単に自分を変えられるのか、唖然としたことがあります。人は利害に変わり身が早く、有事に際し筋の通った人ほど都合が悪い。いつの時代でも、どこの世界でも、よくある人間の有り様です。理不尽な権力に、鬼気迫る今日のエリーさんは多くの人に感動を与えたことでしょう。見ておられない方は、再放送がありますから是非ご覧ください。

  2015.02.20

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• 「本質を破壊する、イメージ」

  　　　「本質を破壊する、イメージ」親しい友人から紹介された、目が青く褐色肌の人の良さそうな若者がいて、その彼から次の日曜日に食事に誘われたとしましょう。さらに、彼はイスラム教徒だったとしましょう。信頼できる友人の紹介とは言え、この誘いに１０人中１０人は何らかの理由を付けて断ると思います。たぶん、その中に私もいるでしょう。ここで何が起こっているかといえば、情報→イメージ→確信という、ものを判断する際に起動する心理です。もし、イスラム教徒ではなく、○○教徒に置き換えたらどういう結果になるか、想像力を働かせる必要があります。イスラム教徒すべてではなく、ごく一部の過激な人間たちによってイスラム全体のイメージが損なわれているとすれば、同じ信仰をする者として、これ以上の屈辱はないでしょう。話題の中田氏は、イスラム領域に「カリフ再創設」を提起している学者の一人です。今、中東で繰り広げられている戦況は、世界をグローバル化しようとする「欧米」と、それを阻止しようとする「カリフ創設派」との戦いに凝縮されているようにも見えます。中田氏は決して武力によって悲願を達成しようとしているわけではありません。が、もし、カリフ再創設を願うなら、結論として、過激派との対話の仲介役になることではないかと思いました。氏の思想に同調することは出来ませんが、人間として忌避されるものはないと感じました。

  2015.02.19

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• 「師と弟子」

  　　　　「師と弟子」「一神教と国家」という本に、師と弟子の関係を述べている箇所があり、面白いと思いましたので紹介してみます。この本は、今注目されているイスラム法学者の中田考氏と哲学者の内田樹氏の共著として昨年１月に発売されてものです。当時、イスラム国はまだニュースとして大きく取り上げられていなかったため、さして話題には上りませんでしたが最近起こった一連の外国人捕虜の斬首事件を機に、中田氏はイスラム国の手先ではないかという容疑が掛けられ、益々興味を抱くようになったわけです。断っておきますが、私は中田氏やイスラム国の行為を擁護するつもりは毛ほどもありません。私の関心は、中田氏がイスラムに傾注していった経緯、そして氏は何を主張しようとしているのか、そのあたりが知りたくて最近イスラム関連の本を読み始めたというわけです。あの風貌は、いかがわしさを想起させる反面、クールなところがあって、それだけで興味をそそられるのですが、調べると灘高から東大へ進み、一時期外務省の専門員をしていたという経歴の持ち主です。中田氏の主張は別の機会に紹介するとして、その中で教師と弟子の関係を述べているところがあり、それがそれなりに核心を突いていると思い紹介することにしました。『結局のところ、教師の条件は一つだけあり、それは生徒にとって謎であることであり、謎でなくなった時、その人は教師たることを終えます。なぜなら、知を起動するのは、好奇心であり、いまだ想像できないものへの憧憬だからです。出来合いの知識を教える者は、職人か、商人であって、教師ではありません。（中略）教師を教師たらしめるのは、教師に内在する何かの属性ではなく、弟子が教師を教師と認識すること、あるいは自分が弟子であることを自覚することであり、弟子の学びのトリガー（きっかけ）になること、つまり、学びの主役は教師ではなく生徒にあるのです。自分がいくら教師だと思っていても、師と仰ぎみる弟子がいなければその人は教師ではありません。教師を尊敬しろ、と居丈高に怒鳴る教師は教師ではありません。』この点については中田氏に同調するところがあり、今話題に上っている、立場を誇るだけの祐祖は、氏の言葉を借りれば、師の資格はないということになります。二代教祖は学歴はありませんでしたが、大学教授経歴者や高学歴な教師たちがこぞって師と仰いだことを考えれば、まさに中田氏のいう、立場としての師ではなく、無限の叡智を開示した人物だったということに他なりません。その叡智は弟子から見て、深淵かつ、謎めいた世界に映ったことでしょう。

  2015.02.18

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• 「腹六分目、という生き方」

  　　　　「腹六分目、という生き方」先日、タクシーに乗って運転手さんと話をしていたところ、２・８（ニッパチ）といって消費の落ち込む月のことを言うのですが、最近は一年を通して大きな差がないそうです。確かに、うちもこの２月は有り難いことに客先からの注文が殺到し、生産が追い付かず昼夜二交代の部門がいくつかあります。それに合わせ人手不足も深刻で、仕事柄これまで女性と雇用関係を結ぶことはなかったのですが、今はそんなことも言っておれない状況です。とはいえ、いつまで雇用を続けることが出来るか不安もないわけではありません。円安に助けられ業績が伸長している反面、外部環境に左右されない総合力を身につけなければいけないと思っています。仕事をしていますと日々いろんなことが起こり、胃が痛くなることも、嬉しいことも、合い交わってやってきます。人生は芸術であるというのは、困難に際しても前向きに捉え、創意工夫していくことを言うと思うのですが、人間生身ですから時には悩むこともあります。昨年末、たまたまＮＨＫの「朝イチ」を見ていましたら、美輪明宏さんが出演されておられ、その時の話しがとても印象的でした。『この世は、正と負、光と闇、吉と凶、相反する二つのもので構成されているんですね。すべてのものは二つが重なって初めて成り立っているわけです。ただ、みんな幸せとか、良い事など、片方だけを望んでしまう。人間はとても調子の良い時はあるけれど、最高潮に良い物を手に入れないこと。ハリウッドスターなどは、アカデミー賞をいくつ取ったとか、そんなことに心を奪われていますが、そういうスターはロクな死に方をしていないと向こうでは言われています。日本でもたくさん賞をもらったり、あまりに凄いものをもらうと、病気にかかったり、怪我をしたり、家族が不幸になったりしている。身分不相応な家を建てるような人にも、同じことが起きています。幸せは腹八分目ではなく、六分目くらいがちょうどいい。』腹八分目ではなく、もっと下の六分目がいいというわけです。これには驚きました。目の前においしい獲物があると欲望を最大化するのが人間の本性です。それを維持するために持続的な負荷が掛かり心身を乱すことがありますし、敵もたくさん作ります。良いことは腹六分目。それ以上求めず、望まない。こういう話を聴きますと、心が癒され、自分を取り戻せる気がします。

  2015.02.17

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• 「イスラム国を生み出した主因」

  　　　「イスラム国を生み出した主因」イラクは何故、イスラム国に国土の半分を譲ったのか。ナイジェリア北部では何故、イスラム過激派が確たる拠点を築けたのか。イエメンでは無人機による掃討作戦が繰り返されているにも関わらず何故、アルカイダ系組織が弱体化しないのか。これらの国に共通点を見出すとすれば、それは政治的支配層の間で腐敗が蔓延しているからだとするカーネーギ財団の著名なジャーナリストのレポートは実に興味深いものでした。政治的支配層の腐敗とは、バスに乗り込んだ乗客に警官が「お金を出さなければ痛い目に遭うぞ」と脅したり、病院で子供の治療を受ける際、治療費とは別に袖の下を医師から要求されたり、大学の入学に試験の合格基準はクリアしているにも関わらず賄賂を要求されたり、市民の間に日常的に蔓延している腐敗のことです。こうした末端で巻き上げられた賄賂は政治家の懐へ入り、とても政府と呼べる代物ではない、国家機関が一種の犯罪集団と化していることに原因があると述べています。過激派集団の勢いが衰えないのは、政府に対する不満が充満し、若者を過激派に駆り立て、この腐敗体質が一掃されない限り、軍事的掃討で一時的に壊滅させたとしても同じことは繰り返されるだろうと言うわけです。イスラム国やアルカイダのような過激集団が、何故、一種の“市民権”を得て、支配地域を拡大していったのか。私はそれを、宗教対立や欧米がこの地で主導してきた過去の憎悪が主因と考えていましたが、問題の根は政府の腐敗体質にあるとするこのレポートは、秩序ある社会には何が必要かを教えています。と同時に、宗教は安易に”御旗”に変わり得ることも示していると言えるでしょう。

  2015.02.06

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• 「コスモスの道さんへの返答」

  　　　「コスモスの道さんへの返答」長文になり字数の関係でコメントがヒットしません。今回の日記は、前日記のコスモスの道さんのコメントへの返答といたします。宗教観が大事だと述べたことが神戸や東日本の震災で表れていますよね。宗教家は人を救うことが本義ですから、無念の死を遂げた方々に哀悼の意を表すのは当然のことです。そういう姿勢にご本人の宗教観が表れていませんか。また、教会を大規模に閉鎖することにより、長年その地で信仰してこられた古参の会員の気持ちを斟酌することは宗教家として当然の気配りです。ここにも宗教観が表れているんですね。二代さんの遺骨を一時放置されたのも同じでしょう。三代さんは何を目指そうとされているのか。ここが側近教師ですら判らない。自らの理想を具体的論理的に述べていないからです。ただですね、一つの手がかりとして、「会員が仮にゼロになっても、自らの信仰を貫く」ということを述べられている。ということは、「目指す信仰」があるということです。私の推測では、「一人ひとりが真摯におしえに向き合い、おしえを通して幸せになってもらいたい」ということではないかと思います。その信仰姿勢を例えて言えば、“敬虔なクリスチャン“をイメージするんですよ。そこで、一神教の話しを出したわけです。三代さんが求める、“敬虔な“とか、”真摯な“とか、”個人がおしえと向き合う“、という信仰スタイルは、日本人には馴染まない、そういう土壌にはないと言ってきたわけです。おしえ自体がキリスト教とＰＬでは全く違うからです。神の捉え方の違いが、おしえにも信仰姿勢にも、はっきり表れているんですよ。もし、三代さんが“真摯な信者”“敬虔な信者”を理想としているなら、日本人には難しいでしょう。日本にクリスチャンが根付かないのは、そういう土壌だからですね。以上のことをトクトクと述べたわけです。これらのことは宗教論のみならず民族論や国家論にも関係してくるんですね。「琵琶湖でマグロを釣ろうとしている」とは、まさにこの認識相違を示した比喩なのです。理想は理解しますが、コンクリートに稲を栽培しようとしても稲は育たない、といいたいわけです。現に、加速度的に会員が減少していますよね。それでも、一人になってでも信念を貫くとおっしゃっている。三代さんも意外に強情というか、拘り派なんですね。もちろん、衰退の原因は他にもあると思いますが、宗教観、理念、布教手段は重要だと思いますね。そこからすべては出発するわけですから。ただ、最後にひと言、このおしえは“おしえおや信仰”を基本としてますよね。ということは、私たちに発言する権利はあっても、残念ながらどんなに可笑しいことが示されても法を犯さない限り、それを正す正当性は見当たらないんですよ。

  2015.02.04

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• 「命日」

  　　　　　「命日」本日、２月２日は二代教祖の命日にあたります。至らぬ私が今日あるのは、思春期にお導きを頂いた二代さんのお蔭と心から感謝しております。起業して一時期、信仰と少し距離が空いておりましたが、ご恩を忘れたことはありません。いつか恩返しをと思っておりましたところ、内部の実情を知り、考えた末、家族や社員のために私が捨石となって働くことが恩に報いるのではないかと思うようになりました。世界はいまだ紛争や戦争は終息せず、二代さんの悲願であられた世界平和には程遠いのが実情です。私は世界を俯瞰するような秀麗な仕事をしているわけでもなく、一介の中小企業の経営者ですが、家族や社員の生活を守ることで悲願の一助になればと考えています。教えて頂いた期間はほんの僅かです。しかし、少年の心にはくっきりとその珠玉が刻まれています。ありがとうございました。

  2015.02.02

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• 「羊に大と書いて、美しい」

  　　　　「羊に大と書いて、美しい」今年もあっという間に１０日が経ちました。仕事始めは例年忙しく、来週も遠方への挨拶回りがあります。さて、今年の干支は「羊」。羊にちなんだ話しを日記にしたいと思います。羊は群れをなして生活をしています。その群れのリーダーには、体が一番大きく俊敏で力の強いものがなるそうです。羊はおとなしい動物の総称のように言われていますが、肉食動物に群れが襲われた時、リーダーは子羊や年老いたものを守るために一番に敵に向かっていくそうです。追い払うことが出来なかったとしても、自分が餌食となって犠牲になることが羊のリーダーの使命でした。「美」という漢字は、「羊」の下に「大」と書きます。「羊」の「大」、つまり羊のリーダーは自分が群れを守るための「美しい」存在だったのです。「美」という漢字は、この羊のリーダーの行動が起源になっているそうです。もう一つ、実在の人物だった清水の次郎長は、このような質問をされたそうです。「あなたの数百の子分は、親分のためなら命を落としても構わないと言っているが、その子分たちの心を掴むコツは何か？」と尋ねられました。次郎長親分は、しばらく考え、「よくは判らないが、子分のためなら自分は命を落とす覚悟はいつも出来ている。」と答えたそうです。羊といい、次郎長といい、下の者のために犠牲になる。ずいぶん昔に聞いたことですが、美しい話として心に残っていました。

  2015.01.10

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• 「恭賀新年」

  　　　　「恭賀新年」みなさんよいお年を迎えられましたか。久しぶりに紅白を通して見ました。競うのではなく個性を発揮する平和の祭典のように感じました。さて、今年の干支は未（ひつじ）です。未とは木が成熟していない様子を現わしていて、ひつじを未（み）と読ませたのは庶民に動物の名前をあてて判り易くしたのが由来と言われています。有名人では、ビル・ゲイツ、ケビン・コスナ―、所ジョージ、仲間由紀恵、前田敦子などがいます。今年が、ひつじのように穏やかな一年になればいいですね。今年もよろしくお願いいたします。

  2014.12.31

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• 「ゆく年　くる年」

  　　　　　「ゆく年　くる年」今年もあと一日となりました。みなさんにとり今年はどんな一年でしたか。子供の頃この時期は親戚が集まり餅つきをし、おせち料理を作っていたのを思い出します。親戚づきあいもめっきり減りました。柱となる長老がいなくなったことが大きいのですが、個室に閉じこもり大広間に集まろうとしない風潮を感じます。今年一年、お疲れ様でした。よい年をお迎えください。

  2014.12.30

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• 「義と結び」

  　　　　　「義と結び」松下幸之助翁は社員との結びをとても大切にされていました。日記にも書きましたが、昭和初期のニューヨークに端を発した世界金融恐慌の煽りで松下電器も倒産の危機に直面したことがあります。新聞には毎日どこの銀行が潰れた、○○会社も危ないという記事ばかりでした。松下電器も同様に売り上げは激減し、倉庫は在庫の山だったそうです。当時松下には５００人程度の社員がいましたが、幸之助翁は危機に瀕しても誰一人として解雇しませんでした。それに燃えた社員が倉庫に眠っている製品を日曜の休みもなく売って歩いたそうです。努力の甲斐あって在庫は一掃され、松下は危機を脱しました。後年、幸之助翁は当時の社員の結びが今日の松下電器を作ったと熱く語っています。二度目の危機は戦後ＧＨＱの命令で公職追放された時です。松下は国の命令で軍用品を作っていました。会社は解体され幸之助翁は社長を退きます。しかし、労働組合が立ち上がりＧＨＱに嘆願書が出され解除されることになりました。その裏には、内部留保を取り崩し社員の救済にあたった幸之助翁の社員に対する義が逸話として残っています。話しは変わり、日本史で有名な関ヶ原の戦いは数の上では西軍に圧倒的に有利でした。加えて、秀吉の子、秀頼を担いだことも有利に働いていました。西軍の実質的な大将は石田三成。西軍勝利は確実かに見えましたが、史実は逆でした。それもそのはず、三成は義を盾に武将を纏めようとしたのですが、三成の義は豊臣を守るためだけの偏ったものでした。それは関ヶ原以前の三成の態度にも表れています。三成の義に人の心が動くことはありませんでした。義を語らせればどちらにも義はあります。義には下が上に報いるものと、上が下に思いやるものとがあります。義なくして結びなし。結びなくして成就なし。一見、正当に見える義も一部の人間だけの、又は中味のない形式的な義を不義と言い、神に届くことも人の心を動かすこともありません。その識別は義を語る人間の言動です。

  2014.12.03

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• 「変質した、日本人」

  「変質した、日本人」９月期決算が確定し一息ついたところです。来週から１２月。一部の部署で在庫整理がついていないため昨年末ほど慌ただしくはありません。７～９月のＧＤＰ失速の直接の原因は４月の消費税増税と急激な円安の影響と思われますが、それ以外に長く続いたデフレマインドが払拭できていないように見えます。ちょっと元気になったかと思えば、すぐ寝込んでしまう。これは体調不良によるものではなく、現代の日本人気質によるものではないかと思っているのです。もともと日本人は真面目にコツコツ働く民族で、手本を示せばとてもうまくやり遂げます。また、困難に際しても身を粉にして働きます。しかし、最近の日本人は大きな痛手を被るとすぐ萎縮してしまう。挽回しようとしない。さらに言えば責任を取らない、まわりの顔色を窺い歩調を合わせる、そんな気質に変質してしまったのではないかとも思えます。その責任は政治家や私たち企業のトップにあります。リーダーが逃げていたのでは国民も尻込みしてしまう。失われた２０年という言葉をよく聞きます。失われたのは困難から身を避ける術だけは成長した私たちリーダーたちではないか、そんな風に思ってしまうのですがどうでしょうか。

  2014.11.28

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• 「金融緩和とコマツ」

  　　　　　「金融緩和とコマツ」日銀が追加の金融緩和をしました。何故この時期にと、少々驚きましたが、日銀は消費税増税に積極的でした。今回の金融緩和で安倍さんは増税を決め易くなったでしょう。増税は確実でしょうが、今の状況から半年ずらすのではないかと見ています。目論み通り日銀は掲げる物価２％の手応えを感じていることでしょう。それに関連して株や収益不動産、貴金属はさらに値を上げ、消費も上向くでしょう。企業の設備投資も進むと思います。為替の１１５円、株の１８０００円は通過地点で、来年には１２０円、２００００円をそれぞれ目指すでしょう。一方、庶民や輸入業者にとってはこれ以上の円安は大変です。しかし、日本全体で見れば円高より円安の方がメリットは高いのです。政府日銀は総力を結集し、何がなんでも景気回復をやり抜くでしょう。ここはデフレ脱却出来るかどうかの正念場です。さて、日経新聞今月の「私の履歴書」は元コマツの社長会長を務められた坂根正弘さんです。この方の社長時代に世界第一位のキャタピラーに次ぐ建機会社にコマツを大発展させました。その理由と背景を期待を込めて読んでいます。冒頭、どの成功者も口を揃えて言うように、「あとで振り返ると目に見えない不思議な縁に導かれ・・・、（今日のコマツの大躍進は）様々な奇遇や縁が積み重なった結果である。」と坂根さんは言っておられます。確かに、私も小さい会社ながら同様の不思議な縁に導かれ、気が付いてみると様々な恩恵に浴してきました。どんな些細な縁もなくてはならないものでした。また、坂根さんは「コマツも内向きな時代があり、社長の逆鱗に触れ●●さんが飛ばされ、何が起きているのか判らない時代もあった。会社を良くするには時間がかかるが、悪くなるのはあっという間だと痛感した。」とも述べておられます。そんな経験を私もしましたから、その意味がよくわかります。「あの時が、大きな分かれ道だった。」ということは誰にでもあります。その分かれ道にベストな選択の出来た人が成功者になるのでしょう。人生を振り返るには私は、まだ若い。先にならないと判らないことも多々あるでしょう。一体どんなドラマが待ち受けているのでしょうか。

  2014.11.04

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• 「模範的信仰者とは、」

  　　　　　「模範的信仰者とは、」模範的信仰者という話しがでましたので、少し私の考えを述べて見たいと思います。模範的信仰者とは如何なる信仰者のことを言うのか。例えば、戦前の模範的人間は天皇、国家に忠実な人のことです。（それを肯定しているわけではありません）ひとのみちのおしえに模範的な信仰者は国賊あつかいでした。（もちろん暗黒時代の犠牲者です）つまり、時代によって求める人間像は違うのです。また、国への財務報告に違反するのは模範的と言えるのか。健管不正により会員の浄財を散財させた教師は模範的と言えるのか。三代を信奉するグレープ氏は一般的に模範的信仰者と言えるのか。先祖を粗末に扱う人を模範的と言えるのか。三代さんのいう模範的とはどういう中味なのか。今ひとつ判りません。私は模範的な人間になるために信仰するというのは、信仰のベクトルが違うと思うのです。Ａさんの信仰の目指すもの、Ｂさんの信仰に求めるもの、人には様々な信仰の動機と目的があります。模範的であることは大いに結構ですが、模範のひと言では括れないのが信仰です。信仰にすがる人は、模範となる健常者ばかりではないのです。むしろ、心の病人だから信仰にすがると言った方が近いでしょう。普遍的模範というなら、宗教ではなく道徳に属します。その場合、無宗教の方が模範者として扱いやすい。何故かと言えば、キリスト教徒の模範と仏教徒の模範とＰＬ教徒の模範は違うからです。どんなにＰＬ教徒がおしえに模範的であったとしても、仏教徒やキリスト教徒の間では模範にはならないでしょう。せいぜい、いい人くらいの評価です。例えば、学会の純粋信仰者がどんなに立派と言えど、ＰＬ信徒は模範にはしません。信仰の価値観、目指す価値観が違うからです。結論をいえば、三代さんの言う模範的信仰者とは宗教的アプローチから述べているものではないように思います。むしろ、道徳の類でしょう。そうでなければ、矛盾します。ただ、道徳と宗教は似て非なるもので、そこを目指すと宗教的発展は見込めないのは自明です。宗教とは独自の教義に立脚し、それを追求するのが信仰だからです。そして、信者に模範的信仰を求めるなら観念論でも理想論でもなく、自らが実践し証明すべきです。

  2014.10.14

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• 「近くて遠い隣人」

  　　　　「近くて遠い隣人」先日亡くなられた山口淑子さんには親近感を抱いています。たぶん、出身の中国東北部にむかし会社を持っていたこと、そこで知り合った友人とは今でも親交があること、また東北部出身の残留孤児三世をたくさん雇っていること、さらに叔父が満鉄職員だったことが関係しているかもしれません。叔父は当時のことを周囲にほとんど語ることなく亡くなっています。今日は日中の狭間で激動の半生を送った山口さんを偲び日記にしたいと思います。ちなみに、山口さんは日中友好の懸け橋となる様々な活動をされてきました。私は何故米英という大国に無謀な戦争を挑んだのか、それが知りたくて昭和史を読み直しています。大きな転機になったのは、第一次世界大戦ではないかと思っています。あの大戦で使われた兵器は機関銃、戦車、潜水艦、飛行機など、それまでの戦争にはなかった近代化したものでした。また、戦争が国を挙げての総力戦になっていたことも注目すべき点です。軍部内では近い将来起こり得るであろう世界大戦に備えることが火急の課題でした。一方、時代は大正デモクラシーを礎に日本は開かれた国へ進む気配もありました。その流れを断ち切ったのが陸軍内で次期世界大戦に備えようとする一夕会の台頭ではないかと考えています。当時、政治家と軍の中では、中国とは穏健外交に徹すべきとする一派と満蒙に独自政権を打ち出すべきとする一派に分かれていました。満州事変の発端となった柳条湖事件の主犯は関東軍の板垣征四郎と石原莞爾です。彼らは政府の方針を無視し中国軍の仕業と捻じ曲げ満蒙領有に邁進します。昭和天皇はこれに激怒し当時の田中義一内閣は総辞職します。中国では満州事変を「９，１８事変」と呼び日中戦争の発端と位置づけ瀋陽市郊外に大規模な展示館を作っています。私は一度ここを訪れています。満州事変以降、一夕会を中心とする陸軍のメンバーが国を実質統治し、太平洋戦争へと突き進んでいくことになります。経験や見識不足の者たちが巨大な権力を握ったことで日本は不幸な運命を辿ることになります。昭和天皇も若かったこと、ブレーキを掛ける明治の元勲らはすでにいなかったことも二重の不幸でした。中国との共存共栄を推進していた一派が主導権を握っていればあの大戦はなかったのではないか。軍部のみならず政治家においても未熟だったことは言うまでもありません。勇ましさを並び立てる人間に民衆が引きずられていくのはドイツやイタリアでも同じです。集団的自衛権、秘密保護法、憲法改正など勇ましい発言は、いつか来た道を歩んでいないか、今一度私たちも冷静に考えてみる必要があります。安倍さんには地球を俯瞰する外交を自認する前に近い隣人との友好なくして国富なしの心得のもと、１１月に北京で開催されるＡＰＥＣで中国との関係改善を図っていただきたいと強く願っております。山口さんのご冥福をお祈りいたします。

  2014.09.15

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• 「見返りを求めない生き方」

  　　　　　「見返りを求めない生き方」作家の玄侑宗久さんが天竜寺で修行をされていた時の話しを紹介します。ご存じ、宗久さんは「中陰の花」という作品で芥川賞を受賞されました。その天竜寺で宗久さんが毎朝庭掃除をしていると、「おはようございます」と声を掛けてくるお坊さんがいたそうです。宗久さんには師匠がいまして、はじめはその方が誰だか判らなかったそうです。その方は、毎朝お寺の周辺を散歩され、そこで決まって出くわす人がいました。その人にもにこやかに「おはようございます」と声を掛けられたそうです。しかし、挨拶されてもその人は無視。返事をすることがなかったと言います。３年過ぎたある日、いつものように「おはようございます」と声を掛けたところ、ひれ伏して「ごめんなさい」と言われたそうです。その人に何があったのかまでは判りません。いつもにこやかに挨拶されていた方とは、なんと天竜寺の管長さんだったそうです。この宗久さんの話しを、ある作家が次のように語っておられました。「管長さんは、相手を責めたわけではありません。ただ自らの生き方として、相手がどういう態度であろうと関係なく『おはようございます』と言い続けた。そういうことに徹した、ということだと思います。『これほど自分が挨拶しているのに、返事をしないとは何事だ、』というのは簡単でしょうし、一般的な反応かもしれません。しかし、それでは挨拶をしている意味がありません。挨拶をしていることで結局喧嘩を売っていたのでは何もならないでしょう。『おはようございます』と声をかけることは、管長さんの側からすると自分勝手ということであったかもしれません。自分が行として、ただそのように毎日を送り、そういうことに徹し、相手がどのような反応であろうと関係なく、そのように生きる、ということであったのでしょう。」この話しを聞きまして、とても教えられるところがありました。今回、私の注釈は無しにします。

  2014.08.26

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• 「平和について」

  　　　　「平和について」この時期になりますと終戦にちなみ戦争に纏わる番組を多々見受けます。昨夜はＮＨＫで山本五十六の新たな真実について放送していました。五十六は対米開戦には終始反対でしたが、真珠湾の奇襲攻撃では一躍ヒーローとなります。続いて深夜にはヒットラー権力掌握への道という、ヒットラーを生んだ当時の世界情勢にスポットを当てた番組内容でした。どんな英雄も奸雄もその多くは時代が作ったと言っても過言ではないようです。人と時代は、細胞と人体の関係に等しく、人体の死滅の前に細胞の劣化や癌化という同時的な互換性があります。さて、改めて平和について考えてみますと、平和とはかなり幅の広い概念で、非戦争のみならず人権、公正、平等、さらには非暴力、飢餓、貧困など、これらの事が解決出来て初めて平和といえそうです。戦争以外はかなり克服されましたが、それでも長い時間を掛け大変な犠牲を人類は払ってきました。その犠牲の上に今の日本の平和があるわけですが、もし生まれてくる時代がもっと前なら自由も人権も職業や身分の差別も、さらには無意味な戦争にも駆り出されていたことでしょう。さらに進め、平和の対極にあるものを分類すると、人権や自由といった人間の尊厳に関わるもの、飢餓や貧困といった生存を脅かすもの、国と国の争いといった戦争の大きく３つに分けられます。これらは個人の力を超えた外的なものです。そして、もう一つ重要な平和の基準があります。それは心の安らぎという内的なものです。私たちは心の平安を求めて信仰しているわけですが、戦争を克服すれば平和が訪れるという単純なものでもなく、これらすべてを克服できて初めて平和な社会が実現するといえそうです。世界平和実現というのは、考えてみれば大変な作業ですね。少なくとも内的な平和については自助努力で獲得したいものです。

  2014.08.12

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• 見方を変える

  　　　　「見方を変える」最近は、公私ともに忙しくしておりまして、日記の更新が遅れています。日々、良いことも悪いこともいろいろありまして、一喜一憂することはありあせんが、観察してみますに良いことは一瞬で終わり、悪いことは停滞する、そんな印象を受けます。これは良し悪しの物理量の問題ではなく、人間の脳の働きによるものではないか。人間の脳は危機に際し生存本能が強く働くように出来ている。大したことでもないことに敏感に反応するのは、心が弱いのではなく、人間が本来持っている生存本能に関係していると思うのですがどうでしょうか。そのような時、見方を変えてみるといいかもしれません。ある方がこのようなことを言っておられました。「私の長女は障害を持って生まれました。はじめは絶望とその子の将来を憂えることで夫婦ともに落ち込みました。半年が経ったある日、新聞に『障害を持った子は８００人に１人の割合で生まれてくる。』という記事を見て、その多さにびっくりしました。８００人といえば自分のマンションに住んでいる住民の数がそうだったからです。そして、この子はよその家に生まれるのではなく、私たちのような優しい夫婦を選んでこの世に生まれてきて本当に良かった。もし、意地悪な家庭に生まれてきたら悲しい一生を送っていたと思う。この子を通して私たち夫婦は何かを教えられている筈だ。この子と共に生きよう、」と決心したらしいのです。それ以後、心は解放され、いろんなことを受け入れられる人間になったと言います。その方は、のちに大きな業績を残されました。見方一つで人間はこのようにも変われるのか。私はこの方の話しを聞いて胸に突き刺さっていたあるトゲが取れたことがあります。人間の心は見方によっては無限の広がりがあります。一方、それを狭くしているのも心です。見方によってどんな不幸も変わるという話でした。

  2014.08.09

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• 「二つの話し」

  　　　　　　「二つの話し」日記の更新が遅れています。一つの日記にコメント数が１００を超えると閲覧するのも一苦労です。そんなこともあり今日は先日の講演会の話しを紹介してみます。講師は現在大手企業の会長として世界を飛び回り、政府の諮問機関のメンバーにもなっている著名な方です。約２時間の講演の中で２つほど心に留まる話がありました。一つは、「社員のやる気を引き出せ、」という話しです。「社員のやる気を引き出せ、」というのは本でもよく見ますし、どこでもよく聞く話しです。特に目新しいものではありません。しかし、この方の言う引き出せは、ちょっと違いました。社員が仕事が楽しくて楽しくて仕方がないという環境を社長が作りなさい、というのです。仕事は義務や命令では長続きせずよい成果は期待でません。そのことはわかっていたのですが、ついつい社長は口を出してしまいがちです。会議でも一番口数の多いのは私です。それでは社員が心から理解したことにはなりません。社員がその気になり、喜んで仕事に取り組む姿勢がなければ本当の意味での成果は上がらないのです。その工夫や努力を怠っていたと反省させられました。二点目は、アメリカと日本の企業の違いは、ベンチャー企業の数だと仰っていました。アメリカではここ２０年で時価総額の上位１０社は一変したそうです。時価総額とは企業が保有する総資産のことを言い、以前はIBMとかゼネラルモータースなどが上位に来ていたそうですが、今はアップルやマイクロソフトなどの新興企業が独占しています。日本ではトヨタに次ぐのはソフトバンクですが、依然従来型の大企業で占めており、新陳代謝がありません。昔のソニーやホンダに代わる企業の出現が日本には必要だと説きます。そのためには国は更なる規制改革をして、ベンチャースピリットのある若者を育てなければいけないと強調されていました。さらに、日本社会に根強くある「出る杭は打たれる」という悪しき風習にも苦言を呈しておられました。誰もがチャレンジできる土壌は経済を拡大させ、国を富ませ新たな価値を社会に生みます。その恩恵を受けるのは巡り巡って私たちなのです。私も２０数年前チャレンジ精神を持って起業しました。未だに中小企業の域を脱しませんが、これからの若い人には大きな夢に向かって勇気を持って起業してもらいたいと願っています。

  2014.07.16

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• 「ハイブリッドに生きる」

  　　　　「ハイブリッドに生きる」自分の過去を振り返ることはあまりないのですが、コスモスの道さんとの会話で感じることがあり、それを少し書いてみたいと思います。いきなり暗い話になり恐縮ですが、人間は川の泡沫（あわ）ように感じます。川とは、私たちの生きている次元の世界です。つまり、川という次元に張り付いて、沸いては消える泡沫が私たちの人生ではないかと思うことがあります。泡は長く川に張り付こうとします（そのように見てしまいます）が、その時々の川の形状や勢いよって大きさも消えるまでの長さも決まり、何時どこにわき出るかは私たちの意志の外にあります。川は何世紀にも渡り流れ、この先も永遠と流れ続けるでしょう。その一瞬にフッと沸いて生まれた泡が私たちの人生のように思えてなりません。お釈迦さんは、一切の存在を無常と説かれました。無常とは固定された存在などないという意味です。いわゆる諸行無常、諸法無我です。我なし。あらゆるものは変化し、主体なるものは存在しない、主体と思うのは我執であって、それによって憎しみも、欲も、悲しみも生まれると言います。一瞬の泡として生まれたお釈迦さんも、たくさんのせつない泡をご覧になり、このことだけは後世に伝えておきたい、人々を安寧させたい、と思われたのではないでしょうか。私は煩悩にまみれていますので、このことが人一倍身に染みるのです。４０代までは二代さんの教えに惹かれました。個の独創性、個の唯一性をいかんなく説かれた教えはとても魅力的でした。あらゆるものを、感情までもコントロール（ゲイジュツ）する。その見識はお釈迦さんの主体などないという思想と対極ある画期的な教えでした。人間を、人生を、我が物として構築（ゲイジュツ）する喜びは、人間の奥義を示されたものと観じ、その方向にまっしぐらに生きてきました。もちろん、今もその教えが生き続けています。しかし、５０を過ぎた頃から人生の儚さを感じるようになり、諦観する味わいを知りました。それは肉親の死、東日本大震災、貧民国での体験が大きく影響しています。震災や貧民国で体験したことは、同じ人間として悲しくせつないものでした。（ただし、二代さんはどんな境遇、環境にいても人生は堪能（ゲイジュツ）出来ると仰っていましたが、）また、自分自身の限界も、それを実感する一つとなっています。今は、二代さんとお釈迦さんの教えのバイブリッドに生きているといったところでしょうか。その時々に、お二人の教えがなければたぶん挫折していたでしょう。生かされ生まれた一瞬の泡にも、出会いの機会を作ってくれた神さまの助けを深く感謝しています。

  2014.06.25

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• 「リセット適齢期」

  　　　　「リセット適齢期」昨日、移動中に雑誌を読んでいますと、「５０代こそ、リセットのススメ」という特集記事がありました。要約すると、会社の早期退職に応じ、起業する人。老後に幸せな生活を送ろうと、結婚再婚する人。これまでの人生を見直し、宗教を学ぶ人。そういう５０代が定年を控え新たな自分を探そうと、増えていると言うのです。５０代は団塊の世代から一回り下の、戦後の貧しさの名残りと高度成長による豊かさの二つの時代を経験した世代です。団塊の世代のようなパイオニア精神はありませんが、左や右に傾いた思想もなく、どちらかと言うと、上が敷いてきた道をノンポリティックに歩んできた世代と言えます。とは言え、夢や行動力がなかったわけでもなく、団塊の世代とは違った新たな世界を模索したところはあったのです。多様化した社会を創出し、個人の生き方に花を持たせたのは、この世代です。ただ、彼らが最も社会で活躍できたはずの時期にバブルが弾け経済が停滞し、社会が閉塞し始め、憂き目を味わった世代でもありました。誰でも５０になれば管理職に就けた時代は遠い昔の話しになり、早期退職か役職定年を迎えた５０代の多くは、外に向けた夢や希望を個人や家庭に求める内向きのはしり世代とも言えそうです。そういう彼らが今度は、熟年再婚や初めての婚活に意欲を見せていると言うのです。５０歳で２０％を占める婚姻歴のない男性に加え、再婚希望者が人生の最終の場に家庭を選んでいるというわけです。なんと微笑ましい話しではないでしょうか。さらに、企業戦士を脱し、宗教に拠り所を求めているのも５０代が多いそうです。この人たちは信徒となって信仰を深めていくという一昔前のスタイルではなく、通信講座や座会で「宗教的なもの」に触れることにより、心を癒す場として宗教を活用しているのです。以前にも書きましたが、この世代は親たちが宗教に求めた「貧病争」からの救済を、「癒しや安らぎという精神的なもの」に変化（進化）した世代でもあります。これも初期の日記に書いておりますが、信仰の世代交代に失敗したところは坂を転げ落ちるように一気に衰退していくはずです。時代を見誤った宗教は、信者のいない静まり返った空の建物を、神の宿る静寂な場所と偽り始めるでしょう。造花を生花と偽るように。少しわき道に逸れましたが、生きて２５年。５０代というのは、人生経験も豊富ですし、それを持って今後の人生を見直す、リセット適齢期なのかもしれません。悩んでいる５０代こそ、リセットが必要といえそうです。かけがえのない、たった一度の人生のために。

  2014.06.11

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• 「ズレた国の、黄昏た日本」

  　　　　　「ズレた国の、黄昏た日本」世界７ヶ国の若者の意識調査によると、「自分の将来に希望が持てるか」との問いに、「持てない」と答えた若者が、日本が一番多かったそうです。この調査は、日本を始めアメリカ、ドイツ、イギリス、フランス、スウェーデン、韓国の７ヶ国の１３歳～２９歳の男女を対象にしたもので、日本以外は、８，９～１７，６％と低く、日本は３９，４％で最も高く、希望の持てない国の最下位。若者にとり一番大切なのは明日への希望であり、生き甲斐です。彼らの多くはデフレ経済と迷走する政治に生まれ育った、まさに「閉塞した社会」の申し子たちです。これまで何度かそのことを指摘してきましたが、改めて数字を突きつけられるとショックを隠せません。若者にとり、日本は未来のない黄昏た国になってしまったようです。先日書店でタイトルに目が引かれ、ある本を買いました。「だから日本はズレている」という本です。著者は最近テレビによく出てくる、古市憲寿という若者い社会学者です。ズレているのは古市さんかと思って読んでみると、意外や意外、今の社会の問題を鋭く突いており、調査にもある「将来に希望が持てない若者」の実相を代弁しているようにも見えました。彼の指摘は、今の社会を作って来たおじさん世代に向けられ、厭世的な若者が増えているのは、その社会を作った私たちから上のおじさんたちの「思考のズレ」に原因があるというものです。バブルとその崩壊以降、日本にはかつてない極端に閉塞した社会が生まれました。拝金主義とモラルの崩壊。長銀、拓銀、山一破綻にみる未曾有の金融危機。円高とデフレ。ＩＴバブル崩壊。閉塞した時代に生まれ育ち、明日への希望の持てない若者がその影響を受けているとするなら、その時代を作ってきた私たちから上の世代に責任の多くはあるでしょう。もちろん、私たちは手を抜いてきたわけではなく、それなりの努力はしてきたつもりですが、ボタンの掛け違いをやってきたという懸念は残ります。どんなに暗い時代だったとしても、明日がある、という希望は人間には、特に若者には絶対必要です。社会とは、結局、世代と世代のリレーです。どこが境かという明確なものはないにしても、受け継いだ社会を次の世代に出来るだけ綺麗な形で渡すのは私たちの責任でもあります。「今の若者は、」という前に、「今のおじさんたちは、」という問い掛けを、私たちの方から先にしてみる必要があるかもしれません。

  2014.06.04

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• 「旅の終わり」

  　　　　「旅の終わり」毛沢東の死後、長く続いた政治的混乱を収束させたのは登小平でした。彼の行なった改革解放政策は人々に多くのチャンスを与え、巨大な富をもたらしました。しかし、経済成長に比重の置いた政策は社会の様々なところに歪みを生じさせることにもなりました。頻発するテロ、汚職。これらは中国が急成長した歪の現われです。一方、一人のわが子を幼少の頃から複数の塾に通わせ、競争に打ち勝つ賢い子を育てようと心血注いでいる姿は、短期に養鶏を太らせるブロイラー飼育のように私には写りました。共に産し共に分配する共産党教義は、資本主義を通し豊かな者が貧しい者を支える新たな教義に代わり、そのチャレンジの過程にあるようです。国を支えるのは人と経済です。経済成長は人の労働量と質に比例しますが、平等な分配には比例しません。平等な分配は、言葉とは裏腹に能力ある人間の労働意欲を低下させ、結果的に国を豊かにすることを妨げます。競争社会において平等は真の公平とは言い難いのです。しかしながら、いき過ぎた競争は人々の間に格差を広げ、歪な社会を作り、そのジレンマに陥っているのが今の中国のようにも感じました。（これは中国に限らず、すべての国に該当するジレンマです）今回の旅は、古都西安から始まり発展著しい内陸部の一大都市成都で終了します。私が中国人に興味を持つのは、彼らの逞しい生存本能です。世界のどこの国に行っても華僑がいて、強力な扶助組織を築いています。情報は彼らの中で瞬く間に広がり、いい情報には飛びつき、悪い情報には無関係を貫く変わり身の速さ。生きるためには我が身を捨ててでも協力し、相手が格下と見れば足元を揺さぶる狡賢さ。中華街は外部圧力から身を守るための城壁としての智恵。総論各論において中国に異論はあるものの、ハングリーな生き方、したたかな生き方に忘れてしまった逞しさを感じるわけです。通訳の李さんが「中国は変わりませんよ。それを４千年続けてきたのですから。」と言った「それ」とは、このハングリーさ、したたかさ、ではないか。そんなことを思いながら中国をあとにしたのです。おわり

  2014.06.02

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• 「ジョさんの子」

  「ジョさんの子」成都市は中国内陸部にある一大都市です。人口約１４００万人。東京都とほぼ同じ人口です。９万人以上の死者が出た四川大地震では、成都も大きな被害を受けました。高層ビルは大変な揺れだったそうで、それでも倒壊したビルはなく建築基準は思った以上に厳しいのでしょうか。成都はパンダでも有名です。日中友好の親善をして初めてお目見えした上野動物園のカンカン・ランランは、四川省の山奥で捕獲されたパンダです。当時、上野には連日たくさんの人が押し寄せ、「客寄せパンダ」という言葉も生まれました。その夜、私はジョさんの家族と「味千ラーメン」で食事をすることにしました。ラーメン店と言っても焼肉やサイドメニューのたくさんある大型ファミリーレストランで、中国国内に５００店舗もある超有名店です。ジョさんは奥さんとお子さん、そして両親の５人家族。お父さんは国営企業を定年退職され、今は年金生活者です。ジョさんにはこの春から保育園に通われている２歳半の男の子がいます。そのお子さんは少々問題を抱えているらしく、奥さんは先生からこんな話しをされたそうです。「お子さんはお昼寝もしないで、私の言う事を聞きません。躾が出来ていないのは、甘やかして育ててきたからでは？！」先生の「躾が出来ていない！」という言葉に、ジョさんの奥さんは落ち込んでいたようです。ジョさんからは、逆に奥さんは子育てに厳しいと聞いていましたので、そのギャップに悩まれているのだとうと思いました。そこで、私はこんな話しをしました。「奥さんはお子さんに厳しいと聞いていますが、あれもダメ、これもダメ、という頭ごなしの教育をされていませんか？　何故ダメなのかを子供の目線に立って教えてあげないと、お子さんは誰に対しても拒否反応を示すようになると思いますよ。」奥さんは、ギョッとした顔に変わりました。「それと、お子さんは早熟で物分りのよい子と思います。私にはそう見えます。きっと、お昼寝は価値のないものと思って外で遊んでいるんですよ。みんなと遊びたいために保育園に行くわけで、お子さんにとってそうではなかったのではないでしょうか。それと何故、お昼寝が嫌なのか聞かれたことはありますか？」「ないです。先生の言う事だから」「先生の言う事が一番とは思いません。これは善悪の類ではなく、保育園のカリキュラムですよね。眠くない子にお昼寝を強制するのは、どうかと思いますね。まだ、幼児ですよ。」こんな話しをしました。奥さんはびっくりした顔をされていました。つづく

  2014.05.30

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• 「蜀の国へ」

  　　　　　　「蜀の国へ」私は友人の招きで次の目的地、四川省成都に飛びました。成都は三国志で有名な蜀（しょく）の国の都です。蜀の王、劉備（りゅうび）は、知略家で名の知れた諸葛孔明を参謀に招き入れるため三度も孔明のもとを訪れます。有名な「三顧の礼」はそこから付けられました。楊貴妃が処刑されたことを前々回の日記に書きましたが、一連の政変に巻き込まれた一人に杜甫がいます。杜甫は元々長安で詩を書く傍ら科挙を目指していましたが上手くいかず、玄宗皇帝や高官に詩を献上し、やっと任官できたところでした。そこに事件が起きます。楊貴妃の従兄弟と対立した安録山は玄宗皇帝一派を都から追い出します。楊貴妃は従兄弟の責任を取り処刑されますが、任官まもない杜甫も国外に逃亡します。「国破れて山河あり、（国は滅んでも、美しい山や川は自然のまま残っている）」という、有名な詩はこの時の詩です。杜甫は一時捕虜になりますが、その後脱出し、友人を頼って蜀の国（成都）へやって来ます。その蜀の国、成都空港で出迎えてくれたのは友人のジョさんです。ジョさんは１０数年前日本の大手メーカーの技術者として来日され、その後会社を興し、中国と日本で会社を経営されています。「こんにちは、この度はありがとう。」「ヨウコソ来られました。オツカレでしょ。ユックリ楽しんでクダサイ。」私たちは市内中心部にある麻婆豆腐発祥の店「陳麻婆豆腐本店」に直行し、お昼を取ることにしました。成都に来れば必ず寄るお店です。定番の麻婆豆腐は５０元（８００円）。以前より高くなっていました。それでも一人ではとても食べ切れない量です。中国は一品一品の量が多いのです。ご飯はボールのような容器に入り食べ放題。水分の少ないパサっとしたお米です。本場の麻婆豆腐は唐辛子に山椒が入り、どす黒い色をしています。何回か来るうちに慣れましたが、半端な辛さではありません。由来は、その昔下町の主婦が急な来客にあり合わせの材料で作ったのが始まりと言われ、麻婆とは主婦（お婆さん）が、あばたの顔をしていたところから付けられたそうです。日本では陳さんの紹介により日常的なメニューになりました。つづく

  2014.05.26

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• 「旅の別れ」

  「旅の別れ」西安の旅は、お釈迦さんの遺骨が納められているという法門寺を見学して終わりました。世界的にも仏舎利のある希少なお寺です。翌日早朝５時半に次の目的地に向かってホテルを出発し、見送ってくれた通訳の李さんとは空港でお別れしました。私たちは、空港ロビーにあるコーヒーショップで搭乗時間までの間、暫し話をしました。「この度は、お世話になりました。ずいぶん勉強になりましたよ。」「それは良かった。次にこちらに来られることがありましたら、またご一緒させてください。」「ところで、李さんは今の中国をどのように見ておられますか？」「中国は過渡期です。この国の将来は実のところ私にもわかりません。それは次の世代の人が決めることです。」「日中に大きな壁があります。この壁はなくなりますか？」「なくならないでしょう。中国は中国のままです。それを４千年続けてきたのですから。」「しかし、もし中国が世界をリードしていく気があるなら、欧米の流儀を身につけなければリーダーにはなれないと思いますが！？」「中国にはそんな大それた考えはないと思います。そこまでの力はないですよ。」「今の共産党を支持していますか？」「逆に、それ以外の政党があるでしょうか。」「もし、国民党の蒋介石が政権を取っていたら、中国はもっと早く近代化していたのでは？」「そうとも限りません。国民党政権は腐敗に満ちていました。今の共産党どころではないのです。あの頃、賄賂や不正は酷かった。あのまま続いていたとは思いません。」思いもよらぬ答えが返ってきました。確かに、中国の歴代皇帝が倒れた背景には腐敗や汚職がありました。初代、二代まではいいのですが、末期になると贅の限りを尽くすし、側近は私腹を肥やすし、いずれも財政破綻が原因でした。これは会社でも言えることで、倒産する会社は人不足でもモノ不足でもなく資金枯渇です。その資金を枯渇させるのは、人です。ともあれ、西安の旅は李さんという有能な通訳のお陰で何倍にも楽しむことが出来ました。「李さん、ありがとう。ぜひまた再会しましょう！お元気で！」「こちらこそ、ありがとうございました。記念に私の翻訳本を差し上げます。ぜひ読んでください。お元気で、再見（サイチェン）！！」「シェ、シェ。サイチェン！！」

  2014.05.22

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