覆水盆に返らず今日、敬老の日にちなみ、ニュースで「孫に残したい言葉」という記事があった、その、第3位にこの「覆水盆に返らず」が入っていた。 この「覆水盆に返らず」と言葉を知ったのは、確か中学2年生の時だった。 NHKラジオで「続基礎英語」という、語学学習番組があり、その中で英語のことわざが紹介されていた。 その一つがこれ「覆水盆に返らず」であった。 英語では、 It is no use crying over spilt milk. (こぼれたミルクを嘆いても仕方がありませんよ。) 【覆水盆に返らず】 周(しゅう)の国に呂尚(ろしょう)という人がいました。 毎日、読書ばかりして働かなかったため、妻の馬氏(ばし)は愛想をつかして出ていってしまいました。 やがて、呂尚は、その国王の西伯(せいはく)によって見出され、太公望(たいこうぼう)とよばれ大出世します。 すると、それを知った妻の馬氏が復縁を申し入れてきました。 呂尚は、妻の馬氏の目でお盆水を入れ、それをこぼして言いました。 「私がこぼした水をすくってみなさい。」と。 妻の馬氏は言われたとおりに、必死ですくおうとしましたが、手ですくえるのは泥だけでした。 呂尚は、 「覆した盆の水が再び戻せないのと同じで、復縁は無理だ。一度実行してしまったことは、もう取り返すことができないのだよ。」 この故事から、「ひとたびしたことは取り返しがつかない」という意味に使われるようになりました。 |