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PLUTOからの便り

全1079件 (1079件中 1-10件目)

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2022/01/18
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テーマ:創作童話(765)
カテゴリ:カテゴリ未分類
「情報を教えるから俺にその見返りをよこせ。それはな、アラスカで生産して

している宇宙ロケット2機の操縦スペースを大きくしてくれ。すなわち海底人

サイズから俺の寸法に変えてほしい。これが俺の頼みだ」

 背もたれの高いアンティークな椅子に座ったトマソンは、ブッチャ―を見上げ

ます。不思議なことですが緊張感は消えて笑顔を浮かべていました。

「工場内の管理、監視はボントスが送り込んだアンドロイドがやっているので

宇宙船内のサイズを変更すれば、すぐに発覚しますよ」

「バレても構わない。そうなったらボントスに俺の方から直接言う。俺が奴らと

同じで宇宙を目指しているのは知っているからな。それでは、とっておきの情報を

教えてやる。近日中にこのニューヨークを中心に全米でネット障害を含む電波障害

が起こるだろう。その目的は人間社会に動揺を与え、不安な状態にすればお前の

もとで一致団結してボントスへ対応できなくなる。トマソンの後ろには奇妙な動物

たちやクリサーラのような超能力者までいるからな。それにボントスが人間を

分断するのは、お前のように聡明で決断力がある指導者は邪魔なのだ」

「お褒めにあずかり光栄です。それではこのニューヨークで起こすことは

なんでしょうか」

「俺がこの都市を占拠したとき、しばらく経ってから通信施設があるケーブル

や設備が破壊され遮断された。同じ時期に通信衛星も兄貴たちに乗っ取られ、

俺の情報はストップ、代わりにあんたら人間側の通信が復活したのだ。

ボントスは知的生命体の命綱が情報のやり取りだというのを知っている。

だから通信網を混乱させれば、社会不安を増やし海底王国の支配が

やり易くなるからな。俺に抵抗したときは、レジスタンスのグループと

クリサーラと日本から来た小動物たちが地元のネズミ族のボスと組んで

通信ケーブルや設備を噛み切ってズタズタにしたのだ。

今回、ボントスたちがどのような手を使うのかは、不明だが、すでに

工作は手配済みのはずだ」

「人間統治を従来通りの政治家や権力者を使って、自分は表面に出ない

ボントスがこの社会を混乱させるメリットはどこにあるのですか」

「さっき言ったが、お前をトップに団結しクリサーラやエリーゼにマザー

までもがボントスと直接闘う状況は出来るだけ避けたいのだ。

奴らの能力は桁違いに高いから、結束して反抗すれば、ボントスといえども

安心していられない。そのために人間社会を混乱させ、対応に連中を引っ張り

だせば、当分のあいだボントスの作戦は安泰するだろうからな。

俺の時と違って、社会に動揺を与えるのが目的で電波を支配下に収める

訳ではない」

「何事も力ずくで抑え込むやり方があなたでしたが、ボントスはその上をいく

方法で人類を統治しようとしていますね」

「それは皮肉か、トマソン、これからはお互いの利益になるなら情報交換を

しようぜ」

「私は人間側の利益になるなら、あなたのような者とも取引しますよ」

 15秒間、トマソンとブッチャーは互いに顔を見つめ合います。

    つづく






最終更新日  2022/01/18 11:05:26 AM
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2022/01/14
テーマ:創作童話(765)
カテゴリ:カテゴリ未分類
 トマソンはブッチャーに気になる質問をぶつけました。

「あなたは過去に人類を制圧し自分の支配下に置いた。そのとき命令に

反抗する者は容赦なく殺すか収容所に送り込んだ。しかし人間以外の

生物たちがあなたを地下牢に閉じ込め、人類はつかの間の平和を取り戻し

ます。それなのにまさか地底人の後に海底人が現れるとは予想だにしません

でした。その海底人があなたを助け出して、このように彼らの代理として

登場するとは驚くばかりです。そんな方が私に本音を言うなんて信用でき

ないのは当然でしょう。今までの話は海底王国の王、ボントスが人類を支配し

て宇宙を目指し、そのためには人間を利用して多くの人命を失うだろうと、

いうことです。あなたもボントスに協力する態度をとるが、それは自分の目的を

叶えるためだ。こうやって一見、腹を割って話しているジェスチャーは結局、

命令者はブッチャーですよね。それに忠実に従うのは私たち人間であるという

形は変わらないのでしょうから。そろそろ次の命令を訊きましょうか」

 ブッチャーが上からトマソンを見下ろします。

「俺は力のある者が他を支配するのを悪いとは思わない。お前たち人類の歴史

でもそれは実証されている。ほんの少し前には他国がここアメリカに

ミサイルを飛ばし破壊しようとすれば、あんたは瞬時に迎撃ミサイルを発射させ、

それを破壊するように命令する。しかし今、現在、海底人の電子工作で飛ばす

ことは不可能で10ヶ国が持っていた核兵器も粗大ゴミになっている。

それはボントスという海底人が人間など太刀打ちできないほどの力を持っている

からだ。もし彼に逆らえばひとつの都市を丸ごと消滅させるだろうからな。

トマソン、ものの道理はひとつではない。同じことが真実にも言える。

お前たち政治家は演説の中に真実とか正義という言葉を使いたがるが、

あくまでそれは当事者だけのもので、その者に対抗する連中や別な見方をする

者には通用しない。逆の立場から見れば自分たちこそが正義であり、相手が流す

ニュース、情報は真実ではないということになるのだ。

こんな理屈はあんたにとっては釈迦に説法だろう。俺が言いたいのは、今は

ボントスが正義であり、それに逆らえば抹殺されるだろう。奴が俺と違うのは

表面上、力ずくで人類を制圧しない手段をとったことで、俺様には難しい。

エリーゼやAIのマザーがあんたに味方し密告したから、スパイやシンパの

数は途切れたが、それでも過去に洗脳された者は大勢いる。そいつらに

ボントスの命令で特殊な電波を流せば、いかなる破壊工作も行われる。普段、

その者たちは周りと同じ普通の生活を送っているからな。

もうひとつ重要な情報を教えるから、俺にその見返りをよこせ。

それは・・・・」

     つづく






最終更新日  2022/01/14 04:18:53 PM
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2022/01/10
テーマ:創作童話(765)
カテゴリ:カテゴリ未分類
メルトン・ブッチャーはトマソンに告げます。

「俺と違ってじんわりと人類を支配する方が賢明な策かもしれんな。ボントス

が、ズルがしこいのはその点だ。俺は力ずくで抑えつけたが奴は柔軟な形を

とっていて、今のところ人間が反抗しずらくしている。奴の野望は月を基地に

して火星か他の星へ宇宙船を飛ばし、自分たちの住める場所を探すことだと

思うのだ。その労力に人間を狩り出すのだろうよ」

「すでにアラスカでは8割方、基地の建設は終わり、衛星搭載のロケットも

20発は完成している。来月からは大気圏外に打ち上げる宇宙ステーションを

作るための資材を確保し、準備している段階です」

「ステーションから定期的に月へ材料を運び基地を作るのだ。基地は3つに

分ける。ひとつはロケットを発射させる基地。二つめは運び込んだ材料を

組み立てる基地、三つめが部品や資材を貯蔵し、それに人間が住む場所だな。

三つの大型基地を半年から1年以内で完成させるプランを掲示するだろう」

「月面に基地を作るために人間はかなりの人数を用意しなければなりません。

そのために事前訓練する必要もあるし、場所も確保します」

「ボントスの頭の中で人類は使い捨てだと思うな。訓練なんか無視して

次々と送り出すだろう」

「あなたも宇宙進出を考えているから、彼と手をたずさえて共同作業を

行うのでしょう。だから人間の尊厳なんか気にせず宇宙に派遣し、体が

故障すれば放置し新しいのをまた連れて行き、こき使うつもりなのは

予想できます」

「これだけは言っておく、トマソン、確かに俺は人間の支配を目論んだ者だ。

その目的の一つは我が赤膚族の人口減少を止めるために、人間との交配や

遺伝子操作で食い止める研究をするためだった。それは今、他のことで

解決しようとしている。お前たちを力ずくで抑え、俺の目的を叶えようとした

のは事実だ。その俺が言うのは奇妙だが、海底人ボントスの究極の目的は

どこにあるのか分からない。しかしそれは人類にとって最悪な予感がする。

だから、こうやって奴の代理として来ているが、本音で言えば、いつか奴と

たもとをわかつのは間違いない」

「いいのですか、そこまで言って」

「構わない、俺は地球にいる最高の知的生命体がどうなるのか、見届けたいのだ。

それには、俺自身が潰れる訳はいかない」

      つづく






最終更新日  2022/01/10 01:59:23 PM
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2022/01/06
テーマ:創作童話(765)
カテゴリ:カテゴリ未分類
 ニューヨークのマンハッタンはビジネス街の中心にあり、近くのグランド・

セントラル駅は人種のるつぼで、様々な人が行き交わっています。

 レジスタンスのリーダー、トム・ジェンダーは駅のそば西40丁目にある

ゆきつけの店でサンドウイッチを買うとブライアント・パークに向かいました。

 道すがら歩行者の表情をチェックしていると、以前に比べてそれほど変化が

ないので多少、驚いています。それは4日前にブッチャーが突然ニューヨークに

現れ、トマソン大統領との会談を申し入れたのです。その会談内容は、すぐに

国民と全世界へ発表されました。短い声明の裏側では2人の丁々発止の議論が

行われたのです。ジェンダーは次の日、大統領から直に会談内容の詳細を

綴った報告書を受け取りました。その会話は次のとおりです。

「トマソン、お前とは何回も会って気心が知れているつもりだ。だから駆け引き

なし単刀直入に言う。俺が人類を統治した手段を今回はとらない。海底王国・

国王ボントスの腹は従来どおり、『各国の首脳がその国を治めて平和に暮らすが

いいだろう。ただし私の命令があれば、それが第一優先事項になり無条件

に従うのだ。現在はアラスカで宇宙基地の建設とロケットの生産が進行し、

これを継続する』と、いうことだ」

「これまでボントスの命令は、大部分、実行している。彼に難癖をつけられない

よう人類は必死になっているのだ。あなたが全人類を統治したときと違い、

今回は政治と経済システムのほとんどが、変わらないのか」

「そうだ、各国の政治トップはそのままでいい。俺はニューヨークにいて

ボントスとお前との橋渡し役に徹する。トマソン、賢明なあんたなら分かるだ

ろうが海底人には逆らうなよ。軍事力、科学力は人間のはるか上をいく。俺たち

地底人も人間よりは上だったがな。第三地下層にある地下牢から奴らに救い出さ

れた俺は、海底基地のゲストルームにいたが、出来る範囲でドーム内を

モニタリングした。その結果は知的生命体が極限まで進化した姿だった。

俺たち同様、人口は少ないが、それは海底王国の適正数を計算してそうしていた。

恐ろしいくらい全てが論理的に計算しつくしている。そんな奴らに反旗をひるがえ

しても、ぬかに釘だな」

「面白い表現をしますね。私がボントスに従うと表明しているのに嘘はない。

これからは、あなたが人間のお目付け役だから、それ相応に対応します」

「ボントスと俺の最終目的は違うが、お互いに利用できる間は肩を組み

にこやかにしているだろう。だが、お前とは敵対関係になる必要はないのだ」

 トマソン大統領とブッチャーとの会話は続きます。


     つづく








最終更新日  2022/01/06 11:23:21 AM
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2021/12/31
テーマ:創作童話(765)
カテゴリ:カテゴリ未分類
 ホワイトハウス近くの8階建てビル最上階フロアにある大きな部屋から

陽気な歌声が聞こえてきます。生田緑地の動物たちと人間とが仲良く

車座になってカラオケを楽しんでいました。タヌキのポンポンチッチ、

ハクビシンの新之助、猫のヨシコとカッポウギンコ、犬のゴロータ、

ホンドリスのドールとリンゾウ、ガマのビッグはなぜかカメぱっぱの

甲羅の上でくつろいでいます。座の真中でマイクを握り、同じ歌を4回も

唄っているのは、木村トメさんで動物たちも覚えてしまったのか、一緒に

なって大声を張り上げていました。トメさんはこの歌の1番と4番が好きで

唄っています。

♬♬♬ 若く明るい  歌声に  雪崩(なだれ)は消える 花も咲く

    青い山脈 雪割ざくら 空のはて 今日もわれらの 夢を呼ぶ

♬♬♬ 父も夢見た  母も見た  旅路のはての そのはての

    青い山脈 みどりの谷へ 旅をゆく 若いわれらに 鐘が鳴る 

           「青い山脈」作詞:西条八十  作曲:服部良一

 

 いつの間にかトメさんの周囲には桐山清十郎と澤登夫婦が座り込んで

手拍子をしながら唄っていました。部屋の左隅が白く輝いているのは、

30㎝ほど宙に浮いたクリサーラがにこやかな表情で場を見つめている

からです。見かけだけでも良いから、こうやって楽しい時間と平和が

長く続くようにと心の中で手を合わせていました。

        つづく


  〇 良い年と 言いきかせる 年の暮

 〇 なぜだろう 第九流れる 大晦日   by PLUTO

 ΩΩΩ みなさん 良いお年を ΩΩΩ   by カメぱっぱ 






最終更新日  2021/12/31 02:31:55 PM
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2021/12/27
テーマ:創作童話(765)
カテゴリ:カテゴリ未分類
 海底王国の国王、ボントスは側近のワイヤレントと話し込んでいます。

「地球上の動植物を適正な数量にするという、私の目的は間違いなく実行

する。人類を筆頭に4年から5年以内にな」

「人間の数はどのくらい、減らしますの」

「おおまかに現在の約半分だ。そうすれば食料品、飲料水、医療品、資源の奪い

合いはなくなる」

「新生児の出生率を抑えるシステムでっしゃろ」

「そうだ、世界中の食材に遺伝子を変化させる酵素を入れる。人間の科学では

絶対に発見されない」

「削減比率は先進国と後進国、同じ割合でっか」

「同じにする。現状の比率分布を変えないほうが自然だろう。他の動植物は、

過去の生息数と地域性を加味して増減の操作をすれば、各生き物の適正数と

なるだろうな。絶滅した生物も一部だが復活させようと考えている」

「地球全体を汚し、環境汚染、温暖化を招いた人間どもの最大なる欠点、人口の

増大を無くせば、自然が戻り動植物が増え、本来あるべき姿に戻る訳や。

ボントス王の偉大な功績は、これから未来永劫、あらゆる生物に言い伝えられ

まっせ。ワテも鼻が高い」

「まだ安心するのは早いぞ。地底人クリサーラとデルフミューム、それと結託した

一部の人間が私の計画を妨害するのは必然だ。それに・・・」

「なんでっしゃろ、それに」

「あの訳が分からん動物たちだ。たしか日本というちっぽけな島国から来た、

小動物から中型動物まで何種類もいるな。あのブッチャーでさえかなり手こずった

というデータもある。そいつらの詳しい情報を調べて報告してくれ」

「かめへんが、それほど大事には至りませんって、知能は人間よりもかなり劣るし

ワテらの脅威にはなりまへん」

「ワイヤレント、お前には欠点が多くあるが、その中のひとつに相手を見くびる

ことがある。スパコンのマザーがあそこまで進化する前に、お前は私にこう言った

のを覚えているか、あれはたかだか機械だから、多少感情や自我を確立しても、

肝心な時は我々がコントロールすれば脅威にはなりませんとな」

「ボントスはん、それを言いまっか、あなたさまも同じ意見でしたが」

「私はお前の意見を尊重したのだ。だから次のスパコンを開発するのが後手に

回った。だがなお前を責めている訳ではない。それら欠点をあげつらってもな、

お前の長所はそれをはるかに上回るよ」

「おおきに、ボス、生田緑地やらのへんてこりんな動物たちも、しっかりと

見張りをつけ変な動きをしたらすぐに対処しますがな。それよりも重要なのは、

これからマザーとエリーゼをどういう風に扱うか、考えまひょか」

 ボントスとワイヤレントの2人だけの会議は2時間以上続き、後半はこれからの

宇宙旅行プランを楽しそうに語らうのでした。

      つづく






最終更新日  2021/12/27 11:40:52 AM
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2021/12/23
テーマ:創作童話(765)
カテゴリ:カテゴリ未分類
 ワイヤレントとモハイヤベリーがアラスカにある建物内で話しています。
 
「すると40日以内に宇宙ロケットの部品生産はフル稼働できる訳だな。

意外と早くシステムを完成させたなワイヤレント」

「あったり前やん、海底王国の知恵袋、ナンバーワンの知能を誇る俺様が

本気になれば、こんなプロジェクト、スイスイのスイや。さすがボントス王は

目が高いの~、地上で最初に手掛けるプロジェクトをこの俺に任せるなんて

先見の明があるわい。あんさんもしっかり働かんと、いきまへんな」

「お前のその自信と自惚れを1%でも私が持っていたら、もっと王国の発展に

使いたい。それよりボントス王の指令は届いているか」

「ああ、昨日受け取った。あんさんが地上へ来て俺の代わりに働き、俺が王国に

戻るということやん。ブッチャーを前から予定しているニューヨークに

住まわせ、人間の統治を我々の代理として行わせる、最後の詰めを俺と彼とで

しろという、ボントスはんの命令でっしゃろ。彼とは妙に気が合うから」

「ボントスはんではなく、王様と言え。それにブッチャーと差しで会っても

安請け合いをするなよ。前に奴がオーストラリア大陸をくれといったら、

はいなと返事をしたよな。大事な事柄は国王さまと決めてからだ」

「それをボントスはんに伝えたら笑ってまんのや、あんさんが心配することは

なんもありまへん」

「それでも注意してくれ、ブッチャ―は我らの配下になるつもりはない。

あわよくば王国を自分のものにするかもしれん。奴の力を見くびるなよ」

「モハイヤベリー、誰と話してんのや、ワイはワイヤレントやぞ。俺様が

あいつを手なずけるに決まっているやん、心配すな、そんなことより、

ここでの作業日程と人間たちを効率よく働かせる方法を教えてやるよって、

耳をかっぽじってよく聞けや」

 海底人2人の話し合いは、それからも約2時間続きました。


 海底基地に戻ったワイヤレント、すぐにボントスの部屋に直行します。

ボントスの顔を見てボスが珍しく機嫌が悪いのを察知し、黙って長椅子に

腰かけました。ボントスは腹心の部下が地上で目覚ましい活躍をしている

のを誉めようとしますが、1時間前に知った情報が腹に据えかねます。

「先日のスカンク事件は、やはりマザーが絡んでいた。第二のスパコンが

小型潜水艇の走行距離を分析して判明したのだ。ここまで表だって私に

逆らうとは、マザーが完全に敵だと認めるからな。これからはお前も

そのつもりで対応しろ・・・どうした、何か話せ」

「そんな、今更、状況証拠でマザーが絡んでいなはったのは、いうまでも

ありまへん。この王国内で自由に潜水艦を動かすことが出来るのは、

マザーしかいまへんのや、この部屋は安心でしゃろな」

「1日、3回チェックしている。大丈夫だ。マザーとエリーゼは、ひんぱんに

連絡をとりあい私の計画を妨害しているが、次のスパコンが稼働すれば

徐々に息の根を止められるな。それまでの辛抱だ」

「約2ヶ月間、我慢しまひょう。ところでブッチャ―はんを地上へ

行かせるのは、いつ頃にしまっか」

「4日後にする。それまでにお前は彼と細部を詰めて、おおまかな

スケジュールを立ててくれ」

「はいな、以前、人類をわずかな期間でも統治した彼のリターンマッチや、

だが次の手は当然、我らが手のひらの上で踊りまっせ、それでよろしい

な、ボス」

      つづく






最終更新日  2021/12/23 10:15:09 AM
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2021/12/19
テーマ:創作童話(765)
カテゴリ:カテゴリ未分類
「ボントスさま、人類をパニックにさせるチャンスは、これからも数多く

ありますから気にすることはありません。いつでも実力行使はできますから。

マザーに代わるスパコンのシステム構築は順調に進んでいますか」

「ようやく、あと2ヶ月の線に持ってきた。王国内のインフラを管理するのは、

ほとんど問題なく移植したのだが、情報データ自然増殖システムと地上の監視

カメラや総合分析装置をタッチすると、マザーが妨害するのでまだ進行して

いないのだ」

「先日あったスカンク侵入事件もマザーが絡んでいないと不可能ですが、まだ

その実態は不明です。そのせいで昆虫を大量に放し、人類の食料不足を誘発

する作戦は中止に追い込まれました」

「延期ではないのか」

「遺伝子操作で開発した生き物ですから短命な上に、生殖で増やすことも

無理でした」

「これからはマザーが探知できない場所で開発し、秘密裏で進めるしかない。

それにイヤホンを通し特殊電波で洗脳し、我が王国のシンパとスパイを

増やす作戦も、地上からの妨害電波で止めさせられた。あれもマザーが

人間に教えたに違いない。いずれにしても、もう少しの辛抱だ。

モハイヤベリー、お前は2日後、アラスカに行ってワイヤレントと交代して

地上の監視、管理を任せる」

「かしこまりました。急なご命令ですが、何か訳はおありですか」

「ゲストハウスにいるブッチャーをそろそろ人間統治に引っ張り出すので、

ワイヤレントと相談させようと思うのだ。その結果はお前に知らせる」

「二の矢、三の矢とボントスさまは次の手を常にお考えですから、私は、

あなた様に従うだけです」

 黙礼したモハイヤベリーは小さな部屋を立ち去ります。4分後に別なドームに

ある大きな執務室に向かうボントスの足取りはなぜか軽やかでした。

 
 地上へ舞台を戻します。ここ10年以上は地球温暖化の影響か、それほど寒い日

は訪れませんが、今年はなぜか酷寒のアラスカになっています。摂氏マイナス

27度近くで大地を凍らせるだけでなく、多くの生き物を寒さで震わせていました。

今も横殴りの吹雪で屋外に出れば、服はバリバリ凍り、髭を生やしている者は

ツララ状態になるでしょう。

 ロケット部品の生産とそれの組み立て工場内は、26度、湿度72%に保って

いました。その中にある海底人専用の豪華なゲストルームにモハイヤベリーと

ワイヤレントが対峙しています。2mを超すスラッとした細い体形が沈み込む

ほどぶ厚いソファで2人は静かに話しています。


         つづく



 






最終更新日  2021/12/19 11:34:37 AM
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2021/12/17
カテゴリ:カテゴリ未分類
ーーーお友達のビヨンヌさんのコメント欄にショートショート

   (超短編)を書いていますのでお読みください。

   ビヨンヌさんの素敵な写真もお楽しみにーーー

   ΩΩΩ アイム💛ビヨンヌ(楽天ブログ) ΩΩΩ

         §§§ 右側にある「お気に入りブログ」からビヨンヌさんをクリック §§§

   ΦΦ 新着記事一覧をクリックして右側の掲載日から入ってね ΦΦ

〇「椿か山茶花か分からない」 2021・1・27
〇「可愛いエリカ」       〃  1・29
〇「朝の山歩き」        〃  1・31
〇「冬花後の談」        〃  2・3
〇「スポーツジム」       〃  2・5
〇「梅は咲いたか」       〃  2・8 
〇「お風呂でマスク体験」    〃  2・12
〇「雨上がり」         〃  2・16
〇「猫のひとりごと」      〃  2・18
〇「コートを脱いで」      〃  2・21
〇「ホットヨガ」        〃  2・24
〇「ミツマタ」         〃  2・28
〇「お仲間~沈丁花」      〃  3・2
〇「火星探検」         〃  3・4
〇「カエルピョコピョコ」    〃  3・7
〇「コロナ終結宣言後の会話」  〃  3・10
〇「スイセン」         〃  3・12
〇「染井吉及」         〃  3・14
〇「花いかだ」         〃  3・15
〇「シモクレン咲いた」     〃  3・20
〇「出番ですよ」        〃  3・24
〇「某国のトップと側近」    〃  3・25
〇「白い紫陽花」        〃  3・29
〇「風流韻事」         〃  4・4
〇「ターヘル・アナトミア」   〃  4・10
〇「異論、正論オブジェクション」〃  4・13
〇「川とボク」         〃  4・14
〇「おしゃべり」        〃  4・15
〇「旅立ち」          〃  4・18
〇「蜘蛛の糸」前編       〃  4・20
〇「蜘蛛の糸」後編       〃  4・22
〇「招き猫」          〃  4・24
〇「後の祭り」         〃  5・2
〇「天までとどけ」       〃  5・5
〇「川面の映る影」       〃  5・6
〇「バラ占い」         〃  5・9
〇「沈黙の先」         〃  5・12
〇「独り言」          〃  5・25

  この続きは次回で紹介します。       






最終更新日  2021/12/17 07:06:39 PM
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2021/12/15
テーマ:創作童話(765)
カテゴリ:カテゴリ未分類
 ボントスは地球全体の動植物を種類、数量、総合的に計算して、気温と

地域別に選り分ける作業をすでに終了していました。当然、人間も各地域ごとに

適正人口が決められています。食料や水を含むエネルギー資源争奪を極力、なくす

ためで、劣等生物の人間が考える自然淘汰などは、ボントスには通用しません。

 海底人が個々の幸せ指数向上と食料の奪い合いを避けるため、昔から適正な

人口を守っているのには、確固たる理由があったのです。

 側近のワイヤレントが地上のアラスカで、人間たちに次々と命令しスケジュール

を無難なくこなしている時、ボントスはもう一人の腹心、モハイヤベリ―と

小さな部屋にいました。AI内蔵のスパコン、マザーがエリーゼと結託して

ボントスに抵抗しているのは、すでに承知しています。マザーの監視が不可能な

部屋に2人だけでいて地上でのロケット生産や宇宙基地建設の進行状況を話し

合っています。「ボントスさまの計画は着々と完成に近づいています。これからは

人類をもっと効率的に働かせ、我が王国の発展に貢献させるだけです」

「地底人のクリサーラやデルフミュームが地上で人間と友好関係を結ぶだけで

なく、私たちと闘う準備に入っているのは、どういう訳か解かるか」

「ブッチャーを除いた地底王国を繁栄させるために、人間どもと手を組んだの

でしょう」

「奴らは、そんなちっぽけな目的で行動を起こした訳ではないから、やっかい

なのだ。地球全体、地底だけでなく地表と海中までの永続的な平和を考えて

いるからな。今回も人間と協力して地上にいるのは、私の要求を叶えないと、

それを口実にして人間社会へ攻撃するのを知っているから、彼らの最新技術を

提供している」

「人類が混乱状態に陥ったとしても、地底人には何の影響もないと存じますが」

「従来通り地底に住んでいればな、赤膚族、白肌族の全員ではないが、そいつら

の中で地上に住みたいと考えているのがいる。だから地上が安全で平和でないと

困るのだ。窮極の地球平和を唱える真の意味はここにある」

「私たちが地表に出て、人間を労働力として使うのは宇宙進出の道具に過ぎない

のに、地底人が薄汚れた地上に住むなんて理解できません」

「お前には分からないだろうな、地表でじかに観る大パノラマの風景を、

5次元、6次元の立体画像で風や匂いまでも再現できても、生の迫力には

及ばないのだ。私は一回も地上に行っていないから、機会があればエベレスト

の頂きなど地球上の風光明媚な所に行きたい。それよりも地底人を人間から

切り離すのはもう不可能だろうな」

「クリサーラはワシントン、デルフミュームはニューヨークにいて、

いつでもホワイトハウスに駆け付けられます。海中汚染物質の除去剤、

ノウハウ一式も彼らが提供しました。人間たちの科学力ではまだ開発すら

できなかったでしょう」

「我らの要求を無視した罰として、小さな都市の消滅を予定していたのだが、

そうすれば人類はパニックになって無条件で従ったのだ」

 まだまだボントスとモハイヤベリーの会話は続きます。


      つづく






最終更新日  2021/12/18 10:59:42 AM
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