テーマ:創作童話(818)
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歴代の大統領、肖像画が壁面の上部へ右から左にずらっと並んでいる部屋に
落ち着いた面々、そのまま床へ横になりました。桐山清十郎が誰ともなく 話し始めます。 「まだまだ人間は成長していない未熟な生き物でござるよ」 澤登沙祐里がつぶやきます。 「人間同士の差別、民族闘争を繰り返し行う、愚かな生物よね。 人種に関係なく環境と教育でどうにでもなるけれど、本来持っている本能や 遺伝子がどこまで人類の成長に影響を与えるか、これからの研究課題ね。 クリサーラさん、白肌族の教育とはどのようなものですか」 「人間族でいう学校はありません。それぞれの家庭とコミュニティーが バランスをとって、しつけとマナーを教えています。年齢を重ねるにつれ 疑問点や社会学を自然と学ぶ習慣があります。 誰かに教わるのでなく自らが年長者に質問し覚えていくのです。 言葉にしなくてもテレパシーで会話ができるので便利ですよ。 7歳からは各自の個性や興味を照らし合わせ、自分で進路を決めます。 芸術方面に進めば、それの専門家が面倒を見ますが、何かを押し付ける ことはないので、あくまで自主性を重んじるのです。 各生命体に同じものはありません。だから考えや意見もバラバラで良いので、 それを10歳までに覚え、各個性に重んじる空気になじむようになるのです」 遠い昔を懐かしむようにクリサーラは目を細めました。 つづく お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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