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2020/10/04
テーマ：創作童話(818)
カテゴリ：カテゴリ未分類
トマソン大統領が立ち上がりにこやかに応じます。
「ありがとう、クリサーラ、地底人の方々が海底人は存在するというならば 知能指数、総合科学力、軍事力すべてで劣る我々人間が反対する理由は ありませんね。諸君、それでは具体的な対応策を話し合いましょうか」 大統領が自由に意見や考えを出し合い、すぐれた発想を引き出す ブレーン・ストーミング形式の会議を提案すると、各閣僚たちは気軽に 発言するようになり、有意義な事案が数多く採決されました。 まず深海専用潜水艇を準備が整いしだい、海底人が指定した海域に 送り込むこと。海面上昇のデモンストレーションをするには、それなりの 準備が必要になるというクリサーラの指摘で、相手の潜水艦が何艘来るか 分からないが、最後尾にいる一艘の跡をつけ海底人の基地を突き止める 案が採用されます。 次に彼らとの交渉内容が検討されました。けんけんごうごうの議論が 一段落したところで大統領がみんなの意見をまとめます。ここでその発言 内容を要約しましょう。 「最初に人類誕生以来、海を汚しただけでなく生態系を狂わし、結果的に 海底人や他の生き物に多大なる迷惑をかけたことを心より陳謝する。 過去に戻るのは不可能だが、未来はこれから準備作成するプランのもと、 確実に実行するよう約束する。まず現在、海中に垂れ流す生活用水と工場 排水の汚染防止基準値を上げ、海水の汚染度を出来るだけ下げる目標を 掲げる。Ｇ７のアメリカ、日本、ドイツ、イギリス、フランス、カナダ ＥＵ連合は1年後に開始、中国や他の国はその3年後にスタートする。 海底にある無数のプラごみや海中の汚染物質の除去は、人類だけでなく 海底人の知識も拝借して協同でプロジェクトを組み、2年後には世界 ７か国に処理工場を作るのを宣言する。人類は早い時期に海底人と 実がある会議を開催するのを切望するので、期限をきって人間を脅かす ような命令は撤回するようにお願いする。 人類も海中汚染の大きな要因となっている大気汚染やＣＯ２排出なども 今後大幅削減し、地球全体の自然確保と美化に努力することを誓う」 つづく お気に入りの記事を「いいね！」で応援しよう
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