テーマ:創作童話(818)
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「かなり前からエリーゼはマスタールームで作業をしていた形跡がある。
彼女がマザーを手なずけたのだろうな・・それは我々が予定してる活動の 脅威になる。マザーが敵になったら、こちらには勝ち目はない。 王国の心臓部といっても過言ではない力を持ち、ひとつの兵器と考えればそれに 対抗できる武器はない。残された手段はエリーゼを奴から遠ざけるのが 理想だが、彼女を軟禁状態にすればマザーが黙ってはいまい」 ワイヤレントが薄笑いを浮かべます。 「ワテに良いアイデァがありまっせ。エリーゼはんは、母親を慕っている から週に1回は見舞いに行っているやん、そこを利用するのや、カスマヨル 公国の宮殿に入る寸前に拉致して、コルピース王国だけにある牢獄に 閉じ込めれば万事上手くいくと思うがの~」 モハイヤベリーが首を振りました。 「彼女の側近が3人、常にそばにいるのと、拉致している現場をマザーに 見つかれば、手痛いしっぺ返しが待ってます。実力行使は危険だと思うが」 「他に考えがなければやるしかあらへん。ボントスはん、どうするのや」 「モハイヤベリーが言うとおり、エリーゼを拉致、監禁するのは、完全に マザーを敵に回すときだ。我々がそれまでに奴をシャットダウンする方法を 探し出すか、スーパーコンピュータを作っていないと、この王国は、 大混乱を生じ致命的な破壊に繋がる。ワイヤレント、マザーに代わるものを 考え開発するのに、どのくらいの時が掛かると思う」 「そうやな、半年は掛かるやろ」 「4人のスタッフがすでに開発を進めているが、約2年と言っている。それまで マザーには表立って逆らわず、ことを進めるしかないのだ」 「人間どもに有利な情報を与え、ワイたちが不利になってもしょうがないと いうわけや」 「止むを得ないだろうな、ここは一旦、実力行使を避けるため、人間たちの 回答を呑んだ形にするしかない。私には、まだ秘策があるからな」 「なんや、早う教えてくんさい」 「聴きたいか、ワイヤレント」 「もったいぶらずに早う」 「お前の真似をしているだけだ。どうしようかな」 「いい加減にしなはれや、あんさんは、王様で威厳ってもんが必要やんか、 ワイとは違う」 「都合が悪くなるとワイヤレントは、正論を押し付けるな。ま、秘策かどうかは 別だが、ゲストルームで毎日、酒池肉林の接待を受けている赤膚族、ブッチャ―を 利用するのだ」 つづく お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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